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ゴジラの各部位が海底に。「ゴジラメガムリオン」内の14名称が国際承認
2023年2月14日 15:00
世界の海底地形名を標準化する「海底地形名小委員会(SCUFN)」は、沖ノ鳥島南東約600kmの海底に存在する史上最大級の岩塊“ゴジラメガムリオン”に関し、日本が提案していた海底地形名14件を新たに承認したことを明らかにした。追加承認された14件の名称には、「ヘッド峰」「西ショルダー海嶺」など、ゴジラの各部位を表す名前が付けられる。
【承認された名称】
1.ハット海嶺(Hat Ridge)
2.ヘッド峰(Head Peak)
3.西ショルダー海嶺(West Shoulder Ridge)
4.ネック峰(Neck Peak)
5.東ショルダー海嶺(East Shoulder Ridge)
6.西アーム海膨(West Arm Rise)
7.バックボーン海膨(Backbone Rise)
8.東アーム海膨(East Arm Rise)
9.西ヒップボーン海膨(West Hipbone Rise)
10.北テール海膨(North Tail Rise)
11.東ヒップボーン海膨(East Hipbone Rise)
12.西レグ海嶺(West Leg Ridge)
13.南テール海膨(South Tail Rise)
14.東レグ海嶺(East Leg Ridge)
メガムリオンとは、海底拡大に伴う大規模な正断層に伴い、海底面に地球内部のマントル物質などが露出したドーム状の高まりのこと。表面に見られる畝状(うねじょう)の構造が特徴。
ゴジラメガムリオン地形区は、2001年に政府による大陸棚画定調査の際、沖ノ鳥島南東約600kmの公海で発見された岩塊。その大きさは、東京都の面積の約3倍、世界中にある他のメガムリオンの約10倍あり、現在見つかっているメガムリオンの中では地球上最大とされる。そのため、その巨大さから、東宝の怪獣“ゴジラ”の名を引用し命名。その後、ゴジラメガムリオン地形区は、2021年のSCUFNにおいて日本が提案し国際承認。世界に分布するメガムリオンの中で、名称が国際的に登録されたのは、この「ゴジラメガムリオン地形区」が初めて。
今回承認された海底地形名は、ゴジラメガムリオン地形区(Godzilla Megamullion Province)内の特徴的な海底地形が対象。同地形区をゴジラの身体に見立て、各海底地形にはゴジラの身体の部位の名称が付与されている。
これらの海底地形名は、IHO(国際水路機関)/IOC(ユネスコ政府間海洋学委員会)海底地形名集に掲載されることで世界中に周知され、今後地図・海図や論文などに使われる。また、海上保安庁が運用している海洋状況表示システム(海しる)でも確認できる。
ゴジラメガムリオン地形区は、海洋科学において重要な研究対象であり、日本を中心とする国際的研究グループによる調査の結果、フィリピン海プレートの組成・構造に関する重要な研究成果が得られているという。