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「次世代スマートテレビ推進センター」が7月に発足
Hybridcast対応機器のロゴ決定。アプリにはID付与
(2013/6/7 18:57)
IPTVフォーラムは7日、ハイブリッドキャスト(Hybridcast)を使ったスマートテレビ向けサービスの普及促進などを目的とした「次世代スマートテレビ推進センター」を7月に発足させることを発表。都内で記者説明会を行なった。
既報の通り、IPTVフォーラムは3月29日にハイブリッドキャスト技術仕様のVer.1.0を一般公開した。Ver.1.0では、テレビやSTBなどが放送番組に連動した様々なHTML5アプリケーションを利用したり、スマートフォン/タブレットが放送番組と連携するサービスを実現するための仕様などが規定されている。
5月31日に行なわれた総務省「放送サービスの高度化に関する検討会」では、「次世代スマートテレビサービスの推進にあたり、視聴者の安全・安心の確保、オープンな開発環境整備を実現するための技術ルールの公開やアプリケーション開発者の登録と公開を行なう組織体制の整備が必要」と提言されたことを踏まえ、IPTVフォーラムの新たな業務として、次世代スマートテレビ推進センターの発足が決まった。
Hybridcast対応アプリは登録制でID付与。対応機器に添付できるロゴも決定
同センターの主な業務は、大きく3つに分類される。1つ目は、ハイブリッドキャスト対応サービスを提供するプラットフォーム事業者(主に地上波/BS/CS放送局、CATVなどを想定)や、対応HTMLアプリケーション開発者からの届け出を受け付け、Webサイトで公表する「届け出および公表」、2つ目は、プラットフォーム事業者に対し、サービスの実施に必要なID番号を付与・管理する「ID番号の付与業務」、3つ目は、ハイブリッドキャスト対応テレビなどにロゴマークの使用を許諾する「ロゴマークの使用許諾業務」。
なお、プラットフォーム事業者が主にテレビ局となるのは、前述したハイブリッドキャスト技術仕様のVer.1.0が、番組と連動する「放送マネージドアプリケーション」のみ定めており、放送局以外の開発者も作成できる「放送外マネージドアプリケーション」は、次期バージョンでの標準化予定(来年をめどに規格化予定)となっているため。ハイブリッドキャスト対応サービスを提供したい放送局は、あらかじめ同センターから事業者IDの付与を受けることが必要で、登録された事業者名は同センターのサイトで公開される。
新サービスで利用するアプリ(HTML5対応のWebアプリ)を制作する開発事業者も、利用者の安全性重視などの観点から、事業開始の前にセンターへの届け出が必要。放送事業者が自らアプリを開発する場合も、同様に届け出が必須となる。開発者名も、同様にセンターのサイトに公開される。登録することで、ハイブリッドキャストの技術仕様のバージョンアップや改定なども案内され、情報共有にも役立てるとしている。
登録済みの開発者が制作したハイブリッドキャスト対応アプリには、個別のIDが付与される。このID付与は、プラットフォーム事業者(放送事業者)が開発者に対して付与。発行されたIDはセンターへの報告が必要で、これにより、センターは現在どれだけの対応アプリが存在するかを把握できる。
なお、同センターは最小限の規模で効率的に運用することを優先しており、個別のアプリに対して審査/許諾を行なうことはなく、各アプリの責任については、各開発者や放送事業者らが負うとしている。
テレビやSTBなどの端末メーカーがハイブリッドキャスト対応テレビ/STBなどを発売する際、希望すれば、ハイブリッドキャスト技術仕様に準拠したことを示すロゴマークの使用を許諾する。その場合、いずれかのプラットフォーム事業者と運用ルールについて契約したことを示す必要があるという。なお、このマークの貼付は義務ではない。
今後は、7月1日に改めて同センターの運用開始日を公表。さらに、7月以降に、放送局などの関係者らに対して、順次センターについての説明会を行なう予定としている。
なお、前述した総務省「放送サービスの高度化に関する検討会」では、ハイブリッドキャスト以外に、「リモートアクセス視聴(仮称)」に関する技術手法や運用条件の検討について取り組むことなども盛り込まれている。同センターがリモートアクセス視聴に関する業務を担当するかどうかについては未定としている。