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JBL75周年モデルや再上陸のARCAM、話題のパワードAIRPULSE

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2021 東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS)」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。会期は7日までで、時間は10時から19時(最終日は17時まで)。入場無料だが、事前に予約登録が必要。本稿では、D棟にブースを構えるハーマンインターナショナル、ユキム、ヨシノトレーディング、そしてエイ・アンド・エムをレポートする。

75周年記念モデルを中心にJBLスピーカーが勢揃い。再上陸のARCAMも

ハーマンインターナショナル(ブース番号:Hall D5)では、ブランド創立75年を迎える米JBLを中心に、Mark Levinson、そして今秋に再上陸を果たした英国ARCAMの製品群が展示されている。

デモホール

JBLの注目は、75周年記念モデルをベースにした限定スピーカー「L100 Classic 75」と、75周年記念のDAC内蔵アンプ「SA750」。

L100 Classic 75は、人気のブックシェルフ「L100 Classic」のユニットやネットワークに手を加え、外観も特別仕様としたリミテッドエディション。豪華なチークのリアルウッド仕上げとマッチドペア仕様となっており、フロアスタンドも同梱されている。国内50セット限定で、価格は75万円。

国内50セット限定のスピーカー「L100 Classic 75」
JBL75周年記念アンプ「SA750」

SA750は、MM/MCフォノ入力を含む同社最新のアンプ技術に加え、MQA対応の高解像度DACやストリーミング、ワイヤレス接続機能などを装備したモデル。ツートーンのヘアライン仕上げフロントパネルや、L100 Classic 75にマッチするチーク材サイドパネルなど、銘機SA600をモチーフとしたビンテージデザインも特徴。価格は38.5万円。

ホール側面には、JBLの主要スピーカーシリーズが勢揃い。さらにホール中央では、マークレビンソンのアンプ、プレーヤーとフラッグシップスピーカー「Project EVEREST DD67000」、スタジオモニター「4367WX」などを組み合わせた試聴イベントが毎時30分に開催されている。

マークレビンソンの新モデル。デュアルモノラル・プリ「No5206」。110万円
デュアルモノラル・パワー「No5302」。110万円

会場では、英国ケンブリッジ創業のオーディオブランド「ARCAM」の最新モデルも披露。

SACD/CD再生に加え、USBメモリやネットワーク再生に対応したプレーヤー「CDS50」や、HDMI入力を備えたプリメインアンプ「SA30」、そしてB5サイズのコンパクトボディに、アンプとネットワークオーディオ受信機能を搭載したストリーミングプレーヤー「Solo Uno」が展示されていた。

SACD/CDネットワークプレーヤー「CDS50」。14.3万円
HDMI入力搭載プリメイン「SA30」。33万円
ストリーミングプレーヤー「Solo Uno」。7.7万円

話題のパワードスピーカーAIRPULSE「A300 PRO」。ELACの新フロア「FS408」も

ユキム(ブース番号:D503)では、香港のAIRPULSE、独ELAC、伊Carot Oneなどの輸入ブランドに加え、自社のYUKIMU SUPER AUDIO ACCESSORYの製品が展示されていた。

注目は、「A80」や「A100 BT5.0」など、手頃な価格と優れた音質のパワードスピーカーを輩出してきたAIRPULSEのフラッグシップモデル「A300 PRO」。

強力なネオジウム・マグネットでドライブすることでワイドレンジで高感度、優れた過渡応答と解像度を備えたホーンロード・リボンツイータを高域用に搭載。低域用には硬質アルマイト処理を施した、16.5cmのアルミニウム合金コーン振動板を採用。「プロの現場でも通用するアクティブ・スピーカー」に仕上げたとする。

AIRPULSEのパワードスピーカー「A300 PRO」

左右それぞれの筐体には、高効率低リップル電源とTexas Instrument製デジタル・パワーアンプを内蔵。デジタルインターフェースには、XMOSのXcore-200マルチコアプロセッサーとTexas Instrument製DSP「TLV320AIC3268」が使われている。

デジタル入力はUSBと、光デジタル、同軸デジタル、Bluetoothに対応。Qualcomm製チップが使われており、レシーバー機能としてaptX HDもサポートする。アナログ入力はRCAとXLR。

写真右がA300 PRO。左の小さいスピーカーが「A80」
「A100 BT5.0」も展示されている

会場には、昨年12月に発売したELAC VELA400シリーズの新しいフロア型「FS408」など、各種ELACのスピーカーも用意。デモでは、上述のA300 PROやFS408などを同社取扱いTHALES TONARMのレコードプレーヤー「TTT-Compact 2」とトーンアーム「Simplicity II」などと組み合わせた試聴が楽しめる。

ELACのスピーカーシリーズ
EARMENのDACプリアンプやCarot Oneの10周年モデル「ERNESTOLO」、ノイズアブソーバー「PNA-RCA01」などもケース展示されている

ヨシノトレーディング

ヨシノトレーディング(ブース番号:D502)では、伊Diapasonや英EAR、Falcon Acousticsなどの製品を展示している。

EARの管球式プリアンプ「EAR912」

注目モデルは、EARのフラッグシップ管球式プリアンプ「EAR912」。創業者であるティム・デ・パラヴィチーニ氏の集大成と謳うモデルとなっており、これまで培った“真空管-トランスカップリング”の技巧を注入。トランスフォーマーのドライブ側とフィードバック側にそれぞれ独立したワインディングを施すことにより、ハイクオリティ、ハイパフォーマンスなサーキットを実現。最高級管球式プリアンプとしてデザインされているという。

会場では、パラヴィチーニ氏がチューニングしたEAR912のデモ機を展示。ディアパソンのブックシェルフ型スピーカー「Astera」などと組み合わせた試聴が楽しめる。

エイ・アンド・エム

エイ・アンド・エム(ブース番号:D401)では、自社ブランド・AIRTIGHTほか、独TRANSROTOR、デンマークMoerchなどの輸入製品を展示する。

注目モデルは、AIRTIGHTのモノラル・パワー「ATM-2211J」、フォノイコ「ATE-3011」、シングル・パワー「ATM-300R」など。

今秋発売したATM-2211Jは、1本の出力管仕様ながら32Wの大出力を実現しているのが特徴。直熱三極送信管「UV-211」の美点とされる、プレート特性の素直さから出るクリアな音質を最大限に活かすことを追求。力強さと生々しさを持ちながら、繊細かつ透明感のあるサウンドを緻密に描写し、プッシュプルでは生み出せない瑞々しさが持ち味と謳う。現在は、納期まで5~6カ月待ちとのこと。

AIRTIGHTのモノラル・パワー「ATM-2211J」
シングル・パワー「ATM-300R」

会場では、AIRTIGHTのアンプ群に加え、トランスローターのレコードプレーヤー「RONDINO」やアヴァンギャルドのスピーカー「UNO XD -FINO EDITION-」などを組み合わせた試聴が楽しめる。

なお会場後方では、スピーカー出力をヘッドフォン出力に変換するジャンクションボックス「HJB-1」が参考出品されている。「ATM-300Rなどのユーザーから、『好みのパワーアンプを組み合わせて、自身のヘッドフォンを鳴らしたい』という要望を受けて開発したもの」とのこと。価格は未定。今年後半から来年を目処に発売する予定という。

手前にあるのが、ヘッドフォンジャンクションボックス「HJB-1」
背面部。インピーダンスに応じた入力(4Ω/8Ω)ほか、SPスルーアウトも備える