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ソニー、25万円以下でTV的に使えるフルHD SXRDプロジェクタ「HW35ES」。HW55ESも

左からVPL-HW35ES、VPL-HW55ES

 ソニーは、エントリーからミドルクラスをターゲットとしたフルHD解像度のシアター用SXRDプロジェクタ2機種を5月31日に発売する。価格はVPL-HW55ESが345,000円、VPL-HW35ESが245,000円。どちらのモデルもカラーはブラックとホワイトを用意する。

 2012年に発売した「VPL-HW50ES」の後継モデルが「VPL-HW55ES」。そのHW55ESから、絞りを自動的に制御する「アドバンスドアイリス3」機能を省いて低価格化したのが「VPL-HW35ES」となる。どちらも1,700ルーメンの輝度があり、完全に遮光できないリビングシアターでも、明るさを活かしてテレビのように利用できるモードを搭載。価格を抑えたHW35ESは、透過型液晶(3LCD)プロジェクタが多いエントリー市場も視野に入れたモデルとなる。

VPL-HW35ES
VPL-HW35ES
VPL-HW55ES

 どちらのモデルも、パネルやレンズなど、基本的な性能はHW50ESを踏襲している。パネルは0.61型/1,920×1,080ドットSXRD(反射型液晶)。レンズは1.6倍の手動ズーム。投写サイズは40~300型に対応。レンズシフト範囲は垂直71%、水平25%。輝度は1,700ルーメン。

VPL-HW35ESのレンズ部分
VPL-HW55ESのレンズ部分
VPL-HW35ESの側面

 4KプロジェクタのVW1100ES/VW500ESに採用されているデータベース型超解像処理LSIを、フルHD用に最適化したものを搭載。オリジナルの映像信号が持っていた質感やディテール感などを表示時に再現できるというもので、テレビ放送だけでなく、BDなどのパッケージメディア再生でも利用できる。

 入力映像をリアルタイムで解析し、縦/横/斜め方向にフレーム毎に動きを解析、データベースと照合。データベース上の最適な画像と照合する事で、オリジナル映像の質感、ディテール感、圧縮・伝送時に失われた信号を復元できる。

 さらに、シーンに応じて最適なコントラストが得られるように、映像の明るい部分、暗い部分のレベルを自動的に補正する「コントラストエンハンサー」も搭載している。

 「HW55ES」は、信号の明るさに応じてランプから投写する光の量を絞りで自動的に制御する「アドバンスドアイリス3」を搭載。ソフトウェア的な処理を改良した事で、ダイナミックコントラストはHW50ESの10万:1から、HW55ESでは12万:1にアップした。HW35ESは、このアドバンスドアイリス3を搭載していない。

VPL-HW55ESのブラック、ホワイト

 両モデルの違いはこれに加え、画質詳細設定のモード数が異なる。HW55ESはガンマ11、色温度9、詳細な色調整(RCP)5のモード数をそれぞれ持つが、HW35ESはガンマ7、色温度5、RCP2モードとなる。また、HW55ESのみ、PCのアプリでプロジェクタの設定ができる「Image Director」に対応している。それ以外の仕様は同じ。

VPL-HW35ESのブラック、ホワイト

 どちらも1,700ルーメンの高輝度を活かし、リビングシアターなど、完全に遮光しない環境で、テレビのように利用する事も想定。そのためのモードとして、高輝度で投写しても、特定の色成分を強めたりせず、バランスのとれた発色を維持する「ブライトシネマ」や「ブライトTV」モードを搭載。カジュアルな使い方も訴求する。

 他にも、シネマフィルム1/2、リファレンス、TV、フォト、ゲーム、ユーザープリセットの9種類のピクチャープリセットを用意する。別売の3Dメガネ「TDG-PJ1」や、3Dトランスミッタ「TMR-PJ2」を利用し、3D視聴にも対応できる。

 駆動音は約21dB。ランプは出力200Wの高圧水銀。交換用ランプは「LMP-H202」。入力端子はHDMI 2系統、コンポーネント 1系統、アナログRGB/コンポーネント対応のD-sub 15ピンを1系統。消費電力は最大300W、待機時0.5W(スタンバイモード“低”時)。外形寸法は407.4×463.9×179.2mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約9.6kg。

VPL-HW35ESの端子部
VPL-HW55ESの端子部
付属のリモコン

(山崎健太郎)