エソテリック、USB接続対応の32bit DAC「D-07X」

-AKMの「AK4392」を2基搭載。SACDにも対応


単体DAC「D-07X」

 エソテリックは、USB接続にも対応した単体DAC「D-07X」を2月下旬に発売する。価格は315,000円。

 Kシリーズの設計思想を踏襲したという単体DACで、旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4392」を、チャンネルごとに2回路搭載したパラレル(並列)/ディファレンシャル(差動)出力を採用。高リニアリティーと低ノイズを実現したという。DAコンバータ部とアナログ出力回路部は、完全デュアル・モノ構成としており、チャンネル・セパレーションを向上させている。

 入力端子として、USB、XLR、光デジタルを各1系統、同軸デジタルを2系統装備。いずれも24bit/192kHzまで対応する。また、XLR(AES/EBU)入力は、同社の「P-05」と接続することでSACDのDSD伝送にも対応する。

正面から見たところ背面。USB入力にも対応する

 USB接続では、独自のドライバを使い、アシンクロナス伝送と24bit/192kHzに対応。PCなどからの外部ノイズ混入を防ぐUSBアイソレータも装備している。

 PCM信号処理用に4種類のデジタルフィルタも搭載。推奨はOFFのモードだが、FIR型デジタルフィルタ2種類と、プリエコーのない自然な音の立ち上がりが特長というショートディレイ型デジタルフィルタも2種類搭載しており、音の違いが楽しめる。

 クロック回路には、高精度VCXO(電圧制御型水晶発振器)を採用。専用の安定化電源回路も用いて、純度のマスタークロックをDACデバイスに供給できるという。さらに、VCXOで生成する高精度クロックをトランスポートに出力して同期させるクロック出力モードと、外部マスタークロックジェネレータと同期するクロック入力モードも用意。44.1/48kHz系列と、10MHzクロック入力に対応するほか、同社「ダイレクトマスタークロックLINK」対応トランスポートとの接続用に、22.5792MHzの出力/入力にも対応。PCとのアシンクロナスUSB接続時にも外部クロックとの同期再生が可能になっている。

 クロックシンク機能を持たないトランスポートとの接続用には、特性の異なる2種類のPLL回路(PLL1/PLL2)を搭載。内部のVCXOを活かした高精度リクロック処理により、幅広い帯域のジッタを効果的に低減できるという。

 出力端子はXLR、RCA、ヘッドフォン出力を各1系統装備。最終段のアナログオーディオ出力のバッファーアンプには、新日本無線のオペアンプ「MUSES」を採用。XLR出力は完全バランス構成。RCA出力選択時にはバッファーアンプをパラレル構成に切り替える「パラレルバッファー出力構成」として動作させる。

 電源部には大型のRコアトランスを採用。音質に影響のある磁束漏洩を最小としているほか、平滑回路にはコンデンサを複数組み合わせ、高速なショットキー・バリア・ダイオードを使用している。

 外形寸法は445×356×106.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は10.4kg。


(2012年 1月 26日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]