スカパー、2009年度は上期「e2」、下期に「HD」を拡販

-HDチャンネル増にあわせ「スカパー! HD」を拡大


5月14日発表


 株式会社スカパーJSATホールディングスは14日、2009年度の事業展開や重要施策を発表した。

2008年度連結決算概要

 13日に発表した2008年度のグループ連結損益は、営業収益が1,454億1,200万円で前年同期比119.8%。営業利益は168億8,800万円(同150.1%)。純利益は40億4,70万円(同44.4%)。そのうち、有料多チャンネル事業の営業収益は1,082億7,100万円、営業利益102億2,500万円。衛星事業は売上高387億9,600万円、営業利益72億2,300万円。

 2009年度は、個人消費の減速により「ストック型ビジネスにおいても一定の影響がある」としながらも、「安・近・短」、「巣ごもり」、「多様化」などの消費者マインドを追い風とする。2009年4月の契約数はWBC効果などもあり新規が65,603件とサッカーワールドカップ日韓大会以来の増加に、純増数23,073件もワールドカップドイツ大会以来の記録となったという。

 2008年度末時点での累計契約数は370万8,000件で、同年度の新規契約数は54万3,000件、年次解約率は14.9%、純増数は2万5,000件。2009年度は新規契約数51万件、年次解約率14.2%、純増数1万4,000件、累計契約数372万2,000件を見込む。

 新規契約見通しの51万件の内訳は、「スカパー」(124/128度)が15万件、110度CSデジタルの「e2」が33万件(光ファイバによる再送信含む)、「スカパー!光」など有線系全体が3万件としている。

2009年度の重点経営計画4月はWBC効果もあり、大幅な加入増に2009年度連結業績見通しと加入予測
e2とHDの2つの中心に拡販する

 具体的な施策は、スカパー! e2とスカパー! HDの2つを中心に積極的に拡販。上期はデジタルテレビ普及を追い風にe2を訴求、下期は年度内に70chまでHDチャンネルを拡張するスカパー! HDの拡大に注力する。

 e2については、直販の強化や無料放送Day、アンテナサポートなどの強化により加入促進を図る。また、4月よりスタートした光伝送路を用いたe2再送信も活かして、フレッツ・テレビと組み合わせた加入促進を展開。新規加入目標の33万件のうち、4万件を光回線経由のものと見込んでいる。

 下期に注力する「スカパー! HD」は、広告宣伝によるHDの認知強化や、アンテナ無料キャンペーン、既存スカパー!ユーザーの移行促進などに取り組む。さらに、メーカーと協力してハイビジョン録画を強化することを計画している。また、録画やHTMLブラウザなどの機能を搭載する受信機の技術開発も進めているという。

 スカパー!(124/128)の新規加入目標15万件のうち、13万件をスカパー! HDと想定。さらに既存スカパー!ユーザーの移行も13万件を見込んでおり、合計26万件の加入増を予想している。なお、2008年度のスカパー! HD加入実績は、新規が7,500件、買い替えが13,000件の合計20,500件。

スカパー! e2の施策スカパー! HDの施策

 また、従来の多チャンネル事業の営業体制は、衛星による配信がスカパーJSATが、光ファイバ系はオプティキャストマーケティングと別れていたが、4月より営業体制をスカパーJSATに一元化して効率化を図っている。

 2009年度の連結業績見通しは、売上高が約54億円減の1,400億円、営業利益が100億円、純利益が42億円。


(2009年 5月 14日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]