ソニー、アーマチュアイヤフォンに参入
-自社設計BA。1~4ユニット搭載のXBAシリーズ
下から時計回りに「XBA-1SL」、「XBA-2SL」、「XBA-3SL」、「XBA-4SL」 |
ソニーは、同社初となるバランスド・アーマチュアユニットを搭載したカナル型(耳栓型)イヤフォン4モデルを11月10日に発売する。ユニット数が1基の「XBA-1SL」が7,455円、2基搭載の「XBA-2SL」が18,375円、3基の「XBA-3SL」が24,675円、4基の「XBA-4SL」が30,975円。
複数基のユニットを搭載したモデルは、フルレンジユニットとウーファやツイータ用ユニットを組み合わせた構成になっている。詳しいユニットの仕様は下表の通り。
なお、同社は「MDR-EX1000」や「EX600」など、ダイナミック型ユニットを採用したカナルも多数ラインナップしているが、これらも継続して販売。バランスド・アーマチュアの製品ラインが追加される形になる。
また、これら4モデルに、iPhone/iPod/iPadに対応したマイク付きリモコンを追加したモデルも同日に発売する。型番末尾の2文字が「IP」になり、若干高価になる。価格は下表の通り。
モデル名 | ユニット仕様 | 周波数特性 インピーダンス 感度 | マイク付き リモコン | 価格 |
XBA-1SL | フルレンジ×1 | 3Hz~25kHz 24Ω 108dB/150mV | - | 7,455円 |
XBA-1IP | ○ | 8,715円 | ||
XBA-2SL | フルレンジ×1 ウーファ×1 | 4Hz~25kHz 12Ω 108dB/150mV | - | 18,375円 |
XBA-2IP | ○ | 19,635円 | ||
XBA-3SL | フルレンジ×1 ウーファ×1 ツイータ×1 | 4Hz~28kHz 12Ω 108dB/150mV | - | 24,675円 |
XBA-3IP | ○ | 25,935円 | ||
XBA-4SL | フルレンジ×1 ウーファ×1 スーパーウーファ×1 ツイータ×1 | 3Hz~28kHz 8Ω 108dB/150mV | - | 30,975円 |
XBA-4IP | ○ | 32,235円 |
ユニット数が1基の「XBA-1SL」 | 2基搭載の「XBA-2SL」 | 3基の「XBA-3SL」 |
4基の「XBA-4SL」 |
IPモデルはiPhone/iPod/iPad用のマイク付きリモコンがケーブル途中に配置される |
全モデルに共通するのはバランスド・アーマチュア(BA)・ユニットを採用した事。最大の特徴として、BAユニットを他社から購入するのではなく、自社で設計し、量産したものを採用している。従来のBAユニットには、パイプ状のエアーダクトを備えているが、ソニーでは独自のフラット形状のエアーダクト構造を採用したユニットを開発。これにより、「広帯域に伸びのある音楽再生を可能にした」としている。
音の傾向についてソニーは、フルレンジの「XBA-1」を「クリアで澄んだ伸びのあるボーカルを表現する」と説明。ウーファを追加した「XBA-2」は、「XBA-1」の音に「迫力の重低音の追加」、ツイータも追加した「XBA-3」は「さらに、鮮やかできめ細かい高域を追加」、ウーファとスーパーウーファを追加した「XBA-4」は、「深みのある低域から鮮やかできめ細かい高域まで、全帯域にわたって豊かな音表現を実現した」と説明している。
XBA-1SL | XBA-2SL |
XBA-1SLの内部。赤く色がついている部分がBAユニット | XBA-2SLの内部。フルレンジ+ウーファ |
XBA-3SL | XBA-4SL |
XBA-3SLの内部。フルレンジとウーファ、ツイータ | XBA-4SLの内部。フルレンジとウーファ、スーパーウーファ、ツイータ |
ハウジングには異なる素材を内外に使用する事で、振動を抑える技術を採用。シングルユニットのXBA-1SL/IPでは、ユニットを固定する内部パーツに液晶ポリマーフィルムを使用。その他の上位モデルではマグネシウム合金を使用。この内部パーツと、外側にある制振ABS材を使ったパーツを組み合わせた「ダブルレイヤードハウジング構造」となっている。
XBA-1SLの構成パーツ | XBA-4SLの内部パーツと、そこに固定されたBAユニット | XBA-4SLの構成パーツ |
最大4基のユニットを搭載したモデルもあるが、自社開発のBAユニットをコンパクトに仕上げる事で、イヤフォンそのものの大型化を抑えている。また、ハウジングに空気を取り入れる穴が小さくて済むBAユニットの特徴を活かし、音漏れも抑えたという。
付属のイヤーピースは、音道の形状を維持する固いシリコンと、耳穴に触れる側の柔らかいシリコンを組み合わせたハイブリッドイヤーピースと、同様の機構を採用しつつ、傘のようになったピースの内側に低反発ウレタンを充填し、耳穴との隙間を最小化する「ノイズアイソレーションイヤーピース」の2種類を同梱。キャリングケース、もしくはポーチが付属する。
型番末尾がSLのモデルはケーブルの長さは60cmで、全モデル90cmの延長ケーブルが付属。ネックチェーンタイプとなる。IPモデルは1.2mのケーブルで、Y型。いずれも入力はステレオミニ。重量は、「XBA-1」が約3g、「XBA-2」が約6g、「XBA-3」が約7g、「XBA-4」が約8g。
(2011年 9月 20日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]