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SOULNOTE、アンプ「A-1」など1シリーズをver.2に進化。上位機の知見投入「有機的で熱い音」に

プリメインアンプ「A-1 ver.2」プレミアムシルバー

SOULNOTEは、同社エントリーモデルである「1シリーズ」を「ver.2」へと進化させた。11月に、プリメインアンプ「A-1 ver.2」を308,000円、フォノイコライザー「E-1 ver.2」を286,000円、DACの「D-1 ver.2」を385,000円で発売する。さらに、より低価格なプリメインアンプ「A-0 ver.2」を、12月に181,500円で発売する。

カラーはいずれのモデルにも、プレミアムシルバーとプレミアムブラックを用意する。

いずれのモデルも、1シリーズの基本機能を踏襲しながら、上位3シリーズの開発で得られた知見を投入。サウンドが劇的に進化したという。

プリメインアンプ「A-1 ver.2」

プリメインアンプ「A-1 ver.2」プレミアムブラック

出力40W×2(8Ω)、80W×2(4Ω)のプリメインアンプ。内部に、大型TO-3P大出力低Cobトランジスタによる、シングルプッシュプル出力段を4段 ダーリントン構成で採用。音の滲みを排除し、圧倒的なドライブ能力を実現したという。

さらに、ディスクリート完全無帰還回路を全面採用。パワーアンプにセレクターとボリュームを付けただけのシンプルな構成が特徴。これは、フラッグシップアンプ「A-3」と同様で、音楽信号の鮮度を守るための構成だという。

従来のLEDバイアス回路を廃止し、新開発のバイアス回路を採用。SN感を飛躍的に向上させた。CR共振を排除する回路に、高周波までインピーダンスが変わらない超高品位抵抗を採用。帯域を制限する事なく、鮮度を失わない高品位な音質と安定性を両立している。

電源部には、新開発の未含浸トロイダル電源トランスを採用。2次側出力電圧(アンプの最大出力)をあえて抑える事で、電流供給能力を向上させた。これにより、低インピーダンスの現代ハイエンドスピーカーに対しても、「気持ち良く弾む圧巻のドライブ能力を発揮する」という。

入力はXLR×2系統、RCA×2系統。リレーによる入力セレクターや、リレーによる抵抗切り替え式ボリュームなどは、従来モデルを踏襲している。消費電力は130W(J60065)、40W( アイドリング時)。外形寸法は430×418×109mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10kg。

フォノイコライザー「E-1 ver.2」

フォノイコライザー「E-1 ver.2」プレミアムシルバーとプレミアムブラック

従来のMC/MMに加えて、光カートリッジ入力にも対応したのが特徴。このクラスの製品としては異例となる、ディスクリート無帰還回路を全てのアナログ回路に採用した。

光カートリッジ用アナログ回路には、E-3用に開発したNew Type-R回路を投入。光カートリッジ専用電源にも、上級機と同じディスクリート無帰還レギュレータを投入。これが有機的で熱い音の源になるとのこと。

新開発のシンプル化したアナログ回路により、MC/MMの音質も飛躍的に向上させた。

オリジナルのLEDバイアス回路を廃止し、新開発のバイアス回路を投入。SN感を向上させた。

消費電力は24W(J60065)。最大外形寸法は430×409×109mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約9.5kg。

D/Aコンバーター「D-1 ver.2」

D/Aコンバーター「D-1 ver.2」プレミアムシルバーとプレミアムブラック

アナログ回路に、E-3で開発したNew Type-R回路をDAC用に最適化して採用。電源回路にも、上級機と同じ無帰還レギュレータ回路を投入している。

余計な機能の無いシンプルでかつ強力な電流出力を誇るDACチップ、ESS「ES9038PRO」を左右独立で採用。SOULNOTE独自のNOSモードが選択できる。

アナログLPFをほぼ排除する事で、NOS本来の有機的で生き生きとした音楽 再生を可能にしたという。この効果は、DSD再生時にも有効。サウンドにとって重要なIV変換回路も、上級機と同様の抵抗IV回路を採用。

電源部には、パワーアンプ級という未含浸大型トロイダルトランスを採用。無帰還電源とのコンビネーションにより、クラスを超えた熱い音楽再生ができるとする。

消費電力は20W(J60065)。最大外形寸法は430×379×109mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10kg。

音を聴いてみる

短時間ではあるが、各モデルを試聴したのでファーストインプレッションをお届けする。

A-1 ver.2

プリメインアンプ「A-1 ver.2」は、SOULNOTEらしい開放的で、1つ1つの音が生き生きと展開する。音場も広大なのだが、音が広がる空間に“枠”がまったくなく、試聴室の横の壁や、奥の壁がなくなり、どこまでも音が広がっていくようだ。

それでいて、広い音場に明確に定位する1つ1つの音は、微細に描写され、輪郭もシャープ。トランジェントも良く、キレ味鋭い、聴いていてとにかく気持ちの良いサウンドだ。

ver.2の進化点として実感できるのは、この開放感や微細な描写といった特徴に、押し出しの強さ、躍動感のある中低域といった、“音楽の熱さ”が色濃くなった事。開放的なサウンドに圧倒されつつ、気がつくとジャズのリズミカルなベースに合わせて体が動いてしまうような、“美味しい音”に進化したと感じる。

試聴に使ってたYG Acousticsのフロア型スピーカーは、約30万円のA-1 ver.2と組み合わせるのはアンバランスな価格差があるが、逆にA-1 ver.2はこの弩級スピーカーをしっかりと鳴らせており、電流供給能力の向上も実感できる。

こうした開放感、解像度の高さ、トランジェントの良さに、“音楽の熱さ”が加わったver.2への進化は、フォノイコライザーの「E-1 ver.2」、DAC「D-1 ver.2」にも共通している。

E-1 ver.2では、新たに対応した光カートリッジの情報量の多さや、MCカートリッジの繊細かつ力感のあるサウンドの違いをしっかり描き分けつつ、ver.2に進化した事で、中低域の押し出しの強さ、躍動感を味あわせてくれる。

D-1 ver.2も、ナチュラルで情報量の多いサウンドでありつつ、そっけないサウンドではなく、熱い音を聴かせてくれる。クールさとエモーショナルが両立した音に進化していた。

E-1 ver.2
D-1 ver.2