「秋のヘッドホン祭 2011」。ゼンハイザー/TEACなど

-ゼンハイザー新のカナル「IE80」、USBアンプも


会場は外苑前駅近くの「スタジアムプレイス青山」

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドホン祭 2011」が10月29日に開催された。会場は外苑前駅近くの「スタジアムプレイス青山」。入場は無料。

 各社がイヤフォンやヘッドフォン関連の新製品や未発表製品の参考展示を行なうイベント。ユーザーが持参した音源&プレーヤーを用いてヘッドフォンを試聴したり、持参したヘッドフォンでアンプやDACの音質を確かめる事が可能なイベントになっているのが特徴。

 ここでは、各社の参考展示を中心にレポートする。



■ゼンハイザー

 ゼンハイザーのブースでは、人気のイヤフォン「IE8」と「IE6」の後継となる2つのカナル型(耳栓型)イヤフォンが参考展示された。型番はそれぞれ「IE80」、「IE60」となっており、ダイナミック型ユニットを採用している。

 従来モデルからハウジングの素材やデザインが変更されており、IE80はケーブルの着脱機構も採用。低音の量を調節するダイヤルも備えている。2機種の詳細な仕様や発売時期、価格などは未定。

IE80
IE60
HD400シリーズなど、新製品のヘッドフォンを展示

 他にも、年内発売予定の新製品として、HD400系の「HD 449」、「HD 439」、「HD 429」、「HD 419」と、コンパクトなHD 200系の「HD 239」、「HD 229」、「HD 219」などを展示していた。


 



■ティアック

 ティアックブースでは、11月上旬に発売される、USB DACを搭載したプリメインアンプ「A-H01」(オープンプライス/実売45,000円前後)が注目を集めている。DACはBurrBrownの「PCM5102」を搭載し、32bit/192kHzまでのデジタル信号をDA変換可能。アシンクロナスモードにも対応する。パワーアンプ部には、Bang & Olufsen ICEpower製の「50ASX2-SE」を採用。薄型筐体ながら、クラスDの40W×2ch(4Ω)アンプとなっている。

 また、このアンプと組み合わせるiPhone/iPod/iPad対応のドッキングステーション「DS-H01」も12月上旬に発売予定(オープン/実売3万円前後)。さらに、同軸2ウェイのスピーカー「S-300NEO」(オープン/実売4万円前後)も、組み合わせとして11月上旬に発売される。

下段がUSB DACを搭載したプリメインアンプ「A-H01」、その上がiPhone/iPod/iPad対応のドッキングステーション「DS-H01」。左右のスピーカーが「S-300NEO」独beyerdynamicの密閉型ヘッドフォン「T 70」

 さらに、10月上旬に発売が開始されたばかりの、独beyerdynamicの密閉型ヘッドフォン「T 70」(インピーダンス250Ωのホームユースモデル)と、「T 70 p」(32Ωのモバイル用)も出展された。どちらも価格はオープンで、実売各45,000円前後。

 ハイエンドモデル「T 1」などでも採用している、独自技術テスラテクノロジーを使った密閉型ヘッドフォンで、1テスラ(=10,000ガウス)を超える強力な磁束密度を実現している。

 



■ラックスマン

 ラックスマンブースの注目は、10月から発売される24bit/96kHz対応のUSB DAC「DA-100」(71,400円)。24bit/96kHzのUSB入力や、24bit/192kHzの光/同軸デジタル入力に対応したDACで、ヘッドフォンアンプやDDコンバータとしても利用できる。「A5サイズ」というコンパクトさも特徴。FIR/IIRの2つの音質を切替えて楽しめるデジタルフィルタ機能を装備。DACチップには、32bit処理のTI/バーブラウン「PCM5102」を搭載する。

 さらに、12月発売予定の薄型ステレオパワーアンプ「M-200」(134,400円)も、既発売の24bit/96kHz対応USB DAC「DA-200」と組み合わせて展示。出力は25W×2ch(8Ω)、35W×2ch(4Ω)。BTL接続によりモノラルパワーアンプとしても動作し、モノラル時の出力は70W(8Ω)。「B4書籍サイズ」というコンパクトな筐体で、PCオーディオをターゲットとしたパワーアンプだ。

下段が12月発売予定の薄型ステレオパワーアンプ「M-200」24bit/96kHz対応のUSB DAC「DA-100」

 



■小柳出電気商会

 小柳出電気商会は、中国FiiOの新製品を一気に展示。「E10」は小型のUSB DAC/ヘッドフォンアンプで、11月下旬発売。価格はオープンで、実売は11,500円前後。外形寸法49×79×21mm(幅×奥行×厚み)、重量82gと小型・軽量で、USBバスパワーで動作する。

 「D3」は、デジタル入力信号をアナログ2chに変換するDAコンバータで11月下旬発売。実売は4,500円前後。同軸、光デジタル入力を装備し、最高24bit/192kHz(同軸のみ)の入力に対応。

 「D5」はUSB DAC/DDCやヘッドフォンアンプとして利用可能なUSBオーディオインターフェイス。2系統のマイク入力(ミニジャック)も装備する。こちらも実売は4,500円前後。

 また、Ultimate Earsのイヤフォン用の交換ケーブルも11月下旬に発売される。価格は未定。対応イヤフォンはTriple Fi10、5pro、5EB。さらにM-Audioの「IE40」にも使用できる。

DAコンバータ「D3」右がデジタル入力信号をアナログ2chに変換するDAコンバータ「D3」、左がUSB DAC/DDCやヘッドフォンアンプとして利用可能なUSBオーディオインターフェイス「D5」Ultimate Earsのイヤフォン用の交換ケーブル
「ZEPHONE」というブランドの交換用ケーブルも参考展示

 会場にはさらに、「ZEPHONE」というブランドの交換用ケーブルも参考展示。SHUREのSE535/425/315、ゼンハイザーのIE8、WestoneのUM3Xに対応できるケーブルがラインナップされており、近日中に取り扱いを開始する予定だという。


 



■シンタックスジャパン

 シンタックスジャパンのブースでは、独RME製の24bit/192kHz対応USBオーディオ「Babyface」の新カラーとして、数量限定というホワイトモデルを参考展示。価格は未定だが、従来カラーとほぼ同じか、若干高価になる予定だという。クリスマスに向けての限定カラーで、本体とカラーを合わせたキャリングケースと出力ケーブルも付属する。

24bit/192kHz対応USBオーディオ「Babyface」の限定ホワイトカラーキャリングケースやケーブルもホワイト

 



■ディーアンドエムホールディングス

 ディーアンドエムホールディングスのブースでは、英B&W(Bowers & Wilkins)のカナル型イヤフォン「C5」が注目を集めている。Apple Storeで先行販売され、10月に通常店舗での販売が開始されたばかり。価格はオープンで、実売は2万円前後。

 9mm径のダイナミック型ユニットを採用。ハウジングの外側にマイクロ多孔質フィルタを備えているのが特徴で、「拡散器のような働きをして、本来の自然な音を出すことができると同時に、これまでのインイヤータイプ・ヘッドフォンで得られた以上の広がりあるサウンドを実現した」という。

 装着方法も独特で、独自の「セキュア・ループ・デザイン」を採用。ループ型のクッションを筐体に備えており、このクッションが耳の内側の隆起にはまるようになっている。ループは調整可能だ。

B&Wのカナル型イヤフォン「C5」ハウジングの外側にマイクロ多孔質フィルタを備えている装着方法。ループ型クッションの輪を大きくして、耳の内側で固定する

 会場で試聴した印象は、低域が豊富な迫力あるサウンドデザインだが、マイクロ多孔質フィルタの効果によるものか、広域の抜けが非常によく、閉塞感の少ない開放的な印象も併せ持つ面白い音が体感できた。

 



■zionote

 zionoteのブースでは、取り扱いを予定しているACOUSTICLABSのヘッドフォンやイヤフォン、ヘッドフォンアンプを参考展示。いずれも発売日は未定。

 イヤフォンは金色と銀色のモデルを展示。なんと、どちらもメッキではなく、純金・純銀製だという。価格は金モデルが8万円程度、銀モデルが3万円程度。ユニットなどは共通だが、金と銀で筐体の素材が違う事で、再生音にも違いがあるという。さらに、真鍮と金の合金モデルも展示されていた。

ACOUSTICLABSの純金、純銀製イヤフォン

 同ブランドのヘッドフォンも個性的。ハウジング部分に使う木や、ヘッドバンド部分の形状などをユーザーが選択できるというカスタマイズヘッドフォンになっており、価格は5~6万円程度を予定。「有名ヘッドフォンメーカーのような形状のバンド部分にして欲しい」というような注文もできるとのこと。

ACOUSTICLABSのカスタムオーダーヘッドフォン。ハウジングの木材やヘッドアーム形状などを選択できる

 ヘッドフォンアンプはアナログ入力のみに対応した、シンプルかつコンパクトなポータブルタイプ。高音質なコンデンサを採用し、価格は2.5万円~3万円程度を想定。会場ではアンプのケースを木製にしたものも参考展示していた。

 SOtMからは、年内発売予定というDAC「dAC-200HD」が参考展示。20万円前後を予定している製品で、「SOtMの技術の粋を結集した」というハイエンドモデルとなる。

 7つのデジタル入力をフルバランス処理でD/A変換するDACで、PCとUSB接続してUSBオーディオとしても動作する。24bit/192kHzまで対応し、低ノイズレギュレーターを10個搭載する。

ACOUSTICLABSのヘッドフォンアンプ。右が開発初期のもので、左に行くにつれてバージョンアップしているというSOtMから、年内発売予定のDAC「dAC-200HD」

 ほかにも、2つのダイナミック型ユニットを同軸配置した、SONOCORE製のカナル型イヤフォン「COA-803」を紹介するとともに、イベント用に作られたという、同イヤフォンを、kleer技術を使ったDigiFiのワイヤレスオーディオ「Opera S5+」に取り付けたモデルも展示された。

2つのダイナミック型ユニットを同軸配置した、SONOCORE製のカナル型イヤフォン「COA-803」「Opera S5+」に取り付けたモデルもイベント用に登場

(2011年 10月 31日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]