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定額制音楽配信の'17年利用者は1,780万人。Amazon最多、2位Apple。ICT総研調査

 ICT総研は13日、定額制音楽配信サービスの利用動向に関する調査結果を発表した。利用者増の傾向が'15年から続いており、'17年末の総利用者数は1,780万人と推計。定額制で利用率が最も高いのはAmazonの「Prime Music」(プライム ミュージック)で、2位がApple Music。満足度調査では「KKBOX」がトップだった。

(出典:ICT総研)

 調査結果は、ICT総研による定額制音楽配信サービス運営各社、関連企業への取材、各種公開資料のほか、インターネットユーザー4,012人へのWebアンケート調査をもとに分析したもの。

 '17年末の定額制音楽配信サービス利用者数の内訳は、有料サービスが870万人、試用中を含む無料サービスが910万人と推計。今後も定額制サービスの利用者増が続き、’20年末には有料・無料サービス全体で2,270万人に拡大すると見ている。

定額制音楽配信はAmazonとApple人気。Spotifyは利用率倍増

 Webアンケートの調査では、定額制音楽配信サービスの利用状況は「有料サービス」が10.7%(430人)、「無料サービス」が11.4%(459人)で、全体の22.1%(889人)が有料/無料いずれかの定額制音楽配信サービスを利用していた。昨年の調査と比べて、有料サービスは2.2%、無料サービスは1.5%、利用率が向上した。定額制音楽配信サービスを利用しない人は77.8%。

 ICT総研は「有料サービスは20代~30代の利用率が最も高く、無料サービスでは10代~20代の利用率が高い。年齢層が高くなるほど音楽配信サービスの利用率は低下する傾向で、10〜30代が音楽配信サービス市場を支えている」と見る。

(出典:ICT総研)

 定額制ユーザー889人に、主に利用するサービス名を聞くと、「Prime Music」の利用者が最多の318人でトップ。Amazonプライム会員(月額400円)であれば利用でき、映像配信や配送料無料など多様なサービスも含まれ、「価格が安いことから人気を集めている。4,000万曲以上が聴き放題となるAmazon Music Unlimitedもあり、両サービスを合わせたシェアは他を圧倒している」(ICT総研)。次に利用者数が多いのはApple Musicで276人。3位以下はLINE MUSICが198人、Spotify 174人と続く。Spotifyは利用者数が最も増え、昨年の利用率は2%だったが、今年は3.9%へと倍増。「海外サービスが普及し始める一方、日本発のサービスは苦戦している」という。

(出典:ICT総研)

 サービスの満足度を定額制ユーザーに聞くと、KKBOXが76ポイントでトップ。2位はレコチョクBestで74.3ポイント、3位はApple Musicで73.8ポイントだった。利用率トップのPrime Musicは70.6ポイントで、「安価だが視聴できる楽曲が100万曲しかないため満足度は高くない」(同)。

(出典:ICT総研)

 音楽配信サービスはスマホの普及とともに利用者数を増やしてきたが、利用していない人が全体の77.8%を占める。 定額制音楽配信サービスを利用しない理由は「定額で支払うことに抵抗がある」、「YouTubeなどで無料で楽しめる」など、価格面での理由が上位に入った。ICT総研では「(音楽配信サービスに)料金を支払うことに抵抗がある層が多いようだ」としつつ、定額制音楽配信サービスの普及を阻む違法性の高い無料サービスの存在を指摘。「音楽コンテンツ市場は縮小に向かっており、有料の音楽配信サービス利用者が拡大しない限り、音楽産業の発展も見込めない」としている。

(出典:ICT総研)