クアルコム、IDTから「HQV」などビデオ技術を買収

-Snapdragonに統合。スマホ/タブレットへ活用


 米Integrated Device Technology(IDT)とクアルコムは7日(米国時間)、IDTの「Hollywood Quality Video(HQV)」開発設計チームと、フレーム・レート・コンバージョン(FRC)ビデオ処理製品群、関連資産を、クアルコムへ移管するとした、買収の最終的合意に署名したと発表した。

 HQVは、2008年にSilicon OptixからIDTが買収し、新映像プロセッサ「HQV Vida」としてブランド展開した技術で、AVアンプなどでの採用例も多い。今回の買収は、IDTのHQV技術をクアルコムのモバイル機器向けプロセッサ「Snapdragon」に統合し、スマートフォンやタブレット端末のメディア処理能力や品質向上を図ることが狙いとなっている。

 また両社は、クアルコムのリファレンス・デザインにおいても、IDTのミックスド・シグナル製品の広範なポートフォリオを採用する機会について検討していく。

 IDTのテッド・テュークスベリー(Ted Tewksbury)社長兼CEOは、「この取引によって当社のコア技術であるタイミング、インタフェース、およびアナログ集約型ミックスド・シグナル・ソリューションへの注力を強化することができる。また当社の次世代スマート・メディア・デバイスのビジネスを拡張する機会を生み出すこともできる」と述べた。

 また、クアルコムのエグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)兼グループ・プレジデントのスティーブ・モレンコフ(Steve Mollenkopf)氏も、「HQVは当社に、ビデオ処理技術の領域におけるリーダーシップの地位を与えるものだ。SnapdragonプロセッサとHQV技術が結合することで、スマートフォンやタブレット端末、その他のスマート・メディア・デバイスにおけるメディア消費の品質水準を上げることになる」と、今回の買収の意義を説明している。

 クアルコムは、IDTのビデオ処理関連資産の買収を全額現金で行ない、すでに外部第三者機関の承認を得たとしている。買収は数週間以内に、特定の締結条件の成立をもってすべて完了する予定。


(2011年 9月 13日)

[AV Watch編集部 庄司亮一]