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シーラス、プロ機器向けコンバータ。‟楽器本来の音を忠実に再現”

シーラス・ロジック(Cirrus Logic)は、‟真に透明感あるオーディオ体験を実現する”と謳う、新しいプロオーディオ用コンバータ製品を発表。高い性能と低消費電力を備えたADコンバータ3製品のサンプル出荷を開始した。今年12月には、DAコンバータおよびコーデックのサンプル出荷も行なう予定。

新しいコンバータ群は、アナログ性能とデジタル密度の向上に最適化されたプロセスを取り入れ、高性能と業界最高レベルとする低消費電力性能、ハイブリッド・ゲイン制御などを備えているのが特徴。なお、‟真の透明感”とは、楽器本来の音を最も忠実に再現し、リスナーの耳に届けること、を意味しているという。

サンプル出荷を開始した新しいADコンバータは、2ch「CS5302P」、4ch「CS5304P」、8ch「CS5308P」の3モデル。

デジタルミキサーやUSBオーディオインターフェース、ホームオーディオ、AVアンプ、シンセサイザーなどの楽器、DJミキサー/アンプ、ビデオレコーダー、車載用途などへの搭載を想定。「シンプルな制御方式と単一の電源レール、柔軟なクロック構成によって、あらゆる用途の製品設計に容易に組み入れることができる」としている。

ハイブリッド・ゲイン制御を搭載。マイクロフォンのフロントエンド・ゲイン設計を再定義することで、既存のソリューションに比べ、ポップ・ノイズを低減すると共に、システム設計を簡素化した。

また、アナログ・ゲイン段とデジタル・ゲイン段を1つのデバイスに搭載。2つの段間のゲイン処理を整合させることができ、これにより既存のマイク・プリアンプ設計を製品の差別化要因として維持しながら、システム全体の複雑さを低減することができるという。

低消費電力性能も特徴。アーキテクチャを一新することで、スタジオでも自宅でも25mW/chの消費電力内で優れた性能を提供。上述のADコンバータは、分解能32bitで、差動アナログ入力と最大768kHzまでのサンプルレートに対応。

5次マルチビット・シグマデルタ変調器を使用し、その後段にデジタルフィルタとデシメーション回路を搭載することで、126dB(CS5302P)と123dB(CS5304P/CS5308P)のダイナミック・レンジを実現。すべての製品のTHD+N特性は、-110dB以下になっているという。