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富野監督、涙の爆笑!? 劇場版「Gレコ」舞台挨拶レポート。12日までの上映

11月29日から2週間限定で上映されている劇場版アニメ「ガンダム Gのレコンギスタ I 行け! コア・ファイター」。12月8日に上映2週目舞台挨拶として「女の力Day」が新宿ピカデリーで開催され、その舞台挨拶レポートが到着した。

左から寿美菜子、富野由悠季総監督、嶋村侑、高垣彩陽

登壇したのは、富野由悠季総監督、アイーダ・スルガン役の嶋村侑さん、ノレド・ナグ役の寿美菜子さん、マニィ・アンバサダ役の高垣彩陽さん。MCは綾見有紀さんが務めた。

「女の力Day」と銘打った2週目舞台挨拶は最初に女性キャスト陣が登壇。「富野由悠季の世界」展にて販売されているグッズ「富野監督応援うちわ」を手に富野監督を呼び込むという、華やかな雰囲気でスタートした。

「Gレコ」収録現場での思い

――寿さん、高垣さんは「G-レコ」では初めての舞台挨拶になりました。

寿「『G-レコ』という作品がここまで歩んでこられたこと、劇場でみなさんとお会いできることをとってもとっても嬉しく思います。」

高垣「劇場版第1部を収録してから2~3年経っているので、この日が迎えられて良かったな、ここからがスタートだな、と嬉しく思っています。ダジャレがすごく好きなので、私も好きなマニィのセリフ『女の力でーー! 』をもじった今日のイベントも楽しみにしてきました」

――富野作品の女性を演じる上でこだわったところ、難しかったところはありますか?

富野「そんなものあるわけがない! (笑) それなりに性格を調べさせてもらった上でキャスティングしています。"まんま"で演じていただければいい」

高垣「オーディションの時、富野監督に『今日は芝居をしないで、一切作らないで、あなたのままでやってみてください』と言われて。ナチュラルな演技を求められることは多いんですけど、それが一番難しいというか、何が正解なのかわからないな、と思っていた時期でもあったので、自分なりに芝居をしないでやってみたんです。そうしたら、『しなくていいって言ったけど、少しはしてくれよ! 』と言われました(笑)。演劇的というか、自分に落とし込むことが大事なのかな、と思って『演劇を勉強しよう』と考えた帰り道でした」

寿「ノレドも『そのままでやってください』と言われて。"ピンクの髪のチアリーダー"から受けるイメージに引っ張られてしまっていたので、アフレコが始まってからも、自分らしさとノレドの無邪気さをいかに近づけつつ、いかに(キャラクターに)飛び込んでいけるか、が『G-レコ』のアフレコ現場では大事でした」

嶋村「富野監督の描く女性ってみんな人間らしくって、彼女たちの受けたストレスであったりプレッシャーであったりを発散するシーンも描いてもらっているので、キャラクターの生理がつながっていると感じます。そういう意味では本当に、飛び込むのが大事! 」

――演じる上でTV版から劇場版への変化はありましたか?

高垣「『G-レコ』の現場は"考えるな、感じろ"だと思っていて。TV版を収録した時に『あなたたちの解釈はいりません。台本に全部書いてあるから。その通りやってください』と富野監督が仰られて。私たちを信頼してくださっているからそう言ってもらえているんだと思うし、それだけ信頼を置いてもらっているならば、私たちは監督の台本を信じて全力で演じれば正解になるんだ、と思って。『私は今、マニィとして感じたことを言葉にすればいいんだ』というマインドになりました。劇場版になってもそのマインドは一緒だったんですけど、マニィは今後、立場が大きく変化していくので、劇場版第1部の学園生活には、ちょっと切なさや懐かしさを持ちながら、だからこそ活き活きと楽しい気持ちで演じようと思いました」

――劇中ではコックピット内で用を足す際に独特の音楽が流れますが、自分がパイロットだったらどんな音楽を流したいですか? 私だったら早くトイレから出たいので、ロック調の曲をかけたいです。みなさんだったらどうですか?

富野「(とても驚いた表情で)そういう話、ぼくは今初めて聞きました。ぼくはトイレになるべく長くいたい。一番本が読める場所だから。だからロックは勘弁して欲しい(笑)」

高垣「私もリラックスしたいかな。クラシックとか。でも、モビルスーツのコックピットだったら、戦っている最中かもしれないから(富野笑)、戦いへのテンションを上げるためにロックとかもいいかもしれない」

(モビルスーツのトイレBGM談義で盛り上がる女性陣。富野総監督、涙を流すほど爆笑)

寿「でも、そういうところも『G-レコ』の魅力ですよね」

――一般的な生活環境の感覚を描けている、ということですね

高垣「それが人間らしさにつながっているんだと思います」

嶋村「私は歯磨きのシーンも好き。日常的でちょっとした生活感があって、大好き」

富野「褒めてくれていると思いますので嬉しいです。笑いすぎて泣けてきました」

――来年2月21日公開の第2部へ向けて、ファンへのメッセージをお願いします

寿「パンフレットとかにも秘話が書かれているんですけれども、新規カットだったりとか、こういう解釈なのかとか、『G-レコ』をより深めていける時間が始まっていくと思います。今日はどうもありがとうございました」

高垣「TV版をご覧になってくださった方もそうでない方も、改めて『Gのレコンギスタ』という作品を辿っていただけると思います。人の葛藤や悲しみ、希望がより一層深く描かれていると思いますので、ぜひ第2部もお楽しみください。個人的に楽しみなのは、ドリカム(DREAMS COME TRUE)さんのテーマソングなんですが、ぜひ上映を待っていてください」

嶋村「ご覧になっていただいた皆さんも同じ気持ちになっているかもしれないんですが、『Gのレコンギスタ』って本当に映画館向きの作品だったんだなと実感しています。映画館というベストな状態で、こんなにたくさんの方々に見ていただいているという事実を目の前にして、本当に本当に嬉しく思っています。この後、第2部、第3部と続いていきますので、どうぞこれからも応援よろしくお願い致します」

富野「今しがた御三方が上手に説明してくれたので、ぼくがこれ以上言う言葉はありません。ただ、第5部まで作り続けていきたいと思いますし、そこまでやらないと嶋村さんが説明してくださったような話が伝わらない部分があります。皆さん方の応援がなければ制作が続行できませんので、今後ともよろしくどうぞお願い致します」