ジャングル、高画質アプコン対応の動画変換ソフト

ArcSoftのマイケル・デンCEO(右)と、新製品のプロモーションに協力するプロレスラーのCIMA選手(左)

　ジャングルは、ArcSoft製の動画変換ソフトの最新版「MovieGate 4」を発表。ダウンロード版を10月14日に、パッケージ版を10月21日に発売する。合わせて、SD解像度の映像出力がメインの「MovieGate 4 Mobile」や、BD/DVDオーサリングソフト「ArcSoft BD Authoring」も発売し、価格は下表の通り。いずれも対応OSはWindows XP/Vista/7。

■ ビデオ変換ソフト「MovieGate」シリーズ

MovieGateシリーズ

　iPhone/iPodやPSP、PS3といった転送先のデバイス向けに最適な解像度変換が行なえるという動画変換ソフト。新機能としてQVGA→SD画質や、SD→HD画質といったアップコンバート機能を搭載。なお、モバイル機器での視聴ファイル出力を主に想定したMovieGate 4 Mobileは、QVGA→SD画質へのアップコンバートのみ(iPhone 4/iPad向けはHD対応)搭載している。また、後述のオーサリングソフトをバンドルしたバージョンも用意する。

　いずれの製品も、独自の画像拡大ロジック「ArcSoft SimHD」により、拡大に伴うブロックノイズやジャギーの発生を軽減し、クリアな変換を可能としている。また、GPU支援による高速変換技術のNVIDIA CUDAやATI Streamにも対応し、軽快な動作を実現。なお、動作環境はCPUがIntel Pentium 4 1.6GHz相当以上、メモリが512MB以上と、比較的低スペックなPCで利用できることも特徴としている。

　出力フォーマットは、iPhone/iPodやPSPといった機器に適した形式をアイコンから選んで選択できるほか、ビデオ/オーディオのビットレートやフレームレートといった、詳細な設定も可能。フォルダ監視機能もそなえ、指定フォルダにファイルが入ると自動で変換を開始することもできる。

　さらに、YouTubeから動画をダウンロードしてファイル形式を変換できるソフトも同梱。YouTube画面を右クリックでダウンロードしてMovieGateに取り込み、目的のファイルに変換できる。上記のアップコンバート機能はインターネットからダウンロードした動画にも適用可能。

高画質でのアップコンバートや、高速変換が主な特徴	SimHDの説明	変換画面

出力先デバイスのアイコンを選んで、変換する	GPGPUによる高速変換に対応	YouTubeからの動画ダウンロードにも対応

デモに使用したPCも比較的低スペックだったが、問題なく変換できたことをアピールした

　入力対応フォーマットはビデオがAVI、WMV、ASF、3GP、3G2、DAT、MPEG、VOB、TS、MTS、M2TS、MOV、MP4、M4V、RM、RMVB、OGM、FLV、DivX、MKV、WTV、DVR-MS。オーディオがAAC、OGG、WMA、WAV、M4A、RA。静止画がJPEG、TIFF、GIF、PNG、BMP、TGA、FPX、PCX、PCD、PSD、RAWなど。

　出力デバイスはiPhone 4、iPhone 3G/3GS、iPod touch、iPad、Apple TV、iPod、iPod nano、Nexus One、HTC G1、Diamond、Xbox 360、Zune、Wii、プレイやん、PS3、PSP。サイトへのアップロードはYouTube向け(SD～フルHD)を用意する。フォーマットとしてはビデオがAVI、MP4、WMV、ASF、MOV、3GP、3G2、MPEG、MKV、オーディオがAAC、OGG、M4A、WMA。静止画がJPEG、BMP。

■ オーサリングソフト「ArcSoft BD Authoring」

　映像ファイルを入力し、メニューとチャプタボタンのデザインを選択するだけでDVDビデオやBlu-ray Discを作成できるオーサリングソフト。HDV/DVからのキャプチャのほか、AVCHDやMPEG-2などの取り込みに対応する。なお、上記のMovieGate 4のBD/DVDオーサリングソフト付きパッケージには、このソフトと同等のオーサリング機能が含まれている。

オーサリング画面

　新機能は、上記の変換ソフトと同様に「ArcSoft SimHD」を用いた高画質なアップコンバートと、GPGPUによる高速変換のCUDA/ATI Streamに対応。さらに、MPEG-4 AVC/H.264のスマートレンダリングに対応し、最低限の劣化と変換速度でカット編集が行なえるとしている。また、簡易編集機能としてオーディオの追加も可能。

　メニュー作成においては、背景に動画を使用できるモーションメニューに対応。任意のメニューサムネイルを動画に設定できる機能や、ディスク再生開始時に、メニューを表示せず本編再生から開始する設定も可能。

　ディスクは片面1層/2層のBDMV/DVDビデオ、AVCHDが作成可能。AVCHDカメラへの書き戻しも可能となっている。音声出力はリニアPCM/ドルビーデジタルに対応。ディスク容量を超えた場合に、自動で1枚分に圧縮する機能も搭載。そのほか、静止画にBGMやエフェクトを加えてフルHDのスライドショーを作成することもできる。

　入力対応フォーマットはビデオがAVI、DAT、QuickTime、MOV、ASF、WMV、MP4、M1V、M2V、VOB、MPE、MPV、M4V、MPEG、M2TS、3GP、3G2、FLV。オーディオがAAC、MPA、M4A、WMA、MP3、WAV。静止画がBMP、TIF、PCX、TGA、JPEG、FPX、PSF、EMF、PCD、PNG、WMF、GIF。

■ ユーザー層の拡大で売上120%増へ。DRAGON GATEのCIMA選手が協力

　発表会には、ArcSoftのマイケル・デンCEOが来場。これまでも、日本を含む世界の家電メーカー製品のバンドルソフトを提供してきた実績をアピール。自らも写真を撮るのが趣味というデン氏は、日本のリテール市場についても大きな期待を示し、「ジャングルの販売チャネルを通じてエンドユーザーに多くのマルチメディア製品を提供したい」と述べた。

　製品の販売戦略についてはジャングルのプロダクトマネージメント部 プロダクトマネージャーの竹本圭介輔氏が説明。パッケージのイラストはシルエットを多用したモノクロ基調で、ビデオ関連ソフトとしては異色のデザインとなっているが、これは同社製品の既存ユーザーである30～40代男性だけでなく、新規ユーザーの獲得を狙ったもの。主にアパレル製品を手掛けるToshimitsu Haruka氏がデザインし、他社との差別化を図っている。　

ArcSoftのマイケル・デンCEO	ジャングルの高田晃子社長はArcSoft製品について「PCだけでなく携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラなど全てのデバイスに製品を供給しているのが強み」とコメント	ジャングルのプロダクトマネージメント部 プロダクトマネージャーの竹本圭介輔氏

　さらに、Web上でのプロモーション展開として、プロレス団体「DRAGON GATE」所属のCIMA選手が、ブログや動画でMovieGateを解説するスペシャルコンテンツを開始。全4回にわたってビデオレター付きのブログを掲載して、使い方などを紹介する。DRAGON GATEは女性の観客が4割と高く、ジャングルの狙う新規顧客にも合致するという。

　こうした取り組みにより、前バージョンのMovieGateに比べ売上120%増を目標値として設定。さらに、2011年は前年比150%アップ、2012年は同200%アップと、高い目標を据えている。

パッケージデザインの変更で店頭での差別化を図る	DRAGON GATEのCIMA選手とのプロモーション展開	今後の売上目標

　新たなプロモーションでジャングルとタッグを組むCIMA選手は、発表会にも登場。パソコンは素人だというCIMA選手だが、iPhoneやiPadを購入したこともありデジタル機器に関心を持っているという。

　「1月に娘が生まれて、遠征先でも、娘や飼っている犬の動画が見たい」というCIMA選手は「動画の取り込みや変換は、これまで未知の分野だったから、時間がかかるだろうとか、何をそろえればいいのかと思っていたけど、話を聞いたらすぐにできるだろうと思った。きっと使えるようになると信じているので見ていてください。これを機に“家電レスラー”として売り出したい」と意気込みを見せた。

新製品を手に、雄叫びとともに登場したCIMA選手	実は発表会の後に後楽園ホールでの試合を控えているというCIMA選手。「試合が終わったら、さっそく動画の取り込み作業に取り掛かりたい」と笑顔を見せた