パナソニック、BDXL/3D対応でBD→HDDムーブもできるDIGA
-同時動作制限を解消。アニメ“原画解像度変換”も
パナソニックは、Blu-ray Discレコーダ「ブルーレイDIGA」の新モデルとして、最大128GBの「BDXL」メディアへの記録に対応した6モデルを9月15日に発売する。
「DMR-BWT3100」など上位3モデルはBlu-ray 3Dに対応。チューナはDMR-BR590を除く5機種が地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナ搭載で、BR590はデジタルシングルチューナとなる。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は下表の通り。
型番 | HDD容量 | 特徴 | チューナ | HDMI出力 | 店頭予想価格 |
DMR-BWT3100 | 2TB | BDXL記録 Blu-ray 3D再生 フルHD 12.5倍録画 BD→HDD書き戻し | 地上/BS/110度CSデジタル×2 地上アナログ×1 | 2 | 28万円前後 |
DMR-BWT2100 | 1TB | 1 | 16万円前後 | ||
DMR-BWT1100 | 500GB | 12万円前後 | |||
DMR-BW890 | 1TB | BDXL記録 フルHD 12.5倍録画 BD→HDD書き戻し | 15万円前後 | ||
DMR-BW690 | 500GB | 11万円前後 | |||
DMR-BR590 | 500GB | BDXL記録 フルHD 10倍録画 BD→HDD書き戻し | 地上/BS/110度CSデジタル×1 地上アナログ×1 | 9万円前後 |
同日に発売される3層/100GBのBD-R XLメディア |
6機種共通の特徴として、追記/書き換え型ディスクの大容量規格であるBDXL(High Capacity Recordable and Rewritable discs)に対応。追記型ディスクとしては100(3層)/128GB(4層)まで、書き換え型としては100GBまでのディスクに記録可能。
3層/100GBメディアを使った場合、地デジのDRモードでは約12時間、AVCのフルHD最長モード「HB」では約108時間(BR590のみ約86時間)の記録が可能。なお、レコーダの発売と同じ9月15日には3層/100GBで4倍速対応のBD-R XL「LM-BR100LW」(オープンプライス/実売5,000円前後)も発売する。
また、新たな機能としてBD-R/REにダビングした番組を再度DIGAのHDDにムーブ(コピーフリー番組はダビング)する機能も搭載。録り貯めた番組をBDXLメディア1枚にまとめるといったことも可能になった。
BDからHDDへのムーブは、テレビ番組のほか、アクトビラ ビデオのダウンロードコンテンツも可能。また、過去のモデルでBDに記録した番組も新DIGAのHDDに書き戻すことができる。DR/AVCの録画モードを問わず書き戻しが可能で、録画モードを変えない場合は高速ムーブ、変える場合は等速ムーブとなる。なお、BD-Rから書き戻した場合はBD-Rからはコンテンツが削除され、その分の記録領域は使用できなくなる。
DMR-BWT3100/2100/1100の3モデルはBlu-ray 3D再生が可能。HDMI接続した対応VIERAで3D再生が可能なほか、同社の3D対応AVCHDビデオカメラ「HDC-TM750」と「HDC-TM650」で撮影した3D映像をDIGAでディスクに保存可能。そのほか、マルチピクチャーフォーマット(MPO)で記録した3D写真の再生/保存も行なえる。
DMR-BW890/690とDMR-BR590 |
DMR-BR590を除く上位5モデルは、第5世代のMPEG-4 AVC/H.264エンコーダ「新アドバンスドAVCエンコーダ」を搭載し、フルHDで最長12.5倍のAVC録画に対応。2番組同時のAVC録画にも対応する。さらに、2番組同時AVC録画時の同時動作制限も解消。同時録画中でもBDビデオやBlu-ray 3D(BWTシリーズのみ)の再生、BDへの高速ダビング、再エンコードダビングが可能となっている。また、新エンコーダでは、シーンに合わせた圧縮処理の精度を高めることで、長時間モードでもノイズを抑えたクリアな映像を実現するという。BR590のAVCエンコーダは第4世代で、最長10倍録画となっている。
高画質化へのアプローチとしては、BR590を除く5モデルでパナソニックハリウッド研究所(PHL)がBDオーサリング時に使用する高精度色信号処理技術を応用した「トゥルーカラーエンジン」を搭載。高精度のクロマアップサンプリング処理で、色解像度を高め、精細な映像を実現するという。インターレース映像ではIP変換を行なってからクロマアップサンプリングを行なうことで、色の垂直解像度を向上させている。
また、これら5モデルではアニメ素材に特化した「アニメモード」が進化。DVDやハイビジョン放送、Blu-ray映像まで、ノイズの少ない映像を可能にしたという。さらに、「原画解像度変換技術」を搭載。低解像度の原画をハイビジョンに変換したアニメ番組の再生時に、原画解像度成分を抽出して再度アップコンバートを行なうことで、低ノイズで解像感の高い映像を実現するという。なお、この機能はハイビジョン番組のみ有効で、番組に応じて原画解像度を選択する必要がある。選択する原画解像度によっては画質が劣化する場合があるという。
さらに、最上位のBWT3100のみの高画質/高音質技術として、シーンごとに映像を分析して周波数帯毎に最適な処理を行なう「ディテール・クラリティ・プロセッサ for BD」の処理精度を向上させている。また、BD/DVDビデオだけでなくハイビジョン放送も1080/24pで出力可能になった。
BWT3100のみHDMI出力を2系統備え、映像/音声を別々に出力可能。HDMI低クロックジッターシステムによる高音質化も図っている。アナログ音声出力には32bit/192kHz対応DACを採用。OFC電源トランスや、セラミックインシュレータによる高音質化や、BDビデオなどの再生時にHDD回転を止める「シアターモード」、「真空管サウンドモード」なども搭載。
■ NHKのおすすめ1カ月番組表表示対応。放送中の番組もDLNA経由で視聴可能
6モデル共通の機能としては、光ディスクとHDDの切り替えなしでシームレスに録画番組を選べる「新・録画一覧」を採用。大容量ディスクをリムーバブルハードディスクのような感覚で利用できるとしている。
「NHK番組特集」の画面 |
また、最大1カ月先までのNHKのおすすめ番組情報を表示する「NHK番組特集」も採用。EPGの「Gガイド」を提供するRovi(ロヴィ)が、従来のWOWOW1カ月番組表に続き、NHK番組特集をGガイドに追加し、DIGAで採用された。対応チャンネルはNHK BS1、BS2、ハイビジョン、NHK総合、教育の5つ。
通常の番組情報よりも詳細な情報が提供され、関連する画像付きで紹介。見たい番組をより簡単に検索することも可能となり、同じテーマで特集されている番組を一括で予約することも可能だという。
そのほか、レコーダ入門者でも簡単に使用できるという「かんたんサポート」機能も搭載。「録る」、「見る」、「残す」の基本操作に絞ったシンプルリモコン(BR590に付属、他のモデルは別売)を利用することで、予約録画が簡単に行なえる。シンプルリモコン使用時は、そのリモコンで録画した番組だけが表示されるため、誤って他の人が録画した番組を消すこともないという。また、BWT3100のみ無線(RF)方式の「無線リモコン」を採用しており、リモコンを受信部に向けずに操作できる。
ネットワーク機能では、DLNAの「お部屋ジャンプリンク」が進化。DIGAに録画した番組だけでなく、放送中の番組でも、LAN接続した別室の対応テレビなどで視聴可能となったため、DIGAを「家庭内アンテナ」として利用できるという。さらに、対応のDIGA同士を接続しても、同様に別室で視聴できる「クライアント機能」にも新たに対応した。HDD内蔵テレビなどからのDLNAダビング/ムーブにも対応している。そのほか、BR590を除く5モデルは、スカパー! HD番組の録画にも対応する。
また、全機種でアクトビラ ビデオ・フルとアクトビラ ビデオのダウンロード対応。BR590以外の機種はYouTubeにも対応する。携帯電話やパソコンからの遠隔操作サービス「DIMORA」での録画予約や、おまかせ自動録画に対応するほか、iPhone/iPod touchアプリ「ビイトル」での再生操作も可能。USBアダプタを用いた無線LAN接続も可能。BWT3100のみ、本体に無線LANアダプタも付属している。
型番 | DMR-BWT3100 | DMR-BWT2100 | DMR-BWT1100 | DMR-BW890 | DMR-BW690 | DMR-BR590 | |
HDD容量 | 2TB | 1TB | 500GB | 1TB | 500GB | 500GB | |
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×2 地上アナログ×1 | 地上/BS/110度CSデジタル×1 地上アナログ×1 | |||||
出力端子 | HDMI (1080/24p、60p)×2 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 同軸デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | HDMI (1080/24p、60p)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | |||||
入力端子 | S映像×2 コンポジット×2 アナログ音声(2ch)×2 | S映像×1 コンポジット×1 アナログ音声(2ch)×1 | |||||
i.LINK (DV入力/TS入出力兼用) | 2 | 1 | 2 | 1 | - | ||
消費電力 | 約31W | 約27W | 約26W | 約25W | 約24W | 約21W | |
待機時消費電力 クイックスタート「切」時 時刻表示ON/OFF | 約0.3W/約0.1W | 約0.3W/約0.08W | |||||
待機時消費電力 クイックスタート「入」時 時刻表示ON/OFF | 約3.5W/約3.4W | 約3.2W/約3.1W | 約4.2W/約4.1W | ||||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 430×239×68mm | 430×199×59mm | |||||
重量 | 約4.2㎏ | 約3.1㎏ | 約2.9㎏ | 約3.1㎏ | 約2.8㎏ | 約2.8㎏ |
(2010年 8月 24日)
[AV Watch編集部 中林暁]