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ケーブルが裂けたヘッドフォンをe☆イヤホンでカスタマイズ!! 着脱式化で自由度向上
2026年1月22日 08:00
こちらの写真を見てほしい。これは私が愛用しているヘッドフォン、オーディオテクニカ「ATH-AD900X」。夜寝付けないときにこのヘッドフォンでASMRコンテンツを聴きながら横になることで、寝返りを犠牲にしつつなんとか眠ることができる、という生活を続けていたのだが、根元からケーブルの被膜が裂けた。
最初は少し裂けただけだったので、応急処置として養生テープで補強して、ケーブルのねじれに気をつけながら引き続き使用していたのだが、裂け目は徐々に大きくなり、中のケーブルがむき出しに。そして、初めに裂けた部分の少し下の辺りにまた新たな裂け目が発生。いよいよ見過ごせない状況に。
そんなときに頭をよぎったのが、e☆イヤホンの修理サービスである「e☆イヤホンクリニック」。実店舗に持ち込むだけで、故障の度合いや修理にかかる費用などを考慮しながら、メーカー修理か、e☆イヤホンのサービスでの修理かの判断からしてもらうことができる。
しかし、今回頭をよぎったのは“修理”ではなく、e☆イヤホンクリニックのカスタマイズサービスの方。ただ修理するだけでなく、ケーブルが固定されているヘッドフォンをリケーブル対応にカスタマイズしたり、オリジナルのケーブルを作ってもらったり、といったことができるサービスだ。
実は、以前e☆イヤホンクリニックを取材した際に、実際にカスタマイズを依頼している人がいたので、気になっていた。
ということで、早速e☆イヤホン 秋葉原店へ。6階のe☆イヤフォンクリニックで、前回修理サービスについて話を聞かせてもらった伊藤さんに今回も対応してもらった。
秋葉原店のe☆イヤフォンクリニックは、基本的に予約せずに行けばそのまま対応してもらえるが、混雑状況によっては、整理券をもらって指定の時間に再度訪ねるという形にもなるそうだ。時間に余裕を持って、待ち時間は別のフロアを眺めたり、試聴したり、秋葉原を散策したりするのがよいだろう。
実際に持ち込み、こちらの要望を伝えると、まず早速ヘッドフォンの状況をチェックしてもらう。
例えば、音が途切れるといった症状だった場合、その原因がどこにあるのかといったことを簡単に調べてくれる。ドライバーが損傷していた場合などはパーツの取り寄せが可能か、分解してみないとわからない症状の場合は、預かりでの検査が必要といった具合に、その場で問題と対応を判断してもらえる。
「ケーブルが断線したのかも」と持ち込んでみたら、実はプラグが汚れていただけで、簡単なクリーニングのみで修理することなく、無料で解決するといった例もある。
基本的にこういった持ち込みには、まずメーカーの修理サービスを提案しているという。とくに私が持ち込んだヘッドフォンは、メーカーサポートが充実しているため、そちらの方が比較的低価格で修理を済ませることができるそうだ。
しかも今回は、ケーブルの被膜がちぎれているだけで、線も繋がったまま。音も再生できて、とくに問題なく使える状態なので、普通に直すのであれば、メーカーでの修理が断然オススメとのこと。
だが、それでも自分の使い方に合わせてカスタマイズしたいんだ!! という強い意志を持った人向けのサービスが、今回利用したカスタマイズサービスとなる。
このカスタマイズもただ改造するというわけではない。e☆イヤホンクリニックの考え方として、「より良いものを長く使ってもらうこと」を前提としている。なので、カスタマイズする際には、それに伴うリスクなどについても細かく教えてもらえるので、そういった懸念点もしっかり考えた上で決断しよう。
今回の私の要望は「ヘッドフォンをリケーブル対応にしたい」だ。
もともと、このヘッドフォンがリケーブル対応だったら良かったのにな、と思いながら使っていたということもあるのだが、最近は寝る時にしか使っていないので、何かあった際にケーブルが抜けることで故障を避けたい、という理由の方が大きい。
非常に軽いヘッドフォンなので、寝返りは封印されるものの、割とそのまま眠れてしまう。寝ている間に外して隣に置いてあったりするが、このときに発生していたのがケーブルの捻れだ。寝る時用に使っているプレーヤーからプラグを外して捻れをほどいていたものの、ケーブルの切れ方はねじ切れたような形になっていた。
なので、リケーブルできる形にして、ヘッドフォン側のプラグも回ればそこまで強い捻れの負荷がかからなくなるのではないか。それに、眠りに入った際に少し無理に引っ張ってしまったら抜けるようになっていれば、ケーブルに負荷がかかった際の故障も避けられる。もし仮にまたケーブルが故障しても、ケーブルを買い換えればOK、と考えたわけだ。
ATH-AD900Xは片出しケーブルのヘッドフォンなので、e☆イヤホンクリニックでの選択肢は2つ。アンバランスでいくか、バランス対応にするかだ。ヘッドフォン側は3.5mmプラグになる。
てっきり、バランス対応させるにはヘッドフォン内部の配線もいじる必要があるのでは? と思っていたのだが、コネクタ部分を変更するだけでバランス化できるそうだ。
バランス対応であれば、アンバランスのケーブルも使えることもあって、今回のカスタマイズはバランス対応のコネクタに決定。しかし、1つ懸念点が。
それは、アンバランス対応のコネクタよりも、バランス対応のコネクタの方が若干太いこと。取り付けのためにヘッドフォン側を少し削る必要があるという点だ。マイナーな機種ではないため、前例もある程度あり、問題なく使用できているということだったので、そのままカスタマイズしてもらうことになった。
ついでにクタクタになっていたイヤーパッドも在庫があるということで購入。e☆イヤホンで購入したものはサービスで取り付けてもらえるということで、カスタマイズと取り付けをお願いした。
支払いもカスタマイズの受付時に行なう。今回はバランス出力対応コネクタの代金と技術料金を合わせて10,500円。ここにイヤーパッド代(2,750円)を含めた13,250円となった。なお、部品の価格や技術料金は時期によって変動するため、今回の価格は取材時の金額となっている。目安としていただきたい。
大がかりな修理やカスタマイズでなければ、基本的に1週間程度での受け取りになる。ということで、指定の日付で再度来店することになる。
カスタマイズ完了。受け取ったらケーブル選び
支払いは終えているので、カスタマイズが完了した製品を受け取り、1カ月の保証で、もし作業による不良が発覚した場合は無償で再修理ができるという説明を聞いて受け取りは完了だ。イヤーパッドも交換してもらって見た目も綺麗になったので、新しいヘッドフォンを購入した気分になる。
そして、今回重要なのがケーブル選び。実際に受け取ったヘッドフォンを使って、試聴しながら選んでいくことで、自分にあったものを探していく。
だが、種類の多いケーブルの中から、しっくりくる1本を探すというのはなかなか難しい。そこで頼りになるのがスタッフ陣の知識。さっそくヘッドフォンケーブルが扱われている3階に移動。フロアにいるスタッフに、機種と自分の要望を伝えれば、サポートもしてもらえる。
まずヘッドフォン側が3.5mmで今イチオシのケーブルをピックアップしてもらった。
今人気のあるケーブルは、e☆イヤホン・ラボの「Obsidian GEN2」で取材時の価格は19,800円。高純度銅をベースに銀を配合したハイブリッド合金による独自の「eLSAS導体」を素線に採用したケーブルで、高解像な音が特徴。
4.4mmバランスプラグのもので実際に聴いてみると、バランス接続化で普段よりも音場がさらに広くなり、開放型だがややウォームだった低域が少し締まったことで、見通しの良い音に。モニターっぽいけど、しっかり楽曲を楽しめるタイプの音になった印象だ。
2本目はNOBUNAGA Labsの「大千鳥」。取材時の価格は9,656円。こちらは銀メッキOFCを線材に採用したケーブルで、プラグは4.4mmバランス。こちらはObsidian GEN2よりもさらに音全体が高域側に上がったような感覚で、低域の印象もタイトに。価格も手頃なので、2本目として持って、気分を変えたいときに使うのが合っているような印象だった。
このほかにも、少し価格は高くなってしまうが、e☆イヤホン・ラボの製品で、Obsidianと同じeLSAS導体と古河産業のオーディオ向け導体「S-OFC」を合わせた、ハイブリット構造の「Tektite GEN2」(取材時価格30,800円)や、フラッグシップの「Iolite GEN2」(取材時価格33,900円)なども人気のケーブルとのことだ。
ちなみに今回の筆者の要望は、元々のケーブルからあまり大きく音が変わらないもの。そして、長さにも余裕が欲しいので、2.5〜3mのものがあればなお良い、といったところだ。これにバッチリ嵌っていたのが、オヤイデの「HPSC-35」。プラグが3.5mmアンバランスのケーブルなのだが、用途を有線してこちらのケーブルの購入を決めた。価格も取材時7,120円で、ケーブルの中では手頃だ。
プラグ部が銀+ロジウムメッキとなっているので、若干元のケーブルよりも音が締まっているような印象はあるが、導体は銅であることもあって、聴き比べたケーブルの中では一番オリジナルに近く感じられたのも決め手だ。
そして、せっかくバランス出力対応のコネクタにしたのに、アンバランスケーブルだけではちょっと物足りないと思っていたところで、e☆イヤホンならではの提案が。
その提案というのが、同じオーディオテクニカのヘッドフォン「ATH-SR50」の付属バランスケーブルを取り寄せること。こちらのケーブルの芯材もシンプルな無酸素銅で、「元々の音をほぼそのままバランス化したような音になるのでは」というわけだ。
生産完了したモデルの付属品なので試聴は難しいかと思いきや、中古コーナーにちょうど同モデルの在庫があるということで、付属ケーブルも試聴。こういったことができるのも中古製品まで扱っている専門店ならでは。スタッフに相談すれば柔軟に対応してくれるとのことだ。
このバランスケーブルでの音は、ATH-AD900X元々の音をほぼそのまま音場だけ一回り広くなったような聴き心地で、音の前後の距離感もより明確に。バランスケーブルでも元々のASMRコンテンツを聴くという目的を果たせそうだ。
ケーブル長が1.2mとやや短いのはネックだが、取材時の価格は3,850円。バランス対応ケーブルでは破格値だ。思わず即決してしまった。
ちなみに、eイヤホン・クリニックにケーブルの作成を依頼することもできる。使う芯材や加工にもよるが、基本的に1万円からの価格で行なってくれるそうだ。しっくりくるケーブルが見つからない場合や、「この長さのケーブルがほしい」「このケーブルを分解して編み込みにしてほしい」といった要望がある場合は相談してみよう。
カスタマイズでより使いやすくなった愛機
今回カスタマイズしたヘッドフォンはすでにしばらく使っているが、現状でかなり満足度が高い。気になっていたケーブルの捻れも、プラグを外してすぐに直せるほか、今回選んだケーブルの取り回しも良くて、使い心地はかなり良くなった。
元々「このヘッドフォンでリケーブルできたらな」と思うくらいには気に入っていたヘッドフォンなので、今後色々試せる余地ができたのも嬉しい。
もし、今使っているイヤフォンやヘッドフォンで、「あと一歩こうなってくれたら嬉しいのに」という要素があったら、具体的な要望がなくても、まずは気軽に相談してみよう。カスタマイズサービスも、元々修理の延長として、より使いやすく、長く使ってもらうためのサービスとして展開しているので、カスタマイズも選択肢の1つ程度の認識で相談するだけでも、解決のヒントが得られるだろう。


















