QDレーザ、小型プロジェクタ用の量子ドット緑レーザ

-光源モジュールを2010年に量産開始。低消費電力を実現


量子ドット緑レーザ

9月28日発表


 株式会社QDレーザは28日、モバイルプロジェクタの光源モジュール向け技術として、量子ドットと呼ばれる半導体微結晶を用いた緑レーザ(以下、量子ドット緑レーザ)を開発したと発表した。12月より同レーザを使用した光源モジュールのサンプル出荷を開始し、2010年中には量産化を行なうとしている。

 量子ドットレーザは、1,064nmの波長を発生させるもので、電気から光へのエネルギー変換効率が高く、低消費電力化を図れることが特徴。今回、国立大学法人東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦教授らとともに、SHG(Second Harmonic Generator)という非線形結晶を用いて、量子ドットレーザの半分の波長である532nm波長に変換することで、世界で初めて緑レーザを開発した。

 量子ドット緑レーザは、既存の赤レーザ、青レーザを搭載したRGBレーザ光源と、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナを組み合わせることで、携帯電話やノートパソコンに搭載されるモバイルプロジェクタ向けの光源モジュールとしての使用を想定。

 TO-56という5.6mm径の汎用パッケージサイズを採用し、小型化を実現。また、60度まで冷却が不要なため、モバイルプロジェクタに最適としている。さらに、500MHz以上の高速ビデオ変調が可能。ハイビジョンクラスの画総数の表示も行なえるという。DVD用レーザなどで使われている安価なガリウム砒素(GaAs)基板上で大量生産が可能なことから、コストの抑制も図れるとしている。


(2009年 9月 28日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]