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Goldring、“Legacyを超える”最上位MCカートリッジ「Ethos」
2018年9月1日 09:15
ナスペックは、英Goldring(ゴールドリング)のMCカートリッジ「Ethos」を9月1日より発売する。価格は185,000円。針交換は125,000円で、ユニットごと交換となる。
従来のMCカートリッジのトップモデルであり、約10年にわたるロングセラー「Legacy」(18万円)。それを超えるカートリッジとして、Legacyに大きく改良を施しながら、5,000円の価格アップとなっている。製品名には“精神”を意味する「Ethos」を冠している。
Ethosの核となる「GOL-1」ジェネレータは、フロントポールシューを改良。新デザインのダンパー部や、メインスクリュー、ピンブロック素材を採用する。カンチレバーも刷新した。そのほか、新しいテスト・セットアップ方式やクロスシェイプ・アーマチュア(電機子)、日本製のKozo(楮)ペーパー・カバーの採用など、多くの面でブラッシュアップされている。
新たに先端曲率半径8×35μmの特殊ラインコンタクト針を採用。堅牢で軽量な硬質特殊合金カンチレバーによって、ジェネレーターに接続される。素材の配合を見直して軽量化を実現。形状はLegacyよりわずかに長くなった。発電効率を引き上げ、トラッキングエラーの原因となる歪みを低減。状態の良くないレコードにおける追従性を高めた。コイルへの急激な加減速も抑えられ、安定性を改善。針先で読み取られた音を今まで以上に正確に、発電コイルに伝えられるという。
アーマチュアはクロスシェイプの十字型で、実効質量を軽減でき、振動系の大幅な軽量化に成功。より確実に音溝との接触を保ち、30dBを超えるチャンネル・セパレーションを実現する。
Ethos用に開発された新しいサスペンション・ダンパーは特殊ブチルゴム複合材で、共振時もサスペンション・システムを素早く減衰させられる。
ジェネレータに使われるネオジウムマグネットは前後ポールシューで固定し、そこから吊下げる形でクロスシェイプ・アーマチュアを配置。ギャップ内の磁場は完全に均一となるという。また、軽量な日本製KOZO(楮)ペーパーをダストカバーに採用し、ネオプレンラバーよりも軽く共振も少ないとする。
カートリッジ本体はアノダイズ処理を施した航空機レベルの緻密なアルミニウムボディ。ジェネレーターを組み込む際に最低限のパーツで行なえるよう形状も見直した。磁気回路はボディに直接ビスで貫通させ、機械的な強度の向上に寄与するという。
周波数特性は35Hz~18kHz ±2dB。出力電圧(1kHz, 5cm/sec.)は0.5mV、チャンネルセパレーション(1kHz)は30dB、出力バランス(1kHz)は1dB。針圧は1.5〜2gで、1.75g推奨。内部インピーダンスは4Ω、負荷インピーダンスは100Ω。重量は7.7g。