3Dテレビの販売台数構成比は1.3%、レコーダ2.9%。BCN発表

-テレビはオプション対応で「様子見」の層にも動き


3D対応製品の販売構成比(台数/金額)と3D/2Dの「価格プレミアム(価格比)」

8月5日発表


 BCNは5日、家電量販店などの実売データを集計した「BCNランキング」において、7月のPC/デジタル家電の販売実績から、3D対応テレビ/レコーダなどの構成比を明らかにした。

 3D対応製品の台数構成比はレコーダが2.9%。デジタルカメラが2.0%、薄型テレビが1.3%と、複数のジャンルで3D対応モデルが増加したという。その中でもテレビは、メガネなどのオプション品を後から購入することで3D対応となる製品が58.5%を占めている。



■ BDレコーダは価格差の縮小で3Dの構成比が拡大

 3D対応製品の7月の販売台数構成比が最も高かったレコーダは、台数が2.9%、金額が4.7%だった。3D比率が高い要因についてBCNは「価格差の小ささ」を挙げており、3D対応製品の平均単価(税抜き)が9万4,500円であるのに対し、非対応モデル(2Dモデル)は5万8,200円。3D対応製品の価格は1.6倍と、主要製品中最も小さかった。1TBのBDレコーダに限って比較すると、3Dモデルは1.4倍とさらに差が縮まっており、3D対応モデルの購買に結びついていると見ている。

 デジタルカメラの3D比率は、台数が2.0%、金額が5.1%と、台数比率ではレコーダに次ぐ2番目で、金額比率では最高。先行した富士フイルムの「W1」に加え、ソニーの「NEX」シリーズが1つのレンズで3D写真を撮影できる方式で参入し、構成比が拡大。2Dモデルに対する3Dモデルの価格は2.6倍と大きな開きがあるものの、近くコンパクトデジカメでも安価な対応製品が発売されることから、価格差は今後小さくなっていくとみている。



■ テレビはメガネ別売など「オプション対応」が58.5%

 

3D対応テレビのインチサイズ別販売台数構成比
 薄型テレビは、7月末にシャープが対応モデルを発売したこともあり、7月時点での3Dモデルの台数構成比は1.3%、金額構成比は3.8%となった。3Dモデルの売れ筋サイズは43.5%を占める40型、次が33.8%の46型。この2サイズで8割弱の構成比を占めている。

 

 全インチサイズで価格を比較すると、3Dモデルが23万7,100円、2Dモデルは7万6,800円で、3Dモデルは2Dモデルに対して3.1倍の開きがある。しかし、これは3Dモデルが40型以上にしか存在しないためで、40型以上で比較すると2Dモデルの価格は12万6,800円で、1.9倍。さらに売れ筋の40型に絞ると、1.7倍まで小さくなる。

 また、3Dメガネやトランスミッタなどが別売になっている製品が、3Dモデルの58.5%と主流になっている。例えば、40型で3Dにオプション対応する製品の価格は2Dの1.6倍と安い。このことから、「買い替えスパンが長い製品だけに、3Dの普及を『様子見』しようと考えている層にもこうした製品は受け入れられ始めている」と分析している。

 パソコンの3D対応モデルは台数で0.7%、金額で1.3%。液晶ディスプレイは台数で1.1%、金額で1.8%。構成比はまだ小さいが、秋冬モデルで各社が3Dモデルのラインナップを強化すると見られることから、「年末商戦には一定の存在感を示すまでになるだろう」としている。

 そのほか、デジタルビデオカメラやゲーム機はこれから製品が登場するのに加え、テレビでも参入企業が出揃うのは秋以降となるため、「本格的な3D市場の立ち上がりは年末商戦からになる。特にエコポイント終了に伴う駆け込み需要も期待される中、薄型テレビでは3D化をどこまで進められるかがポイントになりそうだ」としている。



(2010年 8月 5日)

[AV Watch編集部 中林暁]