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急拡大する左右分離型ワイヤレスイヤフォン。平均単価1.7万円。BCN調査

 BCNは13日、左右分離型のワイヤレスイヤフォン(完全ワイヤレスイヤフォン)に関する「BCNランキング」調査結果を発表した。2018年3月の販売数量は前年と比べて10倍以上で、イヤフォン市場全体における販売台数構成比も急上昇。「停滞感が漂っていたイヤフォン市場を活気づける存在となりつつある」という。

 完全ワイヤレスイヤフォンの注目が高まったのは、2016年12月のアップルAirPods発売から。当時の参入メーカーは10社に満たなかったが、17年夏以降から急増し、現在では約30社が展開し、製品のラインアップ数も増えている。AirPodsの供給も安定したことで、イヤフォン市場における販売数量構成比は1年間で、0.5%から10.5%(17年12月)に拡大した。

 また、完全ワイヤレスイヤフォンの直近の平均単価は17,000円台と高価格なため、2,000円台であったイヤフォン市場全体の平均単価も、2年間で4,000円台と約2倍となった。

 上位メーカーの動きをみると、アップルがAirPodsを発売した当初からほぼ市場を独占。'17年9月には83.7%まで達した。現在もAirPodsの1製品だけで46.0%を占めている。

 2位、3位を争うのはボーズとソニー。'17年秋に発売したボーズの「SoundSport Free wireless headphones」とソニー「WF-1000X」は、2万円を超える価格ながら、人気を集めている。4番手はソフトバンクで、主力の「GLIDiC Sound Air TW-5000」は1万円を切っており、メーカーごとに価格戦略は異なる。

 BCNでは、アップルがiPhone 7シリーズからイヤフォン端子を廃止した影響に言及しており、「市場は立ち上がったばかりだが、価格や製品の多様化が進めば、完全ワイヤレスがイヤフォンのスタンダードとなる日も近いかもしれない」としている。