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オーテク、チタン筐体とDLCのポータブル最上位ヘッドフォン/イヤフォン
2018年9月12日 16:30
オーディオテクニカは、チタンハウジングとパーメンジュールを使った磁気回路、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施した振動板のヘッドフォン1機種、イヤフォン2機種を10月19日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はヘッドフォン「ATH-AP2000Ti」が140,000円前後、イヤフォン「ATH-CK2000Ti」が80,000円前後、「ATH-CM2000Ti」が50,000円前後。
いずれも、ポータブルのハイエンドモデルと位置づけられており、ハウジングにチタンを採用。さらに、パーメンジュールを採用した磁気回路とDLCコーティング振動板を採用したダイナミック型ユニットを搭載している。
同社は昨年、オープンエアヘッドフォンの最上位「ATH-ADX5000」をリリースしたが、「ポータブルにおけるADX5000のような立ち位置の製品」をテーマに開発されたという。そのため、開発にあたっては「通常のヘッドフォンは開発時に、市場売価を設定し、そこから生産コストを決めたりするが、音と装着性を最重視し、コストに縛られずに開発した」(商品開発部 ポータブルリスニング開発課の坪根広大氏)という。
ヘッドフォンの「ATH-AP2000Ti」は、純鉄ヨークも採用した新開発の53mm径ユニットを採用。独自開発のコアマウントテクノロジー(PAT.P)と、D.A.D.S(. Double Air Damping System)構造により、広帯域再生を実現。再生周波数帯域は5Hz~50kHz。インピーダンスは44Ω、最大入力は2,000mW。出力音圧レベルは100dB/mW。
ハウジングは、音響特性に優れたチタニウム製。マグネシウム合金のアームとスライダにより、強度と軽量化を追求した。
イヤーパッドには、耐久性を備えたしなやかな肌触りのシープスキンと、低反発素材を採用。
ケーブルは着脱可能で、A2DCコネクタを採用。ステレオミニの入力プラグ採用で1.2m、グランドをL/Rで分離したスターカッド撚り線ケーブル。同じくステレオミニで3mのケーブル、さらに、6N-OFC導体を使用し、長さは1.2m、クロストークを低減したというアンバランスケーブルも付属する。ケーブルを省いた重量は約300g。
2基のユニットを搭載「ATH-CK2000Ti」
9.8mm径と8.8mm径、2基のユニットを向かい合わせに搭載した「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を採用したカナル型イヤフォン。「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」のイヤフォンは、4年前に13mmユニットを2基使ったモデルが登場しているが、CK2000Tiでは10mmを切る小型ユニットになっている。これは技術の進化により、従来よりも小型なユニットでも高音質が出せるようになったため。ユニット小型化によりハウジングも小さくなり、音質と装着感の両方が進化したという。
再生周波数帯域は5Hz~45kHz、最大入力は100mW。インピーダンスは10Ω。出力音圧レベルは102dB/mW。
筐体は精密切削のフルチタニウムボディで、不要共振を排除した。
A2DCコネクタにより、ケーブルの着脱が可能。グランドをL/Rで分離した、1.2mでアンバランスのスターカッド撚り線ケーブルと、入力4.4mm/5極プラグのの1.2mバランスケーブルを同梱。イヤーピースはComplyで、サイズはS/M/Lを用意する。重量は約12g。
大口径インナーイヤー「ATH-CM2000Ti」
インナーイヤータイプのモデルで、ドライバは大口径かつ新開発の15.4mm径を採用。再生周波数帯域は10Hz~45kHz。インピーダンスは16Ω。最大入力は100mW。出力音圧レベルは102dB/mW。
筐体は精密切削フルチタニウムボディで不要共振を排除した。
A2DCコネクタにより、ケーブルの着脱が可能。グランドをL/Rで分離したスターカッド撚り線ケーブルを採用した、1.2m/ステレオミニ入力のケーブルと、入力4.4mm/5極、1.2mのバランスケーブルも同梱。ケーブルを省いた重量は約11g。
音を聴いてみる
ヘッドフォン「ATH-AP2000Ti」を試聴しようと持ち上げると、あまりの軽さに驚く。ハウジングに使っているチタンの薄さにこだわっており、音質だけでなく、軽量化にも寄与したという。軽量であるため、装着した際の負担もほとんど感じられない。
非常に開放的なサウンドで、とてもポータブルヘッドフォンとは思えない。クリアかつシャープなサウンドで、反響の少ない広い音場に、明瞭な音像が描かれる。
チタンを使ったヘッドフォンは、きらびやかで少しナローな“チタンの響き”が乗る事があるが、AP2000Tiに関しては、そうした癖のようなものをほとんど感じない。チタンの薄さも、こうした特徴に関係しているそうだ。
カナル型の「ATH-CK2000Ti」も、チタン筐体の剛性の高さを感じる。2基のダイナミック型ユニットが強力に動作し、パワフルな低音が出ても、筐体の響きが音をボワッと濁すような事がない。そのため、低域の分解能が非常に高い。パワフルかつシャープさを備えた中低域が楽しめるイヤフォンだ。
インナーイヤーの「ATH-CM2000Ti」も、チタン筐体によるクリアな音が特徴だ。インナーイヤーらしく、圧迫感、閉塞感の少ないサウンドで、広大な音場に音が広がっていく様子が心地良い。まるでヘッドフォンで音楽を聴いているような気分が味わえるイヤフォンだ。