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ゼンハイザーの左右分離、iBasso Audio新プレーヤー、JVC“謎の”イヤーピース

国内外から多くのブランドが出展する、国内最大級のイヤフォン&ヘッドフォン体感イベント「ポータブルオーディオフェスティバル2018冬 東京・秋葉原(通称:ポタフェス)」が15日に開幕した。会期は12月15日、16日。会場はベルサール秋葉原。ここでは、ゼンハイザー初の左右分離型イヤフォンや、iBasso Audioのプレーヤー「DX200Gold」などをレポートする。

ゼンハイザー初の左右分離型イヤフォン「MOMENTUM True Wireless」

ゼンハイザー

注目を集めているのは、12月20日に発売される左右完全分離型イヤフォン「MOMENTUM True Wireless」(M3IETW BLACK)だ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は36,000円前後。

「MOMENTUM True Wireless」

ダイナミック型ドライバを搭載。コーデックはSBC、aptX、aptX Low Latency、AACをサポート。Bluetooth 5.0に対応する。再生周波数特性は5Hz~21kHz、感度は107dB(1kHz/1mW)。

充電ケースに特長があり、表面にファブリック素材を使っている。バッテリー持続時間は約4時間で、充電ケースを併用すると合計約12時間使用できる。重量は約13.2g。

充電ケースに特長があり、表面にファブリック素材を使っている

ZERO AUDIO

協和ハーモネットのブースでは、ZERO AUDIOブランド初の左右完全分離型イヤフォン「TWZ-1000」を展示。2019年1月下旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は16,700円前後。

新たな「True Wireless ZERO」シリーズの第一弾モデルと位置づけられ、接続安定性と省電力性能に優れたQualcommの最新チップ「QCC3026」を採用したのが特長。

ZERO AUDIOブランド初の左右完全分離型イヤフォン「TWZ-1000」

さらに、MMCX端子をケーブルの途中に用意する事で、様々な展開ができるケーブルドッキングシステム「M-Dock」の製品群も紹介。Bluetoothイヤフォン化するためのケーブルなども参考展示している。

「M-Dock」対応ワイヤレスレシーバー

途切れにくい左右分離型イヤフォンを実現するチップ

前述の「True Wireless ZERO」にも採用されているのが、左右分離型イヤフォンで、接続安定性の大幅な向上と、省電力性能向上を実現するというQualcommの最新チップ「QCC3026」だ。イベントには、Qualcommもブースを出展。「QCC3026」の特徴を紹介している。

QCC3026の大きな特徴は、「TrueWireless Stereo Plus」に対応した事。スマホから左右イヤフォンへと、個別に音楽を送信する方式で、対応するスマートフォンと連携する事で、接続安定性が飛躍的に向上するという。さらに消費電力も大幅に減少するとしている。

「TrueWireless Stereo Plus」

会場にはQCC3026の開発用ボードなども展示。エム・ティ・アイがNUARLブランドで発売する「NT01AX HDSS TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」や、ソフトバンクセレクションとして発売される「Mavin Air-X」など、QCC3026を採用した左右分離型イヤフォンも紹介している。

左が「NT01AX HDSS TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」、右がソフトバンクセレクションとして発売される「Mavin Air-X」

Qualcommブースでは他にも、クリプトンのアクティブスピーカー「KS-55」(ケーエス ダブルファイブ)が試聴可能。PCとUSB接続してPC用アクティブスピーカー、スマホとワイヤレス接続するBluetoothスピーカー、光デジタル&アナログ入力で、TVやCDプレーヤー、ゲーム機などとも接続できるのが特徴。Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/aptX/aptX HDに対応。セパレートタイプのスピーカーで、aptX HDに対応した世界初の製品でもある。

クリプトンのアクティブスピーカー「KS-55」

iBasso Audio

iBasso Audioのブースでは、新ハイレゾプレーヤー「DX200」、「DX150」、「DX120」を紹介。DX200はESSの8ch 32bit DAC「ES9028PRO」を2基搭載、アンプモジュールの交換にも対応。DX150は、旭化成エレクトロニクスの「AK4490EQ」を2基、アンプモジュール交換にも対応する。DX120は小型モデルだが、旭化成の「AK4495EQ」を搭載する。

DX120

ブースではこれに加え、DX200の筐体を無酸素銅で作り、金メッキを施し、内部回路も刷新したという「DX200Gold」を参考展示。価格は未定だが、35~36万円をイメージしているという。

DX200の筐体を無酸素銅で作り、金メッキを施し、内部回路も刷新したという「DX200Gold」

さらに、アンプ交換機構向けの別売アンプモジュール「AMP9」も参考展示。次世代真空管「Nutube」を使ったもので、25,000円程度になる予定。

別売アンプモジュールを取り付けたところ

他にも、15日に発売を開始したばかり、テスラテクノロジー磁気回路と、カーボンナノチューブ振動板、ダイヤモンドライクカーボンのセンターキャップを組み合わせた、独自のDiNaTTドライバーを搭載したイヤフォン「IT01S」も出展している。

ナイコム

ナイコムのブースでは、GRADO製ヘッドフォン「ヘリテージ・シリーズ(Heritage Series)」2モデルを展示。12月14日から発売されており、価格は、上位モデル「GH4」が65,800円、シリーズ初のエントリーモデル「GH3」が39,800円。いずれも国内130台の限定販売となる。

上位モデル「GH4」
シリーズ初のエントリーモデル「GH3」

GH4は台数限定で生産されるヘリテージ・シリーズの第3弾で、既存モデルGH1/GH2の後継。ノルウェー産パイン材(マツ)をハウジングの素材として採用しており「暖かみのあるサウンド、味のあるトーン」を特徴としている。パイン材をハウジングに使用するための加工として、クオーター・ソウン・カットと硬化加工法を組み合わせている。パイン材の特性に合うようにチューニングしたGRADOシグネチャー・ダイナミックドライバーを搭載。振動板は45mm径。

GH3は、ヘリテージ・シリーズ初のエントリーモデル。パイン材の特性を生かしチューニングされたGRADOシグネチャー・ダイナミックドライバーを搭載する。振動板のサイズは45mm径。30年前のかつてのプレステージシリーズヘッドフォンからインスピレーションを得て開発。ノルウェー産パイン材ハウジングで、パフォーマンスとコンパクトなサイズを特徴としている。

さらに、GRADOのBluetoothヘッドフォン「GW100」も、量産品が参考展示されており、発売は間近のようだ。

GRADOのBluetoothヘッドフォン「GW100」
RHA初の左右完全分離型ワイヤレスイヤフォン「TrueConnect」

RHA初の左右完全分離型ワイヤレスイヤフォン「TrueConnect」も、国内展示会では初披露。発売を開始しており、実売は約2万円。

IPX5の防水性能を備え、6mm径のダイナミック型ドライバを搭載。「没入感に富み、音の細部まで表現するように設計されている」という。

エルゴノミック・ステムデザインを採用したステム部に、Bluetoothアンテナを内蔵して伝送性能を向上させた。本体ボタンで接続機器の操作ができるほか、音声アシスタント機能のコントロールも可能。再生時間は約5時間で、付属の充電ケースと組み合わせることで最大25時間使用可能。

JVC

JVCのブースでは、木の振動板10周年の最上位イヤフォン「HA-FW10000」を筆頭に、「HA-FD01SP」、「HA-XC70BT」、「SP-A10BT」などを出展。「WiZMUSIC」の体験ができるコーナーも用意している。

そうした製品にも注目だが、見逃せないのは「詳細はまだ秘密」という謎のイヤーピース。モチモチした感触の素材を使っているが、表面の粘着性は抑えられている。内部にはスパイラルドット加工も施されているようだ。

気になるのは、傘の部分と、内側の素材が異なる事。異なる素材の繋ぎ目は、ギザギザになっている。具体的な製品化時期や、単品販売の有無などはまだ未定だが、要注目のイヤーピースだ。

JVCブースに登場した謎のイヤーピース

オンキヨー桐ヘッドフォン「SN-1」

オンキヨー&パイオニアのブースでは、桐を使ったオンキヨーブランドのヘッドフォン「SN-1(BR)」を体験できる。クラウドファンディングサイトの未来ショッピングで8月から先行販売していたが、12月下旬からの一般販売開始が決定。価格はオープンプライス、直販サイト「ONKYO DIRECT」で予約販売を開始しており、店頭予想価格は34万円前後。

GRADOのBluetoothヘッドフォン「GW100」

ハウジングに、高級和楽器にも用いられる会津桐を採用。和楽器の筝内部に施される「綾杉彫り」により、ハウジング内部の定在波を防ぎ、音の響きを均一にすることで桐素材本来の響きを活かしている。

また、劇場版アニメ「Fate/stay night [Heaven'sFeel]」とイヤフォンのコラボも決定。製品詳細は後日発表とのことだが、ポストカードの配布などでアピールしている。

劇場版アニメ「Fate/stay night [Heaven'sFeel]」とイヤフォンのコラボも決定

声優とコラボしたイヤフォンも

i-dioの高音質チャンネル「TS ONE」で放送中、「ラブライブ!」星空凛役で知られる声優・飯田里穂による番組「COUNTDOWN FRIDAY飯田里穂のオールアニソンTOP20」と、finalブランドを手がけるS’NEXT、e☆イヤホン、学研プラスのGetNaviがコラボ。番組公式イヤフォンの製作を決定。ポタフェスのイベントステージにおいて、12月16日14時から発表トークイベントが開催される。finalブースでは試聴も可能だ。

番組パーソナリティの飯田里穂が、デザインだけでなく音質も自ら試聴し、チューニング。今後、完成までの道のりを番組内でもリポートするという。

飯田里穂とコラボしたイヤフォンが誕生する

さらに、finalのMakeシリーズを、声優の小岩井ことりがチューニング。そのレシピを再現したモデルも試聴できる。彼女がfinalのために書き下ろした限定音源「Nevertheless」も試聴可能だ。

小岩井ことりがチューニングしたfinalのMakeシリーズ

光城精工のブースでは、真鍮筐体でMMCX端子を採用したイヤフォンの最終サンプルを展示中。標準でシルク介在、PC Triple-C導体採用のケーブルが付属するほか、バランス接続用などのオプションケーブルラインナップも予定している。来年春に発売予定で、価格は未定だが6~7万円をイメージしているという。

光城精工の真鍮筐体イヤフォン
リケーブルラインナップも用意する
オーディオテクニカブースでは、左右分離の「ATH-CKR7TW」や、IPX5相当の防水性能を備えたスポーツ向け「ATH-SPORT7TW」などを紹介
サーモスのオーディオブランド・VECLOSブースも賑わいを見せている
スタックスのブースでは、開放型イヤースピーカー「SR-003 MK2」と「SRS-002」用の密閉カバー/イヤーピースセット「CES-A1」に注目が集まっている。12月13日に発売されたばかりで、価格は6,000円