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「THE FIRST SLAM DUNK」湘北キャスト集結。「『返せ』のセリフだけで3時間」
2023年5月9日 12:32
映画「THE FIRST SLAM DUNK」のロングラン上映を記念し、声優トークイベント付き上映会「COURT SIDE in THEATER」が5月7日に行なわれ、宮城リョータ役の仲村宗悟、三井寿役の笠間淳、流川楓役の神尾晋一郎、桜木花道役の木村昴、赤木剛憲役の三宅健太の湘北メンバーを演じたキャスト5名が登壇し、アフレコ時のエピソードなどを語った。
2022年12月3日に公開された本作は、5月6日時点で国内観客動員数が966万人、興行収入が138億8,800万円を突破。さらに中国では観客動員数が1,700万人、興収が6億2,000万元(約120億円)を超えるなど、世界的に大きな盛り上がりをみせている。
公開から156日を迎え、ファンの前に湘北キャストが集結したのは今回が初めてで、イベントの模様は全国334スクリーンに生中継された。イベントの司会はお笑いコンビ・麒麟の田村裕が務めた。
イベント冒頭では、制作の過程や、全世界で本作が楽しまれている様子を収めた、このイベントのために作られたオープニング映像が上映された。井上雄彦監督をはじめとするスタッフの制作風景や、国内・海外のファンが映画に熱狂する様子が収められた映像の幕開けに、会場が興奮の渦に包まれる中、キャストが姿を見せた。
司会の田村から「本日で公開156日目となる大ヒットロングランです! あらためて周りからの反響はいかがですか?」と問われると、仲村は「本当にすごい作品に関わることができたと日々実感しています。年末年始に地元の沖縄に帰省したのですが、親戚・知り合いから山積みのサインを頼まれました(笑)。改めて作品の反響・すごさを感じました」と回答。
さらに木村は「ありがたいことに子供達から見たよという声が届いていまして、小さい子に『写真撮って~』と言われて、肩組んで写真を撮っていたら、その子のお母さんが『左手……添えてますね!』と言われて(笑)」と、SLAM DUNKの名シーンで答えられたというエピソードを明かすと、会場は大きな笑いに包まれた。
イベントでは会場のファン、そしてSNSで募集した質問に答えるコーナーも展開。会場の男性から「一番印象的なシーン」を聞かれると、仲村は「リョータって、『キツくても、心臓バクバクでも、めいっぱい平気なふりをする』って言葉にもあるように、強がるシーンが多々ある。ミッチーとケンカする時に、震える手をポケットに隠す。映画の最後のシーンでお母さんと対面する時もポケットに手を一回入れるんです。けどそのあとお母さんの近くに座るときには、ポケットから手を外して座るんですよね。その時に、やっとリョータが家族に向き合えたと思うんです。湘北メンバーだけじゃなく、宮城家の成長も感じて、何度見てもグッときます」と自らが演じたキャラクターにまつわるシーンを語った。
またSNSで届いた質問で「アフレコで難しかったこと」を聞かれると、木村は「多くのアニメ作品では、“わかりやすさ”や“迫力”を求められるのに対して、この作品では常に“リアリティ”を求められるんです。花道の『返せ』というセリフだけで3時間収録したんですが、大袈裟にやってしまいそうになるセリフを、いかにリアルな高校生の息遣いで、試合の流れの中から自然と出てくるような表現になるまで何度もチャレンジしました」とコメント。
また神尾も「僕はバスケ経験がないですし、ダンクも決めたことがないので流川のダンクの時の『ふっ』って声にはすごく苦労しました。普通ダンクだったらものすごく力んだ声を出すと思うんですが、そこは流川のキャラクターもあるのでそのバランスが難しかったです」と、井上監督が求めた“リアル”という要求への苦悩を明かした。
イベントでは、さらなるスペシャル映像として、エンディング主題歌を歌う10-FEETからのお祝いコメントと、「第ゼロ感」のスペシャルパフォーマンス映像も上映。Vo./Gt.のTAKUMAからは、「150日と言わずに、四年間くらい上映してほしい」という言葉が出ると、会場からは拍手が起きた。
最後のメッセージとして、三宅は「本当に今日という日を迎えられたことが嬉しいです。今日は湘北の靴を履いてきました。赤木の言葉を借りるなら、『ありがとよ』」と自分の演じたキャラクターのセリフで感謝の気持ちを伝える。
続く木村も「こうやってみなさんとお話しして、スペシャル映像もみて、僕ももう一度この映画に触れたくなりました。皆さんも何度でも触れてください」と思いを噛み締めた。
神尾は「僕の役者人生の中で貴重で大切な役になりました。公開前に皆さんにどうやって受け止めていただけるか緊張してきた状態から、156日が経ち、応援上映や親子上映会などいろいろな形で皆さんの元に届いていてとても嬉しいです。156日はまだまだ途中。これからもよろしくお願いします」とコメント。
そして笠間は「僕らもこの作品の1つのピースでしかなくて、監督、たくさんのスタッフさんのピースが嚙み合って生まれた作品。皆さんにこれほど受け入れてもらえているのは1つ1つのピースがすごい熱量で取り組んできたからです。魂で作られた、たくさんの人で彩った作品を何度でも楽しんでいただきたいです」と熱い思いを伝えた。
最後に仲村は「こんなにたくさんの人と熱い思いを共有したり、楽しめたりすることってなかなかないです。こうやってみなさんとこの時間を共有でできて本当に嬉しいです。まだまだ長く愛されていって欲しいです」と、さらなるロングランへの願いを語った。
イベントは、仲村の「1、2、3」の掛け声に合わせ、会場、そしてライブビューイングで参加したファン全員で「勝ーつ!」と叫び、会場が一体となって最高の盛り上がりを迎えたところで幕を下ろした。