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FiiO、3.5mmアンバラ、2.5mm&4.4mmバランス出力搭載の新プレーヤー「M11」

東京・中野の中野サンプラザで4月27日に開幕、28日まで開催している「春のヘッドフォン祭 2019」。エミライブースで、FiiOの新プレーヤー「M11」が参考展示された。3.5mmのアンバランスに加え、2.5mmバランス、さらに4.4mmバランスまで備え、幅広いイヤフォンと接続できるのが特徴となっている。

FiiOの新プレーヤー「M11」

5月~6月の発売を予定しており、DACチップに「AK4493EQ」を2基、左右独立構成で搭載している。価格は未定だが、「競争力のある価格になるよう調整している」という。

「M11」

FiiO史上、日本で最も出荷台数が多いという「X5 3rd」の後継機種であり、Mシリーズの中核と位置づけられている。また、サイズ・重量は「X7 mk2」相当であり、投入されている物量からすると、コストパフォーマンスの高い製品になる見込みだ。

背面

最大の特徴は、DACチップに旭化成エレクトロニクスの「AK4493EQ」を、左右独立で2基搭載している事。ノイズ量を約半分に抑えたほか、歪みも1dB減少するなど、大幅な音質向上を実現したという。384kHz/32bitまでのPCMと、11.2MHzまでのDSDがネイティブ再生可能。

もう1つのユニークな点は、イヤフォン出力として、3.5mmシングルエンドと、2.5mmのバランス、さらに4.4mmのバランス出力端子を備えている事。2.5mmと4.4mmのバランスを両方備えたプレーヤーは珍しく、端子による音の違いを聴き比べやすいモデルとも言える。

3.5mmシングルエンドと、2.5mmのバランス、さらに4.4mmのバランス出力端子を備えている

ヘッドフォン出力端子は、ラインアウト、同軸デジタル出力としても動作する。ラインアウト出力時には、自動的にヘッドフォンアンプ回路がバイパスされる。

アンプ部には、新たに設計されたフルバランス構成のヘッドフォンアンプ回路を搭載。OPA1642採用のローパスフィルター回路に加え、電源回路も大幅に改良したという。抵抗やコンデンサなど、主要電子部品もグレードアップ。カスタム仕様のオペアンプ「OPA926」も使っており、汎用品のDA8397オペアンプと比べ、さらなる低ノイズフロア、低歪、全体的な低消費電力も実現したという。

プロセッサはSamsung製の「Exynos 7872」で、デジタルオーディオプレーヤー史上最高クラスの高速動作を実現したとする。メモリは3GB、ストレージメモリは32GB。microSDカードスロットは2基搭載し、それぞれ最大2TBまでのカードに対応する。なお、SDカードの大容量化に伴い、今後FiiOではSDカードスロットを2基搭載した製品の開発予定は無いという。

Bluetoothの送信機能は、aptX/aptX HD/LDAC/HWA(LHDC)などに対応。受信はSBCのみサポートだが、今後のファームアップデートにより、受信時にもLDACが利用できるようになる予定。

再生には自社開発の音楽再生アプリ「FiiO Music」を使用する

ディスプレイは5.15型、18:9型HDタッチスクリーン。解像度は1,440×720ドット。カスタマイズされたAndroid OSを採用しており、自社開発の音楽再生アプリ「FiiO Music」を使用する。OS標準搭載のサンプリングレートコンバーターを回避するよう最適化されている。

なお、Google Play Storeは利用できないが、アプリをインストールするための、別アプリをプリインストールする予定。ホワイトリスト化されたアプリのインストールとアップデートや、外部APKサービスのインストールとアップデートの機能を備えるという。

アプリのイメージ

スマートフォンのアプリからM11をリモート操作する「FiiO Link」にも対応。この機能は、現在Androidデバイスのみサポートされている。近日中にもiOSに対応予定。

外形寸法は130×70.5×15.5mm(縦×横×厚さ)で、重量は211g。3,800mAhのバッテリを搭載し、アンバランス接続時の再生時間は13時間、バランスでは9時間。

上部の電源ボタン
左側面のボリュームダイヤル