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ジャパンディスプレイは'18年度純損失1,094億円。1,000人規模の希望退職募集

ジャパンディスプレイは15日、2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の連結業績を発表。通期の売上高は前年度比11.3%減の6,367億円で、営業損益はマイナス310億円、当期純利益はマイナス1,094億円と、前年度比で赤字幅は縮小したものの損失を計上した。同日に発表した構造改革として、1,000名規模の早期希望退職者の募集や、役員報酬と管理職等の賞与減額などを予定している。

2018年度通期連結業績

期初に想定していた下期からのスマートフォン向けFULL ACTIVEディスプレイの出荷増が想定の水準に届かなかったことを、売上減の要因として挙げている。'17年度実施の構造改革で固定費は減少したものの、売上高が想定を下回ったことや、競争環境の激化から限界利益率が低下したことから、営業赤字が継続。第4四半期の営業損失も想定(200億円超)を上回った。

既報の通りJDIは、台湾のタッチパネル大手であるTPKと、中国・台湾の投資会社から構成されるSuwaコンソーシアムから、最大800億円の金融支援を受ける。これにより、INCJ(旧産業革新機構)は筆頭株主ではなくなり、台湾・中国企業の傘下となることを4月に発表している。2017年8月に発表した中期経営計画は、Suwaコンソーシアムとの提携後に新たな計画を策定する予定。

'19年度上半期は、モバイル分野の需要低迷などから、売上高は前年同期の2,143億円比10%程度の減少を見込む。下半期は、OLED(有機EL)を含む新製品の立ち上がりにより、上半期比で売上拡大。第1四半期中に発表する構造改革による固定費低減などで、下半期からの黒字体質定着を目指すという。

今後発表予定の構造改革では、2020年3月期第2四半期末までに、1,000名規模で早期希望退職者の募集を実施するほか、役員報酬と管理職等の賞与を減額することを想定。2020年3月期第1四半期中に詳細を発表予定としている。

そのほか、スマートフォン向け生産設備の一部(主に白山工場の事業用資産)において資産の収益性が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額。2019年3月期第4四半期に752億円の減損損失を計上。

上記構造改革の実施と減損損失の計上により、2020年3月期において約200億円の固定費削減効果を見込んでいる。

なお、病気療養中の東入來信博氏が、健康上の理由から代表取締役会長を退任し、常務執行役員チーフ・マーケティング・オフィサーの伊藤嘉明氏も退任することが同日付で発表された。