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家で“バーチャル試着”できるイナダの55型4Kテレビ。フィットネス機能も
2020年1月15日 19:25
マッサージチェアを手掛けるファミリーイナダは15日、登録したユーザー情報に基づいて最適なファッションコーディネートを画面上で提案するバーチャル試着機能を搭載した「AI.Inada.Mirror IM-055」を発表した。3月上旬より、全国の家電量販店やECサイトなどで販売を予定。受注生産品で、価格は3,980円/月の60回払い。ブラックとアイボリーの2色を用意する。
AI.Inada.Mirror(AIイナダミラー)は、Android OS搭載の55型4Kディスプレイに、独自のコンテンツを搭載したデバイス。横向き・縦向きのピボット(画面回転)が可能で、横画面時はテレビの視聴やNetflixなどの動画コンテンツ、縦画面時はバーチャル試着やフィットネス、美容などの独自コンテンツが楽しめる。
同社では「55型の4Kディスプレイを使ってはいるが、テレビ視聴はあくまで機能の1つ。ユーザーの身長や体重情報に応じて、AIがリコメンドする試着機能やフィットネス、美容のサポートといった健康の維持や毎日の生活に役立つ独自のコンテンツが大きな特徴。自宅のスタンドミラーのような存在、使い方を目指して“次世代型AIミラー”と名付けた」としている。
製造本部の那須氏は「製品の主なターゲットとしては、30~40代の女性。製品の認知拡大を目指し、家電量販店や百貨店、デパート、ホームセンターなどの健康コーナーで販売、デモ展示を実施したい。価格は、販売場所に関わらず、独自の5年間リース販売システムで提供する」という。
ディスプレイ部は、中国BOE製の4K液晶パネル(3,840×2,160ドット)を採用。
ディスプレイ部のハンドルで画面を横向きに回転させると、テレビの視聴が可能。地上・BS・110度CSデジタルチューナーに加え、4K放送チューナーを各1基搭載。別途、外付けUSB HDDを接続すれば、2K、4K放送の番組も録画できる。標準でNetflixアプリも内蔵する。
メニュー画面から「美術館」「試着」「ヘルスケア」「美容」「フィットネス」などが選択可能。
「試着」では、予め入力されたユーザー情報(性別・身長・体重・顔のタイプ)に基づいて、AIがユーザーに最適なファッションを動画で提案してくれる。バーチャル試着の際は、ディスプレイ部の内蔵カメラを使い、顔を撮影して使う。試着画面に提案されたファッションアイテムは、そのままネット購入することもできる。
スタイリストの日比理子氏、高橋愛氏、中野翔一氏がコーディネートの監修に携わっており、「AIがレコメンドしたファッションを、ユーザーが自宅で、しかも動画で疑似体験できるサービスは世界初」という。
現在は、2社3ブランドの女性アイテムがAIのレコメンド対象。今後は取り扱うアイテム数を拡大すると共に、男性のバーチャル試着にも対応する予定。
「運動」では、フィットネス初心者の女性、および高齢者向けのトレーニングが体験可能。心拍数計測用の同社ウェアラブルアクティブメジャー(別売)を装着し、画面に指示された運動を行なうことで、内蔵カメラがユーザーの動きを認識し、ミラーが適切なアドバイスをするという。専用トレーニングマシン・エクサチェア(別売)を使った、全身ストレッチも用意する。
「美容」では、セルフマッサージやスキンケアにおける有効成分の提案や皮膚トラブルに関するアドバイスを表示したり、「健康」では、身体の症状に応じたアドバイスや医薬品の購入ができる。
ほかにも、内蔵カメラを使った動画・静止画が記録できる「撮影」、留守中の自宅モニタリングが可能な「みまもり」、スマホ画面を表示する「画面共有」を用意。
同社クラウドによる5年間のバージョンアップサービスを約束しており、季節に合わせてコンテンツを定期的に充実させる予定。直近の新機能としては「AIメイク」「ヨガ」を追加するという。
ディスプレイ部のインターフェイスは、HDMI入力が2系統、USBが2系統、LANが1系統。付属する回転機構付き専用スタンドは、高さ調整は行なえない。
健康アイテムのイナダならではの製品。“AIミラー”で喜びと感動を追求
発表会では、ファミリーイナダの代表取締役会長兼社長を務める稲田二千武氏が登壇。
「我々は創業から58年間に渡り、家庭でいかに健康を作るか、美容を維持するかという研究を行なってきた。そこで我々が重視してきたのは、喜びと感動の追求。“病は気から”という言葉があるように、健康・美容を保つには精神面が非常に大切で、気持ちが爽やかになったり喜びがあるとα波が高まり免疫力も高まることが実証されている」と説明。
今回のAIミラーについては「長年携わってきたマッサージチェアから発展・構築した健康管理システムとAI技術を搭載した、ファミリーイナダならではのデバイス。専門家の先生に協力を頂いて実現した、様々なコンテンツを用意している。BOEとも協力し、将来的には8K解像度の製品も検討したい。コンテンツの質と量を更に高め、このミラーが家庭の中心となり、あらゆるものがこのデバイスから始まるようにしていきたい」と抱負を語った。
発表会には、経済評論家の岸博幸氏とお笑い芸人の土田晃之氏がゲスト登壇。
岸氏は「AIは第4次産業革命と呼ばれており、日々進化している。これまでAIは、インフラやビジネスといった用途での活用が主だったが、スマートスピーカー以上に発展した今回のような家庭向けAIデバイスは無かったと思う。非常にいいアプローチと感じた」とコメント。
AIミラーでフィットネスを実演した土田氏は「ファミリーイナダのマッサージチェアはリビングに有り、妻が大変愛用している。ホームフィットネスは、画面も大きく自身の動きが確認しやすい。こういう機器があれば、家族と時間共有しやすいと思う」と感想を述べた。