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JVCケンウッドの最終製品に3Dプリンタ活用へ。生産終了品のパーツにも

JVCケンウッドは、日本HPやSOLIZE Productsと協力し、最終製品の量産に3Dプリンティングの活用を開始する。開発中の医療用カメラの部品に「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」で造形したパーツの採用が決定した。

ラジカセの補給部品となるハンドル部を3Dプリンタ活用で試作したもの

これまでもJVCケンウッドは、試作品や治具などの開発・設計段階において3Dプリンティングを活用。量産品への3Dプリンティングの導入を検討してきた。市場投入の加速化や製造コストの削減などのメリットがあり、従来工法では困難だった複雑な造形も実現できるため、新たなソリューションの提供も可能だという。

3Dプリンティングによる造形受託サービスと3Dプリンター販売事業を手がけるSOLIZE Productsは、2018年に「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」を導入し、製造業に対して3Dプリンティングの最終製品への活用を提案している。

今回、JVCケンウッドによる最終製品への3Dプリンタ適用に向け、3社共同で3Dプリンティングに適したパーツの選定や試作パーツの技術的な検証を実施。開発中の医療用カメラの量産への導入を決定した。このパーツは、「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」により設計を最適化。従来工法では製造が難しい複雑な構造を実現し、機能改善とコスト削減を両立したという。

今後もJVCケンウッドは両社との協業によって3Dプリンティングを活用。付加価値の高い製品作りや新規ソリューションのスピーディーな市場導入を目指す。

3Dプリンティング活用の展開として、生産終了した製品などのサービスパーツへの導入も進めている。サービスパーツは、長期にわたる金型管理やメンテナンスコストの負担が課題となっているため、3Dプリンティングの導入により負担の軽減を図る。