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「ハイレゾCD」登場、MQA×UHQCDでユニバーサルから100タイトル
2018年4月10日 11:11
ユニバーサル ミュージックは、MQA技術を活用した「ハイレゾCD」を6月20日に発売する。生産限定盤で、全100タイトルをラインナップ。価格は各3,000円だが、2枚組で4,000円のタイトルや、ハイレゾCDの効果が聴き比べできる体験サンプラーも1,000円で発売する。タイトルは「ザ・ローリング・ストーンズ/メイン・ストリートのならず者」や、「エリック・クラプトン/461オーシャン・ブールヴァード」など。
ユニバーサル ミュージックは2007年に、透明性・流動性に優れるポリカーボネイト素材を使用した「SHM-CD」、2010年には、そのSHM素材をシングルレイヤーのSACDに採り入れた「SA-CD～SHM」仕様、2013年には反射膜にプラチナを使用した「プラチナSHM」を発売するなど、オーディオ/音楽ファン向けの高音質ディスクを開発・発売している。
新たに開発した「ハイレゾCD」は、MQA-CDとUHQCDという、2つの技術を採用。「CD以上のスペックを誇るハイレゾ音源を収録した、極めつけの高音質CD」と位置付けている。
MQAは、ハイレゾ音源を「クオリティそのままに小さくできる」とする技術。音楽を“0～24kHzまでの音楽信号”と、“それよりも高周波な音楽信号”に分け、高周波な信号をまるで折り紙を折りたたむように、0～24kHzまでの音楽信号の中にある耳に聞こえないレベルのノイズ信号の中に移動させる、独自のエンコード方法を採用している。
これにより、MQAに対応していないプレーヤーで再生した場合は、通常のPCMデータとして認識され、CDと同じように再生できる。対応プレーヤーで再生した場合は、ハイレゾサウンドで楽しめるというもの。リッピングも可能。
MQAはこれに加え、時間軸方向の精度も向上。デジタル変換によって生じる時間的な音の滲みをクリーニングして、マスターに含まれている時間軸情報の劣化を防止。「音の一つ一つが素早く、彫り深く立ち上がるので、ヴォーカルやメイン楽器が空気感豊かに浮かんでくるだけでなく、今まで気づかなかった“隠れ音”の存在に驚かされることもしばしば」だという。
ディスクの製造には、素材系高音質CDの最新型であるUHQCDを採用。メモリーテックが開発したもので、通常の音楽CDでは、インジェクション成形という方法で、ポリカーボネートにデータのピット(ミゾ)を記録する際に、スタンパとよばれる金型を使用し、高熱で溶かしたポリカーボネートを流しこむことで、スタンパ上のピット模様を転写する。だが、ポリカーボネートは粘り気があり、スタンパのピットの隅々まで入りきらず、スタンパ原盤のピットを完全に転写することはできない。
HQCDでは、ポリカーボネートではなく、フォトポリマーを使用して、スタンパのピットを転写。フォトポリマーは通常状態では液体だが、特定の波長の光を当てると固まる特性がある。この特性を利用することで、液体状態でスタンパの微細なミゾに浸透し、その凹凸を高精度に再現できる。これにより、CDプレーヤーが情報を読み取る際の精度を飛躍的に向上できるという。
MQAとHQCDを組み合わせたハイレゾCDの音質について、ユニバーサルでは、「まるで音の鮮度が上がったようなマスター再現能力の高さは、“最高性能のクリスタル・ディスクに迫る”」としている。レーベル面には、CDプレーヤー内で反射する不要なピックアップ光を吸収するグリーン・カラー・レーベルコートを採用した。
通常CDと同じジュエルケース仕様だが、帯はケース全体を包み込むクリアファイルのような特殊形態を採用。ケースから外せば、それ自体にCDやジャケットを収めることができる“スリムケース”に変身する。「MQAのコンセプト同様、ケースを薄く“折り畳む”ことができる、CD棚のスペースに悩む方には嬉しいスタイル」だという。
ユニバーサルが発売するハイレゾCDの第1弾は、豊富なカタログから厳選したというクラシック、ジャズ、ポップスの名盤100タイトル。その多くでマスターとしたのは、SACD～SHM仕様シリーズ用のDSD素材から変換した176.4kHz/24bitファイル。ハイレゾCDには、「ここでしか入手することのできないデジタル未配信音源も含む」という。また、一部はハイレゾCDシリーズのために、新たにアナログ・テープから起こしたタイトルとなる。
ハイレゾCDの第1弾タイトルラインナップは「スティーリー・ダン/彩(エイジャ)」、「スティーヴィー・ワンダー/キー・オブ・ライフ」、「ジョン・コルトレーン/ブルー・トレイン」など100タイトル。詳細は専用ページに掲載されている。
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