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ソニーCSLが京都に研究拠点。「精神性のゆたかさへの貢献をめざす」

ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は、国内初の支所「京都研究室」を2020年4月1日に開設する。場所は京都府京都市下京区本燈籠町13-1。

ソニーCSL ホームページより

同社は、様々な研究を通じ新技術や新事業を創出することで、人類・社会に貢献することを目指し活動している研究所。主なプロジェクトには、小型衛星に搭載可能な形状で長距離空間大容量データ通信を可能とする光通信システムの研究開発「SOL Project」や、ソニー・ミュージックと共同研究を進めているAIアシスト楽曲制作ツール「Flow Machines」などがある。京都研究室は、東京、パリ支社に続く3拠点目。

同社は、開設背景について「テクノロジーの進化でもたらされる効率化や自動化は人々の生活に利便性や充足感を提供する一方、その未来には金銭的、物質的に満たされるものにはとどまらない「ゆたかさ」も追求できるとの認識のもと、京都研究室では“人類の精神性のゆたかさに貢献する”を価値の中心に据えて研究を進める」と説明。

京都研究室の開設により、主要研究テーマの一つである創造性を含めた人間の能力拡張を目指すヒューマン・オーグメンテーション(Human Augmentation)の研究を東京の研究所と分散、協調的に推し進めるという。京都を含めた関西圏ならではの文化的特性や有形無形資産、人材などを考慮して、また、さまざまな文化的背景を持つ産官学機関の関係者とも連携しながら普遍的なサイエンスを探求するという。

京都研究室ディレクターの暦本純一氏は「効率化や利便性が達成された先に、我々が真に希求するものは何でしょうか。日本語の『ゆたかさ』には、経済的あるいは物質的なものにはとどまらず、高い次元での充足感、精神的な余裕、自然との共生、秩序や静けさへの敬意が含まれています。情報技術の進展は、世界のどことでも接続できる便利さを作り出すと同時に、ここにしかないという価値の再認識をもたらすでしょう。そのような観点から、ソニーCSL京都では未来のゆたかさに貢献する研究を展開していきたいと考えています」とコメントしている。