キヤノン、天体撮影専用のデジタル一眼レフ「EOS 60Da」

-赤みの強い星雲を高精細に撮影。フルHD動画対応


EOS 60Da

 キヤノンは、天体撮影専用のデジタル一眼レフカメラ「EOS 60Da」を4月中旬より受注販売する。価格はオープンプライスで、ボディ単体の直販価格は15万4,800円。

 2010年9月に発売した「EOS 60D」(直販12万8,000円)をベースに、天体撮影に最適な光学特性を持たせたモデル。CMOSセンサー前面に配したローパスフィルタの特性を60Dから変更したことで、Hα輝線(星雲などが放つ光の波長の一つ)の透過率を約3倍に向上。一般的なデジタルカメラでは撮影が難しいとされる、バラ星雲や馬頭星雲など赤みの強い星雲を、特殊なフィルタを使用せず高精細に撮影できるとしている。

 なお、天体以外の一般的な被写体の撮影は推奨していない。同社は「一般の被写体を撮影した場合、実際より赤みの強い撮影画像になったり、適切なカラーバランスを得られないことがある」としている。

 上記以外の基本仕様は60Dを継承。撮像素子はAPS-Cサイズ相当(22.3×14.9mm)の有効1,800万画素CMOSセンサーで、EFマウントを採用。フルHDのAVC動画撮影機能「EOSムービー」を備えている。映像エンジンはDIGIC 4を搭載。常用ISO感度は最高6400で、天体撮影時の暗さや長時間露光に配慮したという。

 動画記録のフォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(MOV)で、音声はリニアPCM。コンテナはMOV。記録モードはFull HD(1,920×1,080ドット、30p/25p/24p)とHD(1,280×720ドット、60p/50p)、SD(640×480ドット、60p/50p)のほか、センサー中央部の640×480ドットの領域で動画記録し、約7倍の望遠撮影に対応する「動画クロップ」機能(60p/50p)にも対応している。

EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS装着時

 カメラ内での動画カット(約1秒単位)も可能。また、屋外で撮影する際に、風の「ボコボコ」という音の影響を低減できるという「ウィンドカット」機能も搭載する。音声は内蔵のモノラルマイクおよび外部ステレオマイク端子から録音可能。録音レベルも調整できる。

 記録媒体はSD/SDHC/SDXCカード。液晶モニタは3型/約104万画素でバリアングルの「クリアビュー液晶」。アスペクト比は撮影画像と同じ3:2。

 インターフェイスはAV出力やHDMIミニ(CEC対応)、リモコン端子などを備えている。付属バッテリ「LP-E6」使用時の動画撮影可能時間は約2時間。静止画はファインダー撮影で約1,100枚。外形寸法と重量も60Dと同じで、144.5×78.6×105.8mm(幅×奥行き×高さ)で、約675g(本体のみ)。



(2012年 4月 3日)

[AV Watch編集部 中林暁]