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ジャパンディスプレイが1,200名を削減、白山工場一時停止。モバイル不振
2019年6月13日 15:03
ジャパンディスプレイ(JDI)は、12日に開催した取締役会において、モバイル事業の縮小と、白山工場(石川県白山市)の一時稼働停止、茂原工場後工程ライン(千葉県茂原市)の閉鎖、1,200名の人員削減などを決議。さらに、月﨑義幸社長兼CEOの辞任など、執行体制の刷新も発表した。
5月15日の決算発表時にも説明した構造改革の具体的な内容を決議。同社の柱であるスマホ/タブレットの液晶ディスプレイを扱うモバイル事業については、中国メーカーらとの競争激化や米中貿易摩擦、スマホメーカーの有機EL採用拡大などを理由に、「需要の大幅回復の見込みが立たない」として縮小を決定。
従来取り組んでいる車載・ノンモバイル事業の強化を継続する一方で、モバイル事業については縮小し、生産/一部生産設備の集約により収益改善を目指す。スマホ向けディスプレイ生産拠点の一つである白山工場は一時稼働停止。また、モバイル事業用の後工程生産の縮小のため、茂原工場後工程ラインを閉鎖するほか、生産設備の除売却を行なう。なお、白山工場は今後の顧客需要の動向を踏まえ、2019年9月末までに再稼働などについて判断する予定。
人員削減については、国内希望退職者を1,200名募集。海外は、主にスマホ向けディスプレイを販売する中国の海外販売子会社で数十名程度の人員削減を実施する。JDIからJOLEDへの出向者/出向予定者は、JOLEDへの転籍を前提として協議を進める。
役員報酬、管理職給与、一般社員賞与などの減額も実施。社長は報酬月額を60%減額、一般社員の2019年度夏期賞与は約15%減額となる。
執行体制の刷新により、希望退職の完了予定日である9月30日付で、代表取締役社長 兼 社長執行役員 CEOの月﨑義幸氏は社長執行役員 兼 CEOを辞任。10月1日付で発足する新執行体制で、現任の社外取締役の橋本孝久氏が取締役会長に、常務執行役員 CFOの菊岡稔氏が社長執行役員 兼 CEOに就任する。
希望退職者募集による早期割増退職金として、2019年度第2四半期に約90億円の特別損失を計上する見込み。人員削減などによる費用削減効果は、年間約200億円を見込む。なお、白山工場の資産については減損損失400~500億円を特別損失として2019年度中に計上する可能性があるほか、白山工場を再稼働しなかった場合は、追加の特別損失として100~200億円が発生する可能性がある。
今回の構造改革による固定費削減や、車載・ノンモバイル事業の強化、4月に発表したSuwaコンソーシアム(台湾のタッチパネル大手TPKと、中国・台湾の投資会社から構成)との協業によるシナジーなどにより、2019年度下半期からの黒字体質定着を目指す。