ニュース

ソニー Life Space UXの小型超単焦点プロジェクタを国内初披露。11月3日まで

 ソニーは、六本木のインテリアショップ「リビング・モティーフ」において、来春発売予定の「Life Space UX」新モデル、「ポータブル超短焦点プロジェクタ」と「シンフォニックライトスピーカー」を国内初公開し、先行体験できるイベントを10月2日~11月3日まで開催する。店舗内スペースを使ったイベントで、入場料は不要。

「Life Story - 日常を豊かに変えるLife Space UXのある生活」

 イベント名は「Life Story - 日常を豊かに変えるLife Space UXのある生活」。場所は東京・港区六本木5-17-1のAXISビル1Fで、開催時間はリビング・モティーフの営業時間(11:00~19:00、定休日なし)に準じる。最寄りは地下鉄六本木駅、六本木1丁目駅、麻布十番駅で、いずれも徒歩8分。

リビング・モティーフが入っている六本木・AXISビル
店舗入口はビルの奥にある
ダイニング風のテーブル上にシンフォニックライトスピーカーを用意

 会場では、「2015 International CES」や「IFA 2015」で先行して披露され、注目を集めた「ポータブル超短焦点プロジェクタ」と、スタンド照明型のBluetoothスピーカー「シンフォニックライトスピーカー」を含む、4つのLife Space UX製品群を展示。リビング・モティーフのコンセプト「デザインのある生活」に合わせ、実際にそこで暮らしているような環境の中に、映像や音楽が自然に溶け込んでいる様子を体感できる。

 なお、国内初展示の2モデルは試作機で、発売地域や時期、価格、仕様等は未定。

机の上や寝室の壁際にポータブル超単焦点プロジェクタを設置して映像を投写

壁際まで近づけて置ける小型超単焦点プロジェクタ。バッテリ内蔵でポータブル活用も

 CDケースを10枚ほど重ねた程度の小型サイズながら、コントラストの高い映像を投写できるプロジェクタ。壁際ぎりぎりに近づけて置けるのが特徴で、スタンドと組み合わせたり机の上に置くなどして、視界に入りやすい壁などをスクリーンがわりにできる。本体のみで使用でき、電源はコンセントからアダプタを用いて供給するほか、内蔵バッテリでも駆動する。

壁に近づけて投写できる

 会場では風景の映像や、人々が余暇を楽しむ様子、アーティスティックなものまでさまざまな映像が、生活空間を彩るインテリア的な存在として投写されていた。

ポータブル超単焦点プロジェクタの外観。型番や製品名は公表されなかった
上面に投写レンズを備える
本体の向きを変えて足元に映すことも可能
子ども用ダンボールハウスの中でアニメ上映。リビング・モティーフ側の提案で設置されたという

ガラス管を利用して360度音を楽しめるシンフォニックライトスピーカー

シンフォニックライトスピーカー

 LEDが収められた円筒形のガラス管を振動させ、360度方向に音を広げるスピーカー。ワインボトルよりやや細めの筐体の中にユニット1基を備え、Bluetoothによるワイヤレス再生が可能。展示されている試作機は、本体下部に音声入力端子も備えていた。こちらもバッテリを内蔵し、持ち運んで場所を選ばず利用できる。実際に聴いてみると、目の前にある1本のガラス管から拡がっているとは思えないほどくっきりとした音を楽しめた。

円筒形のガラス管を振動させ、360度方向に音を広げる
ガラス管内のLED照明部
本体下部にポートを設けている。写真では見えないが、上部分の裏にユニットが入っている
音声入力端子と電源ボタンを装備

 そのほか、「Life Space UX」シリーズの中核製品として発売中の、ローボード型の4K対応超短焦点SXRDレーザー光源プロジェクタ「LSPX-W1S」や、LED電球一体型スピーカー「LSPX-100E26J」も、居住空間に合わせた利用例として展示されている。

会場奥の壁際にローボード型4Kプロジェクタを設置。空間が自在に変化していく映像を流していた
ローボード型4Kプロジェクタの利用イメージ
ダイニング上のペンダントライト
LED電球一体型スピーカー「LSPX-100E26J」
スタンドにぶら下げて子どもの目線に合わせた設置例
このスタンドの中にもLED電球一体型スピーカーが入っている

家電の“場の制約”を解放するLife Space UX。実際の居住空間に近い形で体感

ソニー TS事業準備室 室長の斉藤博氏

 今回のイベントは、生活空間そのものを使った映像/音楽の楽しみ方を提案する、ソニーの「Life Space UX」を、より実際の居住空間に近い形で一般の来場者に体感してもらうというもの。

 ソニー TS事業準備室 室長の斉藤博氏は「自分の家は自分がもっとも開放される場所」と語り、「Life Space UX」について「家電メーカー的な発想に基づいて、作られた商品を(従来のように)室内に足し算していくのではなく、空間そのものを使うという発想へと考え方を転換するもの」と説明。

 例えば、テレビを見るときはテレビの前、音楽を聴くときはスピーカーの前、といったように、従来の映像や音楽の楽しみ方には場所の制約ができてしまうことを指摘。Life Space UXの製品群は設置場所を選ばず自由に使えることから、空間そのものを使うことで場の制約から開放され、室内のデザインもより「理想的な佇まい」になると述べた。

 国内初展示となる小型超単焦点プロジェクタとシンフォニックライトスピーカーについては「今年のCESやIFA会場でも大きな注目を集めた。実際にそこに住んでいるような空間の中で、複数の製品群を体験してもらうと来場者の反応が良かった。個々の製品の特徴や趣向を理解してもらう上でとても効果的だった」(斉藤氏)。

 発売される地域や価格は未定だが、「自分の家でもこんな体験ができると想起してもらえる場で売りたい。家電量販店でもそういった見せ方ができれば協力していきたい」とし、価格についても「製品のバリューに対してのプライスを考えている」とコメントした。

 「Life Space UX」の製品群をソニービルやギャラリーなどではなく、インテリアショップで展示することについては「製品群で提案すると反応が良く理解されていると感じたことをふまえ、開催場所やその空間に至るまでのコンテクスト(その場の雰囲気)も大事にした。一般来場者の反応から学びながら、Life Space UXの認知の場も広げたい」とした。

「Life Space UX」の製品群
アクシスが刊行するデザイン誌「AXIS」を手に語る宮崎光弘氏

 インテリアショップ「リビング・モティーフ」を運営するアクシスの取締役、宮崎光弘氏は、多摩美術大学で客員教授として教鞭もとっており、「ソニーのLED電球一体型スピーカーを使った、多摩美術大学との産学連携イベントの実施が縁となって、今回のイベントを共催することになった」と説明。

 宮崎氏は「テクノロジーとリビングスペースの融合を提案できることにワクワクしている。10月8日からはソニーが企画した、クリエイターや茶道の専門家などのゲストを招いてさまざまなイベントも順次開催する。体験スペースは昼と夜で見え方が変わるので、時間を変えて来場していただきたい」と話した。

リビング・モティーフの店内の様子
地下鉄六本木駅側から見たAXISビル

 今回のイベント以外にも、ソニーではLife Space UXのコンセプトを軸とした「Life Space UX ユーザーイノベーションシリーズ」を一般向けに開催。第1弾として、LED一体型電球を使った、居住空間における新たな体験を創出するアイデアソンを10月17日に実施する

 また、11月中旬には東京・千代田区の廃校を利用したスペース「アーツ千代田3331」に、Life Space UXのラボを常設設置。建築家やクリエイターを迎え、製品の楽しみ方の提案や共創を行なえる場にするという。

(庄司亮一)