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ユニバーサルミュージック、TikTokと契約交渉決裂。楽曲使用不可に

ユニバーサルミュージックグループ(UMG)は2月2日、TikTokとの契約更新について、期限としていた1月31日までに合意に至らず、契約が終了したと発表した。今回の判断について、UMGは「アーティストの権利・創造性・価値を守るために不可欠なものと認識している」と説明している。

UMGには、SEKAI NO OWARIや藤井風、Ado、宇多田ヒカル、Mrs. GREEN APPLEのほか、テイラー・スウィフト、BTS、アリアナ・グランデなど、国内外の人気アーティストが多数在籍しているが、TikTokとの契約終了に伴い、TikTok上で同グループ所属アーティストの楽曲は使用できなくなったり、これまでに投稿された動画も無音になるなど影響が出ている。

契約更新の交渉過程において、UMG側は「アーティストとソングライターへの適切な報酬」「AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること」「TikTokユーザーのオンライン上の安全性」という3つの課題に対処するよう提案したものの、TikTok側は「これに無関心、或いは威圧的な態度で応じた」とのこと。そして、「UMGはこうしたTikTokの姿勢が引き起こす問題を、これ以上看過するわけにはいかないと考えている」としている。

UMGは契約合意に至らなかったことで、同グループ管理楽曲を使った動画の作成・視聴に影響が出ていることを謝罪しつつ、「UMGとして、このたびの判断はアーティストの権利・創造性・価値を守るために不可欠なものと認識している」とコメント。また、今後状況が変化した場合には、随時ホームページなどで案内していくとのこと。

ユニバーサルミュージックジャパンの公式サイトでは、UMGによるアーティストとソングライターのコミュニティへの公開書簡「なぜ私たちはTikTokに終止符を打たなければならないのか」の日本語訳文も掲載されており、このなかでは、TikTok側から支払われる報酬が極端に少ないことや、権利侵害や問題のあるコンテンツに対して対処するよう提案したところ「まず無関心でそして次に威圧的な態度で」応じてきたことなどが記されている。