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Shure、新コンデンサ型イヤフォン「KSE1200」。DACを省き19.8万円

 シュア・ジャパンは、コンデンサ型のイヤフォン第2弾モデル「KSE1200」を発表した。発売時期は5月下旬~6月上旬を予定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は198,000円前後。4月28日から予約受付を開始する。28日から開幕された「春のヘッドフォン祭 2018」では、発表会も開催された。

「KSE1200」

 2015年に発表された「KSE1500」をベースとしているが、アンプ部に搭載していたDSPとデジタル入力を省き、アンプ部の小型化を実現。実売36万円前後のKSE1500と比べ、低価格化も実現した。

アンプ部がコンパクトになった、コンデンサ型のイヤフォン第2弾モデル「KSE1200」
「KSE1200」
左がKSE1500のDAC搭載アンプ部、右がKSE1200のアンプ部

 Shureのプロダクトマネジメント・シニアカテゴリーディレクター、マット・エングストローム氏は、「コンデンサ型ならではのサウンドを自分のDACで楽しみたいという人たちのために開発した。KSE1500と同様、KSE1200はポータブルとして実現可能な最高レベルの再現性と遮音性を備えている。コンデンサ型のサウンドをより手頃な価格でより多くの皆様にお届けできるようになったことに大きな喜びを感じている」とコメント。

マット・エングストローム氏

 イヤフォン部分にはMicroDriverを1基搭載。入力端子は、3.5mmのライン入力を1系統備えている。底部には、高出力の機器と接続した時に、クリッピングを防ぐためのPADスイッチを備え、-10dB減衰させる事も可能。

入力端子部
底部

 USB経由で充電し、12時間の使用が可能。充電時間は最大3時間。イヤーピースは通常のタイプと、フォームタイプ、トリプルフランジタイプも同梱する。

 バイアス電圧は200V DC、出力電圧は±200V、イヤフォンとアンプの接続にはLEMOコネクタを使っている。アンプ部の外形寸法は93×59×21mm(縦×横×厚さ)。重量は155g。

使用イメージ

 マット・エングストローム氏は、日本市場の声も踏まえて開発したモデルが「KSE1200」であると説明。その上で、コンデンサ型の強みとして、「KSE1500が登場してから2年の時が流れたが、イヤフォン市場ではマルチドライバ化が進み、どれだけ多くのBA詰め込めるかが問われている。一方で、本来の意味で“新しい技術”はなかなか生まれていないのではないか? コンデンサ型は、今日においても、世界最高の音質を生み出すものだと思っている」と語る。

ショーン・サリバン氏

 ショーン・サリバン氏は、KSE1200の振動板が、「質量がほとんど無いくらい、薄くて軽量なものだ」と説明。「例えばボーリングの玉を素早く前後に動かすのは重くて無理だが、それがピンボン玉ならどうでしょう?」と例え、軽量な振動板が俊敏かつ微細に振動する事で、クオリティの高い音質を実現している事を説明した。

「KSE1200」のイヤフォン部
内部構造

 なお、KSE1200とKSE1500のイヤフォン部分はまったく同じもので、音質も同じだという。しかし、KSE1200のアンプ部分はアナログに特化し、よりシンプルな新設計になっているため、「アナログ入力の音質としては、ノイズフロアも下り、よりクリアに楽しめるようになっていると思う」(ショーン・サリバン氏)とした。

 ただし、KSE1500のユーザー向けに、KSE1200の新アンプ部分のみを単品で販売する予定は、現在のところ無いという。「そうしたアイデアもディスカッションしているが、今後、要望があれば、将来的には考えていきたい」(ショーン・サリバン氏)とのこと。

 マット・エングストローム氏はさらに、「KSE1200だけでなく、様々な製品の開発が進んでいる。数年の間に出てくる製品も多く作っているのでご期待ください」と締めくくった。