ソニーとオリンパス、医療/カメラ分野で資本業務提携
医療事業で合弁。ソニーが筆頭株主に
オリンパスとソニーは28日、業務提携契約とソニーを割当先とするオリンパス株式の第三者割当増資に関する資本提携契約を締結した。これにより、医療事業で両社が協力していくほか、両社が手がけるカメラ事業においても、主にコンパクトデジタルカメラ領域において、基幹部品の取引やその他協業について協議、検討していくという。
カメラ分野については、オリンパスのカメラ用レンズ、鏡枠などのソニー向け供給やソニーのイメージセンサーのオリンパス向け供給など、主にコンパクトデジタルカメラ領域で協力。それぞれの競争力強化を目的とした、取引や協業について、今後検討を進める予定。
今回の資本事業提携の主目的である医療分野においては、オリンパスのレンズ、光学技術などの医療機器製造/開発技術、ブランド力、グローバルな販売/マーケティング力と、ソニーのイメージングセンサーなどのデジタルイメージング技術、3Dや4Kなどの映像技術を組み合わせ、外科用内視鏡などの医療機器分野における両社の存在価値を高めるための新たな製品や事業を創出。外科領域における事業強化を目指すとする。
オリンパスが医療分野で培ってきたノウハウや医療製品と、ソニーのAVソリューションを融合させ、手術室などへ向けた付加価値の高いソリューションを提供。総合提案型のシステムインテグレーション事業を展開するという。
両社で医療事業に関する合弁会社を12月末までに設立。社名は未定だが、出資比率はソニー51%、オリンパスが49%で資本金は5,000万円。取締役はソニーが4名、オリンパスが3名。4K以上の解像度技術、3Dなどを有する新外科用内視鏡や関連システムの開発、製造、販売などを手がけるほか、手術室などへの医療機器、映像機器の統合ソリューション事業などを行なう予定。両社は、2020年までに外科医療機器市場は7,500億円規模超となると見込んでおり、このうち外科用内視鏡機器や関連事業の市場は3,300億円と予想。新会社ではこの市場でマーケットシェア20%超を目指す。
また、ソニーを割当先としてオリンパス普通株式の第三者割当増資を実施。3,438万7,900株を発行し、発行価額は1,454円。ソニーは約500億円を出資し、オリンパスの筆頭株主になる。ソニーが所有するオリンパス発行済株式に対する割合は11.28%(議決権割合11.46%)。
(2012年 9月 28日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]