スペック、約47万円のデジタルプリメイン「RSA-V1」

-価格抑えながら最上位と同じ回路搭載。音展に出展


“リアルサウンド・アンプ”の第2弾「RSA-V1」

 スペックは、同社“リアルサウンド・アンプ”の第2弾「RSA-V1」を11月21日に発売する。ステレオのプリメインで、価格は472,500円。11月21日~23日まで、東京・秋葉原で開催される「オーディオ&ホームシアター展TOKYO」(音展)に出展。23日にはセミナー会場での説明も行なうという。

 同社は9月に、高性能なPWM方式デジタルアンプ「RSA-F1」(123万9,000円)を発売。新モデルの「RSA-V1」は、「RSA-F1」と同一のデジタルパワーアンプユニットを採用しながら、より購入しやすい価格を実現した第2弾モデルとなる。最大出力は50W×2ch(8Ω)、75W×2ch(6Ω)、100W×2ch(4Ω)。

 特徴は、パワーアンプ部に米IR社の高精度なPWMスイッチングデバイスを採用している事。最新のパワーMOS FETを採用することで、ノイズの少ない理想的なスイッチングを実現しているという。また、ドライバー段には高耐圧で時間軸制御に優れたドライバーICを採用。パワー段のMOS FETの特徴を最大限に引き出し、エネルギーの最も集中する中低域でも優れたダンピング特性を発揮。低能率のスピーカーでも躍動感あふれるダイナミックなサウンドで鳴らし切るという。

 このパワー段は、PWMスイッチングによって電源の利用効率が最大出力時96%という高能率を実現。その結果、同一電源容量の半導体アンプと比べた場合、約3倍の電源供給能力を持つ事に等しく、電源の質の良否が音質に反映する事にもなるため、シンプルでノイズ発生が少ないコンデンサーインプット型のブリッジ整流による±電源を採用している。

 整流器には、RSA-F1と同種の「ウルトラファースト・ソフトリカバリー・ダイオード」を採用。音質に悪影響を与えるダイオードの整流ノイズを最小限に抑えている。電源部のコンデンサには、異なる音質的な特長を有する3種類のオーディオ専用電解コンデンサーを並列で使用し、全帯域での音色のバランスを取っている。さらに、高耐圧の信号用コンデンサを並列に接続し、艶やかな中高域も実現したという。トランスは大容量のRコアトランスを採用している。

 最終段でPWMの搬送波を除去し、アナログ出力を取り出すのがローパスフィルタには、試聴によって選び抜いたという特殊なリングコアによるカスタムのトロイダルコイルを使用。コンデンサは、優れた物性を有する自然素材のものと、クリーンで音質的な色づけの少ないコンデンサを組み合わせて使っている。

 内部では電源トランス部、パワーアンプ部、ローパスフィルタ部にそれぞれ特殊な鋼板製のシールドケースを被せ、電磁的な相互干渉を遮断。アンプ内部のクリーンな電磁空間を確保している。

 「RSA-F1」で採用した筐体下部の木製アンダープレートとインシュレータは「RSA-V1」でも採用。アンダープレートには、響きの美しいカナダ産シトカスプルースのソリッド積層パネルと、しなやかな北海道産シナ材の合板を使用。アンプ匡体から発生する不要な振動を抑え、豊かな響きを生み出すという。

 インシュレータは堅い北海道産のイタヤカエデの無垢材をラウンド加工して採用。3点支持としている。なお、アンダープレートとインシュレータはオークヴィレッジ(岐阜県高山市)との共同開発。

 周波数特性は10Hz~30kHz±1dB(6Ω、1W)。高調波歪率は0.02%(1kHz、80%出力時)。入力はバランス×1、RCAアンバランス×3。スピーカーターミナルは1系統用意する。また、背面の切り替えスイッチで「パワーアンプモード」をONにすることで、増幅率(約20dBのゲイン)が固定され、前段で使用されるプリアンプやAVアンプのボリューム調整で音量コントロールが可能になる。

 また、リモコン接続用外部入力端子を備えており、ボリュームコントロール用リモコンが後日発売予定(価格未定)。消費電力は無信号時15W、最大出力時210W。外形寸法は440×414×120mm(幅×奥行き×高さ)。重量は14.5kg。


(2010年 11月 19日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]