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ソニー、ゲーム好調で第1四半期は純利益53%増。通期予想にコロナ影響

2020年度第1四半期の連結業績

ソニーは4日、2020年度第1四半期の連結業績を発表。売上高は前年同期比432億円プラスの1兆9,689億円、営業利益は同25億円マイナスの2,284億円、純利益は同53%増(811億円プラス)の2,333億円となった。売上高の増加には、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野、および金融分野の大幅増収が貢献。営業利益のマイナスには、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)の減益が響いた。

ソニー副社長 兼 CFOの十時裕樹氏

各分野の業績と見通し

G&NS分野では、ゲームソフトの大幅な増収、PS Plusの大幅な増収などで売上高1,486億円(前年同期比32%)の大幅増収を達成。営業利益も502億円と大幅増益となった。ソフトでは「The Last of Us Part II」、「Ghost of Tsushima」が好調。PS Plusの会員数は6月末の時点で約4,500万人に到達している。

2020年度の見通しとして、売上高については、主にゲームソフト販売の大幅な増加、PS5発売にともなうハードウェア売上の大幅な増加により、大幅な増収を見込む。営業利益については、PS5導入にかかる販売費、及び一般管理費の増加、ならびにハードウェアの売上原価率の上昇を見込むものの、前述のゲームソフトの大幅増収やPS Plusの大幅な増収により、「ほぼ2019年度並みを見込んでいる」という。

G&NS分野

音楽分野の第1四半期は、売上高が251億円(前年同期比12%)と大幅な減収。新型コロナによる音楽制作及び音楽出版における減収、パッケージメディア販売の減少、広告型ストリーミングサービスによる売上の減少、楽曲のライセンス収入の減少、日本の映像メディア・プラットフォームにおけるコロナによる減収、ライブイベントの延期・中止の影響なども響いた。一方で、有料会員制ストリーミングサービスによる売上は増加している。

2020年度の見通しとしては、コロナの影響が引き続き色濃く、売上高599億円で前年同期比7%の減少を見込んでいる。

音楽分野

映画分野の第1四半期にも、コロナの影響による映画館の閉鎖にともなう興行収入の減少、メディアネットワークにおける広告収入減少といった影響が出ており、売上高は110億円、前年同期比6%のマイナス。一方で、映画製作における広告宣伝費の減少があったため、営業利益は244億円の大幅増益となっている。

2020年度の見通しとしては、映画館の閉鎖の影響で公開作品数が減少するため、売上高は2,519億円と、前年同期比25%の大幅な減収・減益を見込む。映画作品・テレビ番組の制作に大幅な遅れが出て、劇場公開延期の業績への影響は2年から3年に及ぶという。一方で、動画配信事業者からのコンテンツへの需要は旺盛で、デジタル販売は好調とのこと。

映画分野

EP&S分野は、コロナの影響によるデジタルカメラ、テレビ、オーディオ・ビデオの販売台数の減少が響き、売上高1,521億円、前年同期比31%の大幅減収。営業利益は342億円で大幅損益悪化となった。

2020年度の見通しとして、売上高については、コロナの影響を大きく受けた第1四半期の減収、及び為替の影響により、大幅な減収を見込んでいる。営業利益は、モバイル・コミュニケーションにおいて2019年度までに実施した構造改革の効果も含むオペレーション費用の大幅改善があるものの、減収や為替の悪影響により、大幅な減益を見込んでいる。

I&SS分野の第1四半期は、売上高245億円、前年同期比11%の大幅減。コロナの影響などによるイメージセンサーの減収、デジタルカメラ向けイメージセンサーの販売数量減少、モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量減少が響いた。アナログLSIやディスプレイデバイスなども、コロナの影響を受けたという。

2020年度の見通しとして、売上高については、コロナの影響などを受けたモバイル機器向けイメージセンサーの製品ミックスの悪化、及びデジタルカメラ向けイメージセンサーの販売数量の減少による、イメージセンサーの減収により、分野全体で減収を見込む。営業利益については、主に前述の減収の影響や研究開発費、及び減価償却費の増加により、大幅な減益を見込んでいる。

なお、2020年度通期のソニー全体での連結業績見通しは、売上高が前年同期比401億円プラスの8兆3,000億円、営業利益は同2,255億円マイナスの6,200億円、純利益は同722億円マイナスの5,100億円と予想している。

2020年度通期のソニー全体での連結業績見通し