ソニー、レンズ交換式ハンディカム「NEX-VG30」
-ズームレバーで操作性向上。XLRマイクにも対応
電動ズーム付きのレンズ「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200)をセットにした「NEX-VG30H」 |
ソニーは、レンズ交換式ビデオカメラの新機種「NEX-VG30」を12月14日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は18万円前後。Eマウントを採用しており、電動ズーム付きのレンズ「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200)をセットにした「NEX-VG30H」は27万円前後。
既発売のカメラ「VG20」に、ズームレバーやマルチインターフェースシューなどを追加。操作性、拡張性を高めた後継モデル。同じレンズ交換式ビデオカメラとして、フルサイズの撮像素子を搭載した「VG900」も同日発表されているが、VG30は、従来のVG20と同じ、APS-Cサイズの1,610万画素のExmor APS HD CMOSを採用している。画像処理エンジンはBIONZ。
VG30Hに付属する電動ズームレンズ「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200) | 「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200)を取り付けたところ | シーソー式のズームレバーを搭載している |
マイク部分。5.1ch収録が可能 | センサーはAPS-Cサイズとなる | 新たにマルチインターフェースシューを装備 |
Eマウントのレンズが取り付け可能。最大の特徴は、カメラ本体にシーソー式のズームレバーを搭載した事。電動ズーム対応のEマウントレンズを装着した時に、このズームレバーを使い、一定速の滑らかなズーム操作が行なえる。
VG30Hに同梱するレンズ「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200)は、11倍の電動ズーム対応モデルで、焦点距離は35mm換算で32.4~360mm(動画時)。F値は3.5~6.3。手ぶれ補正のOSSも備え、動画撮影時のアクティブモード手ブレ補正が可能。
Eマウントのレンズが取り付け可能。撮像素子はAPS-Cサイズ | VG30Hに同梱するレンズ「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200) | 横から見たところ |
「E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SELP18200)は、レンズ側にもズームレバーを備えている |
このズームレンズを、カメラ本体のズームレバーから操作可能。なお、民生向けのEマウント電動ズームレンズは「SELP18200」のみだが、レンズ単体での発売予定は現在のところ無い。
また、このレンズ自体もズームレバーを備えており、VG30以外のEマウントボディに装着した場合でも、電動ズームが利用できる。従来ボディのVG10/VG20でも利用できる。なお、ズームスピードは6段階設定(ズームレバー押し込み2段階×3速設定)が可能。
さらに、同日発表の「VG900」と同様に、2倍の電子ズーム機能を備え、電動ズームレンズではないレンズでも、電動ズームのような表現が可能。その際、手動ズームでは困難な、一定速のスーパースローズーム機能が利用できる。これは、時間をかけてゆっくり電子ズームしていく機能で、速度は32段階で設定可能。広角からスタートし、電子ズームの2倍まで、最大30秒をかけて到達するズーム表現となる。
シーソー式ズームレバーの役割 | |
電動ズームレンズ装着時 | 滑らかな電動ズーム操作 |
非電動ズームレンズ装着時 | 2倍電子ズームの スーパースローズーム表現 (32段階設定可能) |
撮影解像度はフルHDの1,920×1,080ドット、録画形式はAVCHD。1,920×1,080/1,440×1,080ドットの60iに加え、60pと24pでの撮影にも対応。ビットレートはPSモードが28Mbps、FXモードが24Mbps、FHモードが17Mbps、HQモードが9Mbps、LPモードが5Mbps。シネマトーンガンマ機能にも対応し、なめらかな動画表現が可能。
MPEG-2/720×480ドットでの撮影も可能で、撮影モードはHQ(約9Mbps)のみ。また、1,600万画素の静止画撮影にも対応。RAW形式での撮影にも対応する。
マイク部には4つの無指向性マイクカプセルを搭載。ドルビーデジタル2ch、もしくはドルビーデジタル5.1chでの収録が可能。31段階の音声レベルコントロールも備えている。
ビューファインダーを搭載しており、新たに235.9万画素の有機ELファインダーを採用。液晶ディスプレイは3型で、92万画素のエクストラファイン液晶を備えている。
シネマトーン ガンマ/カラーに対応。新たに、ピクチャーエフェクトもサポート。様々なエフェクト効果をかけた撮影が可能になる。さらに、2軸のホワイトバランス設定も新たに採用している。
ハンドル部分に、新たにマルチインターフェースシューを装備。一般的なISOシューをベースに設計し、形状を踏襲しているものだが、独自のマルチ端子も追加。より高機能なアクセサリも利用できるようにしているもの。XLRアダプタキット「XLR-K1M」を取り付ける事で、キャノンコネクタが追加でき、XLRマイクなどが利用できるようになる。ファントム電源供給(48V)も可能。
HDMI出力も装備。バッテリは「NP-FV70」が付属する。外形寸法は91×223×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約650g。付属バッテリ使用時の連続撮影時間は約3時間5分。
(2012年 9月 12日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]