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PFU、15.6型で有機ELタッチパネルの最軽量ポータブルモニタ

RICOH Light Monitor 150BW

リコーグループのPFUは、15.6型のタッチパネル付きポータブルディスプレイにおいて世界最軽量という、有機ELの「RICOH Light Monitor」を5月25日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格はUSB接続の「RICOH Light Monitor 150」が63,600円、バッテリー搭載でワイヤレス接続も可能な「RICOH Light Monitor 150BW」が79,200円、スタイラスペンの「RICOH Monitor Stylus Pen Type1」が9,570円。

これまで15.6型ポータブルディスプレイは約1kgの重さの製品が多かったが、「150」は560gという軽さを実現。バッテリー搭載のワイヤレスモデル「150BW」でも715gという軽さを実現した。外形寸法は356×10.8(最薄部4.8)×221.7mm(幅×奥行き×高さ)で共通。バックライトが存在しない有機ELパネルを採用した事や、内部パーツのレイアウトの工夫などにより、デザイン性の高い薄型筐体と軽量さを実現したという。

軽量さを活かし、寝転がって映画を楽しむといった使い方も可能

背面に一体型のスタンドを搭載し、16~75度まで無段階での角度調整が可能。薄型であるため、フリーアドレスのオフィスやコワーキング・スペース、出張先のホテルなどスペースが限られた場所でも邪魔にならないという。また、縦置きにも対応する。

縦置きも可能

なお、ビジネス向けに「RICOH Portable Monitor 150BW/150」という製品が既に発売しているが、スタンド部分がシルバーなのに対し、RICOH Light Monitorはスタンドも含めたオールブラックになっているほか、Portable Monitorに搭載されている5台まで同時接続機能が、Light Monitorでは省かれている。

ワイヤレス接続も可能な150BWは、スペースの限られた場所や自宅のデスクでも、ケーブルの無いすっきりとした環境で使用可能。ワイヤレス接続(Miracast)には、SSE(Smart Streaming Engine)テクノロジーを採用し、映像遅延の少ない軽快なタッチ操作も実現した。

表示のクオリティにもこだわり、デジタルシネマ規格のDCI-P3を100%カバーしたフルHD(1,920×1,080ドット)の有機ELパネルを採用。最大輝度は300nit、コントラスト比は100,000。色深度は8bit+2bit FRC(最大発色数約10.7億色)。リフレッシュレートは60Hz、視野角は上下左右170度。応答速度は1ms。

視野角が広いため、「友人が集まったゲームプレイの際も、快適に楽しめる」とのこと。応答速度も1msまで縮小しているため、小型ゲーム機の外部モニターとしての使用も訴求している。

「クリエイティブ表現も、作品に忠実な色彩で再現する」としており、写真や動画の編集用途も想定。最大4,096段階の筆圧検知が可能な高性能タッチセンサーを備え、Wacom AES2.0センサー(アクティブ静電結合方式)に対応した専用スタイラスペンも別売で用意する。マルチタッチは10点まで対応な高性能タッチセンサーを搭載する。

専用スタイラスペン

Eye Care認証取得済のパネルを使い、眼に悪影響があるというブルーライトの割合を従来型ディスプレイより約62%低減。長時間に及ぶクリエイティブワークにも適しているという。どちらのモデルも、1.5W×2のスピーカーも内蔵する。

1.5W×2のスピーカーも内蔵
背面

ワイヤレス接続可能な150BWは、無線LANの環境がない場所でも、PCとスマートフォンやPC×2台などをワイヤレスで同時接続し、同時に画面表示が可能。プレゼンテーションの幅が広がるほか、PC環境下とスマホ環境下で見比べてクリエイティブ制作をする場合にも便利だという。

150BWは3,740mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、約3時間の連続使用が可能。

USB-C端子は、どちらのモデルも2系統搭載し、DisplayPort信号入力と外部電源供給に使用可能。150BWの無線通信・暗号化方式はMiracast、WPA2-PSKに対応。無線LANはIEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz)、IEEE 802.11 a/n/ac(5GHz)に対応する。

USB-C端子は、どちらのモデルも2系統搭載

実際に使ってみた

短時間ではあるが、実機を体験したのでファーストインプレッションをお届けする。

最薄部4.8mm

実機に触れて最初に感じるのは「薄っす!! かっる!!」という驚きだ。最薄部4.8mmという数値で予想はしていたが、実機を見るとそれを超える驚きがある。片手で軽々と持ち上げられる軽量さも組み合わさり、「本当に部品が入っているのか? モックアップなのでは」と心配になるほど。

ただ、薄くても筐体には剛性があるため、高級感が漂い、安っぽい印象は受けない。16~75度まで無段階のスタンドも狙った角度でビシッと止まり、デスクに設置した際も安定感がある。同じスタンドで縦置きも可能なのは便利だ。片手で軽々と持ち上げられるので、横置きと縦置きを頻繁に切り替えたい時にこの軽さと薄さは魅力だ。

また、これだけ薄くて軽量だと、ノートPCと一緒にカバンに入れる際も場所をとらず、重量増もあまり気にならない。1kg、2kgと、重量のあるポータブルディスプレイを購入した事があり、その重さで持ち運びを断念した事がある人に、RICOH Light Monitorは魅力的だろう。

DCI-P3を100%カバーしたフルHDの有機ELパネルを採用

DCI-P3を100%カバーしたフルHDの有機ELパネルの画質も良好で、ブラウザやテキストをクリアに表示するだけでなく、例えばYouTubeで動画を鑑賞したり、Netflixなどで映画を鑑賞する時も、暗部の締まりの良さや、階調の豊かさを実感できる。仕事で活用しつつ、それが終わったら自分の近くに引き寄せて、高画質で映画を鑑賞してリラックスする……ONとOFFの両方で活用できるポータブルディスプレイと言えそうだ。