ナナオ、IPS/LED採用で39,800円の23型ディスプレイ

-新超解像技術採用のFORISエントリー「FS2332」


FORISブランドのエントリーモデル「FS2332」

 ナナオは、エンターテイメントブランド「FORIS(フォリス)」のPC用ディスプレイエントリーモデルとして、23型フルHDでIPSパネルを採用した「FS2332」を7月15日に発売する。価格はオープンプライスで、直販サイトでの価格は39,800円。前面下部に取り付ける赤・青・グレーのカラーシートが付属し、好きな色を装着できる。

 「FORIS」ブランドのディスプレイだが、チューナは備えていないエントリーモデル。2010年11月に発売した「FS2331」の後継モデルで、独自の超解像技術を搭載したのが特徴。さらに、パネルがVAからIPSに変更され、バックライトはCCFLからLEDになった。また、価格が「FS2331」の直販44,800円から、「FS2332」は直販39,800円と、低価格になっている。


FS2332赤、青、グレーのカラーシートが付属する
 


■独自の超解像技術

 「Smart Resolution」と名付けられた超解像技術を搭載したのが特徴。超解像の手法として、入力信号をフレームごとに解析。原画像のエッジを単純に強調するのではなく、画像のノイズ成分とぼやけ量を推測。その上で、ノイズが強調されないよう配慮しながら、ぼやけ具合を適切に補正。超解像処理後の映像がざらつくのを防いでいる。

 さらに、奥行きのある画像の場合、前景と背景で解像感補正の強弱を調整。従来は前景と背景の両方に同じような超解像処理をほどこしていたが、新技術では背景のぼやけを活かしたまま、前景に処理を施し、フォーカス感のある映像が生み出せるという。

ノイズが強調されないよう配慮しながら、ぼやけ具合を適切に補正奥行きのある画像の場合、前景と背景で解像感補正の強弱を調整前モデルの「Power Resolution」と、新モデルの「Smart Resolution」を比較

 また、「肌補正」と「動画領域補正」、「文字補正」の3機能を用意。これを組み合わせて、PCを利用する様々なシーンで超解像処理を行なう。

 「肌補正」は、人間の肌色や顔を検出し、その部分では抑えた超解像処理を行なうもの。これにより、違和感を感じやすい人間の顔や肌に、必要以上の超解像処理がかかるのを防いでいる。

前モデルでは肌補正は入っていない。左側が前モデルの「Power Resolution」を適用したもの、右は適用前。目の周りや髪の毛などの輪郭強調が強すぎ、不自然な感じになっている新モデルでは「肌補正」により、肌色を検出し、人間の顔だと判断。処理が必要以上にかかることを防いでいる。左側が適用後、右が適用前。不自然さが無いのに注目

 「動画領域補正」は、PC用液晶ディスプレイとしては業界初というもの。画面全体から常に動きのある領域を検出。動画と判断し、その領域のみに超解像処理を施す機能。例えばWebブラウザでYouTubeなどの動画サイトを閲覧している場合、動画を表示している部分のみに処理をかけ、周囲の文字など、それ以外の部分は処理を行なわず、見やすさを保つという。映像だけでなく、例えばアニメーションGifや、Flashで作られたバナーなど、動くものであれば検出・適用される。なお、動きを検出して動画部分を判断しているため、判断には数秒必要なほか、動きの少ない動画では判断に時間がかかる事もある。

動画領域をディスプレイが判断。写真はデモモードで、判断した部分に紫色の枠がつくようにしている動画の表示サイズを変更しても、数秒で動画の新しい表示範囲を検出し、超解像処理を適用するWebブラウザ埋め込み動画でも効果を発揮

 「文字補正」は、文字部分を判別し、超解像処理を和らげるもの。輪郭荒れや文字色の変化を抑えるという。フォントだけでなく、紙の文字をデジカメで撮影した静止画などでも文字補正が機能する。

「文字補正」のデモ。文字を撮影した静止画でも検出・適用される前面下部に取り付ける赤・青・グレーのカラーシートが付属し、好きな色を装着できる


■その他の特徴

 パネルは23型、解像度1,920×1,080ドットのIPS。輝度は250cd/m2。コントラスト比は1,000:1(拡張有効時は1,500:1)。視野角は上下左右178度。応答速度は16ms(黒→白→黒)、6ms(中間調)。バックライトはLEDを採用しており、CCFLの従来モデルと比べ、最大消費電力を25%削減したという。また、調光範囲の広さを活かし、約3cd/m2まで輝度を落とす事ができる。

 ほかにも、画面の明るさを自動的に調整する「Auto EcoView」機能や、コンテンツに合わせて選べる表示モード、メリハリのある表示を行なう「Power Gamma」などの機能を用意。手軽にプリントとモニターの色合わせが行なえるというカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」にも対応する。

 入力はHDMI×2系統、DVI-D(HDCP対応)×1系統、アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1。500mW×2ch出力のスピーカーも備え、ステレオミニの音声入力と、ヘッドフォン出力も用意する。

 スタンドは上20度、下5度のチルトが可能。100×100mmピッチのVESAマウントにも対応する。最大消費電力は34W。標準消費電力は20W。待機時消費電力は0.17W以下。スタンドを含めた外形寸法と重量は、549×212×403mm(幅×奥行き×高さ)で、約6.2kg。入力切替、音量、画面サイズ、カラーモードなどが変更できるカード型リモコンが付属する。

背面の入力端子部カード型リモコンが付属する

(2011年 6月 30日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]