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パーソナリティと街歩き気分。TBSラジオが音声ARプロジェクト

TBSラジオとバスキュールは、最新の音声AR技術を活用し、まるでラジオパーソナリティと一緒に街歩きをしているような体験ができるという体験型音声サービス「Radiho(ラジホ)」の共同開発プロジェクトをスタートした。2024年中の一般公開を目指し、まずはTBSラジオ本社がある東京・赤坂から実証実験を行なう。

TBSラジオの人気番組との連携をはじめ、将来的には、日本全国の地域の魅力を発信するサービスとなることを目指すとのこと。

完全ワイヤレスイヤフォンの普及により、なにかの行為を行ないながら音声コンテンツを同時に楽しむ“ながら聴き”が一般化。この新しい聴取スタイルに着目し、「人々の日常の行為に寄り添った、新たなラジオ体験を開発できないだろうか?」という発想からスタートしたプロジェクト。「特に日常生活で欠かせない『歩く』という行為に焦点を当て、街歩きがより楽しく、豊かになるような体験づくりに取り組んでいく」という。

音声ARは、スマートフォンで動作する専用アプリとバックエンドシステムを通じて、ユーザーの位置情報や状況に応じて音声コンテンツを提供するシステム。タッグを組むバスキュールは、ドバイ国際万博の日本館での展開をはじめ、音声AR技術を用いたさまざまな体験開発に取り組んできており、Radihoでは、GPSの位置測位の精度を補完する独自のプログラムを開発することで、より高精度な音声AR体験を実現する。

これまで美術館や観光地などで提供されていた音声ガイドアプリでは、特定のスポットの前で立ち止まって音声を聴くという形が一般的だったが、Radihoでは音声AR技術を使うことで、特定の場所だけでなく、歩いている間も周囲の景色に合わせたトークが自動的に再生されることが特徴。

これによりまるでパーソナリティと一緒に街を歩いているような、シームレスかつ臨場感のある体験ができるとのこと。

また一般的な街の音声ガイドとは違い、Radihoではパーソナリティの主観的な視点に基づく知識や体験が、会話形式で紹介される。パーソナリティとの距離の近さが感じられるラジオらしい音声コンテンツのため、ユーザーは友達からその街を紹介されているような感覚を味わえる。

今後は、音声ARをベースとして、さまざまデータやAIとの連携に取り組むことでRadihoの体験をアップデートしていく予定。今後実装を検討している機能としては、曜日や時間帯、天候などの体験時の状況に応じてトークの内容を出し分けることで、より現実世界との連動性を感じさせる機能や、道路の混雑状況を踏まえたルートを提供することで、人流の分散や地域の回遊性を向上させる機能、自動翻訳AI、対話型AIを用いた機能などが挙げられている。

プロジェクトメンバーコメント

TBSラジオ 代表取締役社長 林慎太郎

Radihoプロジェクトは、日本各地の街の魅力を伝えることで観光や地域経済に活気をもたらすだけでなく、人々の生活に寄り添い新たな気づきを提供するサービスです。従来のラジオの枠を超え、新たなユーザー体験を提供できることに大きな可能性を感じています。この音声コンテンツの可能性を広げるプロジェクトに、広範な企業の方々と共に取り組むことができれば幸いです。

バスキュール 代表取締役 朴正義

バスキュールのXR技術へのアプローチは、人の目では見えなかったもの、聞こえなかったことを可視化&可聴化することで、新たな気づきを促し、現実世界を豊かに満喫してもらうことを目標にしています。

Radihoは、そのど真ん中にある企画です。TBSラジオさんの強力なコンテンツと掛け合わさることで、体験いただいたみなさんに「世の中は素晴らしい!生まれてよかった!」と、感度最高なチューナーを手に入れてもらえたら幸せです。

TBSラジオ コンテンツ制作部 担当部長 橋本吉史

ラジオは「時」を共有するメディアと言われることがあります。
生放送を通じて、みんなが同じ瞬間を生きている喜びを感じられます。
Radihoは、「場所」を共有する新しい音声メディア。
喋り手と同じ「場所」で、みんなが同じ街を歩き、生きている喜びを感じることができたらいいなと思います。
スタジオで喋って、街で聞くラジオが、「街で喋って、街で聞く」という新たなフェーズへ。音声コンテンツ新時代の到来です。

バスキュール プロジェクトデザイナー/コミュニケーションプランナー 佐々木大輔

現代の「ながら聞き」という聴取スタイルに注目し、「歩きながら聞くことを前提にした、ラジオ体験を開発できないだろうか?」という発想から、このプロジェクトはスタートしました。これまでも、街を歩きながら音声を楽しむという習慣はありましたが、Radihoでは、街歩きそのものが楽しくなったり、街の見え方が変わり、新たな気づきを得られるような音声コンテンツのあり方を探求していきます。この現実世界がもっと面白く、もっと愛おしく感じられるような体験を日本中に広げていけたら最高です。