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オーテク、ダイナミック型ユニットを対向配置したSOLID BASS新イヤフォン
(2015/10/8 16:00)
オーディオテクニカは、SOLID BASSシリーズのイヤフォン新モデルとして、ダイナミック型ユニットを2基、向い合せに配置した「ATH-CKS1100」を10月23日に発売する。ハイレゾ再生対応モデルで、価格はオープンプライス。店頭予想価格は25,000円前後。
12.5mm径のダイナミック型ユニットを2基搭載。向かい合わせに設置する「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載。2つのマグネットで磁力を飛躍的に高め、重厚な低域を再生できるという。
さらに、2つの振動板が同調したリニアドライブ(前後直進運動)を行なうことで、相互変調を極限まで抑制。精彩で歪のない再生ができるとする。
前方の振動板には、ダイヤモンドに匹敵するという硬度を持ち、高域特性を向上させる「ダイヤモンドライクカーボン」(DLC)コーティングを施している。
それぞれのドライバの特性に応じた位置に、2つの空気孔を配置。筐体内部の空気のバネ性をコントロールする、デュアルエアフローベース・ベンディングシステムも採用。
筐体は無垢アルミニウムを切削加工したもので、共振を抑えている。
ケーブルは着脱式で、A2DC(Audio Designed Detachable Coaxial)というオーディオ向け専用設計を採用。見た目はMMCXのように見えるが、互換性はないオリジナルの端子となる。L、R独立のスタッカード撚線を採用している。長さは1.2m。
出力音圧レベルは110dB/mW。再生周波数帯域は5Hz~40kHz。インピーダンスは12Ω。ケーブルを除く重量は約14g。
ファーストインプレッション
発表会の会場で、ハイレゾポータブルプレーヤー「AK380」と組み合わせて試聴した。
SOLID BASSシリーズだけあり、深く沈む低域の迫力が特徴だが、従来のSOLID BASSイヤフォンと比べると音場が非常に広いのが印象的だ。今までのモデルはどちらかと言うと、迫力をアップするために音場は狭めだったが、CKS1100は開放感のある広い空間を感じながら、パワフルな中低域が味わえるので、気持よく低音が楽しめる。
中高域は明瞭で、低域の張り出しで不明瞭になる事も無い。「低音がドンドコ主張するイヤフォンシリーズ」という印象で聴くと、良い意味で非常に正統派なサウンドに驚くだろう。ピュアなバランス重視のサウンドが好きだという人も、一聴の価値がある、ポテンシャルの高いイヤフォンに仕上がっている。
アナログとハイレゾ、相反するものを展開。どちらも強みとする
松下和雄社長は昨年発売した、ハイレゾ対応ヘッドフォン「ATH-MSR7」の販売動向に触れ、「大変好調に推移しており、ハイレゾヘッドフォンの需要の高まりを改めて実感した」と説明。同モデルの人気なども手伝い、国内のヘッドフォン販売台数6年連続ナンバーワンを達成した事を報告した。
さらに、一気にモデルチェンジした「ART MONITOR」、「SOLID BASS」、「EARSUIT」シリーズについて、「さらにランクアップした音質、デザインを楽しんで欲しい」と説明。「より高解像度なハイレゾに注力すると共に、脚光を浴びるアナログレコードにも注力する。創業当時から手掛けているカートリッジは、現在でも進化を重ね、より良い製品を出すべく開発を進めている。アナログとハイレゾという、相反するように思えるものを両方展開し、どちらも強みとしていきたい」とした。
発表会のMCはサッシャ氏が担当、ゲストとしてピーター・バラカン氏も登壇。自身と音楽との関係や、現在でもアナログレコードを楽しんでいる事、CDやファイルオーディオと異なり、アナログでは曲を飛ばす事に手間がかかるが、それが“あまり気に入らないと思っていた曲を聴き、好きになるキッカケになっている”といったエピソードを紹介。
また、マニア向けのハイエンドオーディオの世界とは別に、手軽に購入できる価格帯に、クオリティの高いオーディオ製品をさらに充実させ、ハイレゾやアナログレコード人気で音に興味を持った人達が、さらに音質に興味を持てるような環境作りの重要さを語った。