ソニー、APS-C CMOS採用のミラーレス一眼2機種を発表
-フルHD AVCHD動画対応「NEX-5」。3Dパノラマ撮影も
左がNEX-3に18-55mmを取り付けたところ。右がNEX-5に16mmを取り付けたところ |
カラーリングはNEX-5がブラックとシルバー、NEX-3がブラック、レッド、シルバー、ホワイトの4色。なお、NEX-3のシルバーは、ソニースタイル限定カラーとなる。店頭予想価格は下表の通り。
シリーズ名は一眼レフと同じ「α」を使用する。
型番 | セット内容 | カラー | 発売日 | 価格 | |
ボディ | レンズ | ||||
NEX-5A | NEX-5 | E 16mm F2.8 | ブラック/シルバー | 6月3日 | オープン (80,000円前後) |
NEX-5K | NEX-5 | E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | ブラック/シルバー | 6月3日 | オープン (85,000円前後) |
NEX-5D | NEX-5 | E 16mm F2.8 + E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | ブラック/シルバー | 6月3日 | オープン (95,000円前後) |
NEX-3A | NEX-3 | E 16mm F2.8 | ホワイト/ブラック レッド/シルバー | 6月10日 | オープン (65,000円前後) |
NEX-3K | NEX-3 | E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | ホワイト/ブラック レッド/シルバー | 6月10日 | オープン (70,000円前後) |
NEX-3D | NEX-3 | E 16mm F2.8 + E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | ホワイト/ブラック レッド/シルバー | 6月10日 | オープン (80,000円前後) |
SEL16F28 | - | E 16mm F2.8 | - | 6月24日 | 31,500円 |
SEL1855 | - | E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | - | 6月3日 | 36,750円 |
SEL18200 | - | E 18-200mm F3.5-6.3 OSS | - | 2010秋 | 99,750円 |
■ APS-Cサイズの撮像素子と新「ソニーEマウント」を採用
左がNEX-5、右がNEX-3。どちらもExmor APS HD CMOSを採用する |
大型の撮像素子を採用する事で、高感度に強く、撮影した画像で大きなボケが得られやすいのが特徴。その素子を使いながら、ボディの小型軽量化を追求。サイズが大きなデジタル一眼レフカメラの画質に憧れつつも、価格やサイズ、デザインなどの面で手が出なかった層に向けた、新コンセプトの一眼カメラとして訴求する。
レンズマウントは新しい「ソニーEマウント」を採用。“E”の由来は、フランジバック(マウント面からイメージセンサーまでの距離)が18mmであり、18(Eighteen)の頭文字の“E”から取っている。
ソニーの一眼レフで採用されている「Aマウント」とは異なる新マウントだが、別売のマウントアダプタ「LA-EA1」(6月3日発売/21,000円)を介してAマウント用レンズが装着可能。その場合、AFは効かず、マニュアルフォーカスのみとなる。ただし、絞り機構を備えており、AEに対応する。また、ボディ側がコンパクトであるため、大型レンズ装着時のバランスを考慮し、マウントアダプタに三脚座のアタッチメントが装着できる。
AFの制約について、コンスーマー・プロフェッショナル&デバイスグループ(CPDG) パーソナル イメージング&サウンド事業本部の手代木英彦統括部長は、発表会の中の質疑応答で「何とかして、αのレンズでAFを動かせるようにやっていきたいが、αのレンズは多数あり、その全てでAFを動かすのは技術的な課題も多い。そのため、現時点では(AFは)非対応とさせていただきたい」と、今後の対応の可能性に含みを持たせた回答をしている。
Eマウントのレンズ。左がE 18-55mm F3.5-5.6 OSS、右がE 16mm F2.8 | 別売のマウントアダプタ「LA-EA1」。三脚座を付けたところ |
■ フルHD AVCHD動画撮影対応。3Dパノラマも
動画撮影は、NEX-5のみフルHDのAVCHD形式で撮影可能。1,920×1,080ドット/60iで撮影する。ビットレートは17Mbps。PCで扱いやすいMP4ファイルでの撮影も選択でき、その場合は1,440×1,080ドット(30p)となる。NEX-5はMP4撮影のみ対応で、1,280×720ドット(30p)。なお、連続撮影には29分の制限がある。
右背面上部に備えた録画用ボタン | 別売のステレオマイク「ECM-SST1」を追加したところ |
Eマウントのレンズを使えば動画撮影中のAFも可能で、フルオートのフォーカスに加え、シャッターボタンを押す事で任意のタイミング/場所に合わせてのAFも可能。また、撮影前にMFモードにしておけば、マニュアルフォーカスによる動画撮影も楽しめる。
動画撮影は背面に備えた「MOVIE」ボタンひとつでスタート。音声は本体に備えたステレオマイクで録音可能。再生用モノラルスピーカーも備えている。さらに、別売のステレオマイク「ECM-SST1」(6月3日発売/12,600円)を追加する事で、より広範囲の音声も録音できる。同梱ソフトはPicture Motion Browser Ver.5.2で、動画のトリミング編集やWebアップロード、DVD作成、ウォークマンへの転送などにも対応する。
NEX-5 ブラック + E 16mm F2.8 | NEX-5 シルバー + E 16mm F2.8 |
NEX3 レッド + E 16mm F2.8 | NEX-3 ホワイト + E 16mm F2.8 | NEX-3 ブラック + E 18-55mm F3.5-5.6 OSS |
天面にステレオのマイクを内蔵している |
独創的な機能として、両モデル共「3Dスイングパノラマ」撮影が可能。本体を水平にスイングさせながら撮影する事で、手軽にパノラマ撮影ができる「スイングパノラマ」機能を発展させ、イメージセンサから左目用、右目用の画像をそれぞれ短冊状に抜き出し、繋ぎ合わせる事で、左目用と右目用のパノラマ静止画を撮影。HDMIケーブルで3D表示に対応したソニーの液晶テレビ「BRAVIA」と接続する事で、立体的なパノラマ画像が楽しめる。なお、動画の3D撮影には非対応。
また、3Dスイングパノラマ撮影機能は2010年7月中旬頃に予定されている、ファームウェアアップデートにより追加される。
■ コンパクト筐体とわかりやすい操作性
レンズ交換式ながら、コンパクトデジタルカメラにも負けない小型ボディを実現。高剛性のマグネシウム外装をフレーム構造体の一部とし、マウント固定部やイメージセンサー固定部を一体化加工する事で小型軽量化/薄型化を実現。チップサイズの小型化、ICの2段重ね実装、電源回路のレイアウトの工夫なども小型化に寄与している。具体的なサイズは、NEX-5が110.8×38.2×58.8mm(幅×奥行×高さ)、NEX-3が117.2×33.4×62.6mm(同)。重量は本体のみで、NEX-5が約229g、NEX-3が約239g。
側面。左がNEX-5、右がNEX-3 | 背面。左がNEX-5、右がNEX-3 | 上から見たところ。左がNEX-5、右がNEX-3。グリップの形状が異なる |
16mmパンケーキをNEX-5に取り付けたところ | こちらは18-55mmを取り付けたところ | 18-55mmにレンズフード、同梱するフラッシュを取り付けたところ |
モニターは3型のTFT液晶で、92.1万画素のエクストラファイン液晶を採用。薄型テレビで培った、エッジ型LEDバックライトを採用しており、バックライトの輝度はα550と比べ、55%向上しているという。さらに、明るさの自動調整機能や、屋外での視認性を高める「屋外晴天モード」も利用可能。さらに、モニターはチルト可動式で、上方向に約80度、下方向に約45度のチルトが可能。
3型液晶モニターはチルト可動式 | 上方向に約80度、下方向に約45度のチルトが可能 |
ISO感度は200~12800まで1EVステップで調整可能。オートでは1600まで自動で変化する。AF検出はコントラストAFで、エリア数25点のマルチポイントAFを採用。シャッター速度は1/4000~30秒、バルブ撮影も可能。連続撮影速度は、通常が最高約2.3コマ/秒、速度優先では最高約7コマ/秒。連続撮影可能枚数はファインで14枚、スタンダードで16枚、RAWで7枚、RAW+JPEGで7枚。ただし、これらの数字は撮影条件や使用するメモリーカードによって異なる。
記録媒体はメモリースティックPRO デュオ、PRO-HG デュオに加え、SD/SDHC/SDXCに対応。なお、TransferJetには対応しない。同日にはさらに高速化した「メモリースティックPRO-HG デュオ HXシリーズ」も発表されている。容量は8GB、16GB、32GBの3種類で6月発売。価格はオープンプライス。
PC接続用にUSB 2.0端子を装備。HDMIミニも備えており、ブラビアリンクにも対応。本体にフラッシュは内蔵していないが、スリムなフラッシュニット「HVL-F7S」を同梱。ガイドナンバーは7(ISO100・m)。
フラッシュニット「HVL-F7S」 | メモリースティックPRO デュオ/PRO-HGデュオに加え、SD/SDHC/SDXCにも対応 |
わかりやすさを重視した操作性も特徴で、アイコンをベースとしたグラフィカルなインターフェイスを採用。背面のコントロールホイールで様々な機能が選択できる。さらに、撮影中も撮影のコツや機能の説明が詳しく液晶に表示され、撮りながら撮影のテクニックが身につくようになっている。
アイコンを用いたメインメニュー | 操作中に撮影のコツや機能の説明が表示される |
ほかにも、3枚の撮影画像を最適化して階調を補正する「オートHDR」や、撮影シーンに応じて露出と階調表現を自動で補正する「Dレンジオプティマイザー」も装備。シーンに合う設定を自動選択する「おまかせオート」も備えている。
ほかにも、人物ブレ軽減モードや、手持ち夜景モードを装備。一度のシャッターで6枚の画像を高速連写し、それを重ねあわせてブレていない1枚の画像を生み出す。スマイルシャッターも利用可能。
■ 交換用レンズと豊富なアクセサリ
Eマウントのレンズは、パンケーキタイプの「SEL16F28」(E 16mm F2.8)と、 標準ズームの「SEL1855」(E 18-55mm F3.5-5.6 OSS)をキットレンズとして発売。2つをセットにしたダブルレンズキットも用意される。また、2010年秋には高倍率ズームの「SEL18200」(E 18-200mm F3.5-6.3 OSS)も発売予定。
E 18-55mm F3.5-5.6 OSS | E 16mm F2.8 |
いずれも動画撮影に対応。レンズ内ステッピングモーターと、リアフォーカシングによる静粛性が特徴で、動画撮影時にフォーカス音が記録されにくいという。なお、標準ズームと高倍率ズームにはレンズ内手ブレ補正機能を備えている。また、パンケーキレンズ用には、ウルトラワイドコンバータ「VCL-ECU1」(13,650円)、フィッシュアイコンバータ「VCL-ECF1」(15,750円)も装着できる。
ほかにもアクセサリとして、E 16mm F2.8用光学ビューファインダ「FDA-SV1」(6月24日発売/23,100円)や、各種ケース、ストラップも用意される。
光学ビューファインダ「FDA-SV1」の装着イメージ | 2010年秋には高倍率ズームの「SEL18200」(E 18-200mm F3.5-6.3 OSS)も発売予定 |
■ ソニースタイル
KURACHIKA YOSHIDAとコラボレーションし、制作した2WAYバッグ。強度にこだわり、素材にバリスティックナイロンを使用。「収納性」と、「取り出しやすさ」を追求したという |
さらに、「NEX」シリーズ購入者には、「ジャーナルスタンダード」のオリジナルウエストバッグ(先行予約特典、先着300名)と、メンテナンスグッズの「レンズペン」(「レンズペン」、「レンズペンミニプロ」、「レンズペンマイクロプロ」の3種類から選択可能、数量限定)を進呈
また、水ぬれや火災などの自己でも無料修理を受けられる長期保証「3年ワイド」、交換レンズのレンタルサービスを体験できる「“α”レンズ体験レンタルサービス利用権」、オンラインプリンと注文サービスサイト「fotofoo」の「パノラマプリント」が1枚無料になる「パノラマ写真無料プリントクーポン」が付属するほか、「ITエンターテインメントセミナー」のαセミナー(1回限り、受講料5,000円以下の講座に限る)を無料受講できるチケットが進呈される。
(2010年 5月 11日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]