ニュース
マイクロソフトの“AI DJ”が、来場者の感情に合わせ「花の宴ライブ」を演出
2020年2月17日 15:30
プロジェクションマッピングやIoT技術などを組み合わせ、五感で楽しめる花の体感型アート展「FLOWERS BY NAKED 2020 −桜−」が3月1日まで東京・日本橋三井ホール COREDO 室町1 5Fにて開催中。その展示エリアの1つにおいて、マイクロソフトのAI「Cognitive Services」を使い、オーディエンスの感情などを解析し、リアルタイムでDJと映像演出を即興で創作するエイベックスのプロジェクト「Humanoid DJ」が、ライブを披露している。
イベント会場は複数のエリアで構成されており、様々な花や写真、万華鏡など、モチーフとなったテーマによって展示内容が異なる。AI DJによるライブは、「OUSAI Garden」エリアで、毎日30分毎に披露されている。
歌と舞いで花を愛でる“お花見”の原型となった宴のスタイルをコンセプトにしたライブで、AIで作られたDJ「LUCYルーシー w/」を活用したHumanoid DJを採用。ライブステージに設置したカメラで来場客を撮影し、観客の人数や年齢、感情をAI DJが解析。それに合わせた楽器の音を挿入したり、映像の演出を表示する。
さらに、ステージで踊るダンサー「春の精霊」の手に、センサーを取り付け、その動きとも連動した演出も取り入れられている。これにより、集まった観客やダンスの違いにより、一度として同じものがないライブパフォーマンスが創り上げられる。
開催期間32日の間で、約600パターン以上の楽曲構成を披露する取り組みとなっており、エイベックスの楽曲配信サービス「BIG UP!」では、この創り上げられた音楽を毎日1曲ずつ、合計32曲配信していく。これにより、会場でステージを体験するだけでなく、会場で構築された日々の楽曲の違いを聴き比べることもできる。
HUMANOID DJは、2019年9月に上海で開催されたアート展「OCEAN BY NAKED 如海・空間」でデビュー。クラブ、コンサートホールでのイベント、ホテル、レストラン、商業施設など、様々な空間演出をプロデュースするアーティストとしての活動を開始。
同年9月22日、23日には、幕張メッセで開催された音楽イベント「DIVE XR FESTIVAL」に参加。国内初となるライブパフォーマンスを披露した。
こうした経験を踏まえ、さらなる進化を遂げたHUMANOID DJが、今回の「FLOWERS BY NAKED 2020 −桜−」内でステージ演出を担当している。
FLOWERS BY NAKED 2020 −桜−
「FLOWERS BY NAKED 2020 −桜−」を手掛けているのは、村松亮太郎氏を中心に、映像ディレクター、デザイナー、CGディレクター、ライターなどが集まり設立されたクリエイティブカンパニーのNAKED。この「FLOWERS BY NAKED」が、2020年で5周年を迎える。
イベントの入場料(税込)は、当日券が大人1,800円(平日)、2,200円(土日祝)、小人1,200円(全日)。
床に飾られた花と、壁にプロジェクションマッピングで投影された花が融合した「Wildflower Garden」では、来場者が所定の位置に立つと、壁のプロジェクションマッピングを活用し、来場者の影に蝶の羽が現れ、それが妖精に変化して飛び回る様子が楽しめる。
「Dandelion Hill」ゾーンには、巨大なたんぽぽのオブジェが登場。内部には音響センサーが埋め込まれており、息を吹きかけると、プロジェクションマッピングで綿毛が飛ぶアニメーションが表示される。
鏡で構成された万華鏡のような空間は「Glowing Garden」。煌めく空間の中に、黄色の桜“御衣黄(ギョイコウ)”が吊るされている。天井からはプロジェクターで、万華鏡のようなビジュアルを当社。天井は半透明のスクリーンで構成されており、ビジュアルが天井に投写されるほか、天井を透過した光は床にも鮮やかなビジュアルを投写。天井も地面も色彩で満ちている。
「Hidden Garden」では、村松亮太郎氏と、いけばな草月流 家元 勅使河原茜氏がコラボ。“光を使い、影をいける”新たな世界が表現されている。
「OUSAI Garden - BAR -」では、満開の桜の元で、各作品をイメージしたスペシャルドリンクが楽しめ、「花咲くテーブル」ではグラスを置くと、様々な花が咲き蝶々が舞い踊るなど、各ゾーンでは、花と最新技術を融合させた、インタラクティブな展示が楽しめる。