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部屋の音響を改善せよ! 会議室の音も激変。JASジャーナル最新号

「JASジャーナル2024年冬号」(Vol.64 No.1)より

日本オーディオ協会は、オーディオ・ビジュアル関連のニュースや新技術、協会会員による投稿などを掲載した「JASジャーナル2024年冬号」(Vol.64 No.1)を公開。今号では、部屋の音響を改善する製品が多数登場している。

日本音響エンジニアリングの音空間事業本部 根木健太課長が紹介しているのは、オーディオリスニングなどのあらゆる空間をナチュラルで心地よい音環境にすることを目指した「Acoustic Grove System(AGS)」。

森林の音環境をヒントに、“滑らかでランダムな音響抵抗”をもつ壁面を目指して開発。多くの円柱を表面から奥にいくに従って徐々に径を太くしながら配置することで、低音の抜けの良さと、癖のないナチュラルな響きをもたらすことのできる音響機構になっており、その効果が、動画も交えて説明されている。

スタジオへの採用例や、そのカットモデルが後の「SYLVAN」になった事、著名なミュージシャンがその効果を語るコンテンツも見ることができる。

日本環境アメニティ 開発技術部 八並心平氏が紹介しているのは、植物の成長と多様性、音楽の作曲技法をヒントに生まれたという音響拡散体「オトノハ」。そのユニークな開発動機や、音の反射シミュレーションの動画も見られる。

エミライのホームオーディオ統括 村上遼氏は、同社が昨年から取り扱っているポルトガル・Artnovionの音響パネルを解説。さらに、日本オーディオ協会の大会議室に、実際にパネルを導入。

音響コンサルタントの田中渚氏が測定やセッティングを追い込み、実際に大会議室の音響がどう改善するかというレポートも掲載されている。

Artnovionの音響パネル設置イメージ。Siena W Bass Trapスタンドセット2セットの設置例

「個人会員に聞く!」では、ソニーでCTO(Chief Technical Officer)まで務めた鶴島克明氏が登場。Philipsと共にCDプレーヤーを開発した当時のエピソードも披露。

さらに、オーディオ協会2代目会長・井深大氏が、1952年に渡米し、シカゴのオーディオフェアで初めてステレオ再生を体験。その立体感に感動し、ソニーで実験を開始すると共に、日本のオーディオ業界にも披露。日本でも海外のAESのように、オーディオについて学ぶ団体を作ろうと考え、それが現在のオーディオ協会に繋がっている事なども記載されている。