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民放5社がTV視聴データ活用で共同実験。番組を観た時刻など集約/分析

日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビの在京民間放送局5社は、各社個別で収集しているテレビ視聴データを集約/分析する共同技術実証実験を1月21日~2月4日に実施。視聴者の利便性向上や放送コンテンツ制作への活用を目指して行なう。

5社共同で視聴データを収集/集約

関東地区のインターネットに接続されているテレビを対象に、現在は各社個別に収集している視聴データ(視聴中のチャンネル情報や番組の視聴時刻情報など)を集約/分析。昨年9月26日に発表した「在京民放5社による放送の同時配信サービスに関する技術実証」における総務省から野村総合研究所への委託実証事業の一環として行なわれる。

今回の技術検証では、参加放送局5社が同一受信機を一意に識別するために発行する5社共通のID、視聴中の参加放送局5社のチャンネル情報、番組の視聴時刻情報、IPアドレス、テレビ受信機に設定された郵便番号の5つの視聴データを取り扱う。

これらの視聴データは、特定の個人を識別できる情報を含んでいないほか、データ処理過程で個人を特定できないようにする措置をとっており、個人情報保護法上の「個人情報」には該当しないという。なお、共通IDとして、B-CASカードIDや製造番号などは利用しない。また、5社以外の視聴や、録画による視聴は含まれない。

視聴データの集約のため、記録された情報が実証実験用の情報であることを判定するための情報や、共通ID、視聴データ提供を視聴者が停止したかを識別する情報を、テレビ受信機内のデータ記憶領域に保存する。

視聴データの利用目的は、「視聴状況調査、及び調査結果の番組制作への反映と、放送サービスの利便性向上」、「安心、安全な視聴データ収集・集約・管理システムの検証」、「新たなマーケティング手法等の可能性の研究」の3つ。5社で集約/分析した視聴データを統計化したうえで、第三者に開示する可能性がある。なお、実験のために集約/統合したデータは、実験終了後に全て削除する。

視聴データの集約を停止したい場合は、期間中に参加放送局全てのデータ放送にある、データ放送トップ画面から実証実験告知ページへ遷移するボタンを押し、遷移先の実証実験告知ページの実証実験に「協力しない」を選ぶ。停止方法の詳細は、5社共同実験のWebサイトで案内している。