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バンダイナムコHD、ガンダムの創通をTOBで完全子会社化へ。約350億円

バンダイナムコホールディングスは9日、機動戦士ガンダムなど、多くのアニメ作品の版権管理などを行なう創通に対して、1株につき3,100円で株式の公開買い付けを行なうと発表した。バンダイナムコホールディングスは、創通の株式の22.79%を保有しているが、全株を取得して完全子会社する。買い付け等の期間は10月10日~11月25日。買付金額は最大350億7,400万円。

バンダイナムコホールディングスの子会社であるバンダイは、「機動戦士ガンダム」シリーズに係る事業連携強化を目的と、2000年7月に創通の株式の21.7%を取得。その後も取得を進め、現在は3,340,000株(22.79%)を所有。バンダイナムコグループの主力IPの1つである機動戦士ガンダムシリーズを共同で展開・運営する重要なビシネスパートナーとして、密接な関係を構築してきた。

バンダイナムコグループは、中期計画の重点戦略として「IP軸戦略のさらなる進化」、「ALL BANDAI NAMCOでの成長」を掲げており、それを確実かつスピーディーに進めるために、ガンダムシリーズについて、さらなる連携強化による事業のスピードアップやグローバル市場での事業拡大に向けた取り組みが必要と判断。

また、創通がメディア事業として進めている新規IP創出に向けた取り組みについても、バンダイナムコグループが取り組んでいる新規IP創出強化との親和性が高く、「バンダイナムコグループのエンターテインメント分野における多彩な事業領域と連携・連動し、最適なIPを創出・展開することが可能となるため、シナジーが期待できる」と認識しているという。

創通を完全子会社化することで、従来より創通と共同で展開・運用してきたガンダムシリーズについて、「バンダイナムコグループとしてさらなる連携強化を図り、製作、許諾、生産、販売の一連のバリューチェーンをより強固なものとするとともに、対象者の経営判断のより一層の迅速化を実現することにより、ガンダムシリーズのIPとしての価値を最大化することが可能となる」と説明。

エンターテインメント市場では、技術の進化や顧客嗜好の変化のスピードが加速しており、グローバル市場における競争の激化も予想。こうした市場環境の変化を踏まえたグローバルな事業展開をスピーディに行ない、ガンダムシリーズのIPとしての価値を最大化するためには、「両社が市場に対するビジョンを共有した上で統一的な意思決定を迅速に行ない、一体として事業展開を行なうことが必要」と判断したという。