2017年10月期作品。「ブラッククローバー」や「魔法使いの嫁」など10作を解説

【 UQ HOLDER!～魔法先生ネギま！2～ 】

(C)赤松健・講談社/UQナンバーズ

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http://uqholder.jp/

【あらすじ】
　平穏で退屈な田舎に暮らしている少年・近衛刀太の夢は、都へ行って一旗揚げること。
　刀太は都へ行くため、育ての親であり優れた魔法の使い手である雪姫に挑戦する日々を送っていた。だが、戦いながらも仲良く暮らしていた2人の前に現れた賞金稼ぎによって、田舎での平穏な日々は終わりを告げる。
　これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。
【編集Yの解説】
　「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」で知られる、赤松健の同名コミックが原作。さらに、「魔法先生ネギま!」の未来を舞台にした作品でもある。主人公などは異なるため、「ネギま!」を知らなくても楽しめるが、キャラクターによっては「ネギま!」との強い関連もあるため、知っていればより深く楽しめるというカタチだ。
　“不老不死の吸血鬼”と“その眷属”が重要な要素になっており、ある事件によって、その力を手に入れた刀太。彼が成長する中で、仲間と共に、その力をどう使っていくかが、1つの焦点となっている。

【 ブラッククローバー 】

(C)田畠裕基/集英社・テレビ東京・ブラッククローバー製作委員会

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【あらすじ】
　人間は、魔神に滅ぼされるかに見えた。それを救ったのは、たった一人の魔道士だった。彼は『魔法帝』と呼ばれ、伝説になった。
　魔法がすべての、とある世界。生まれながらに魔法が使えない少年アスタは、己の力を証明するため、そして友との約束を果たすために、 魔道士の頂点『魔法帝』を目指す!
【編集Yの解説】
　週刊少年ジャンプに連載されている、田畠裕基の同名コミックを原作としたアニメ。なお、2017年は週刊少年ジャンプ50周年にあたる。手がけるのは、これまで様々なジャンプ作品をアニメ化してきたスタジオぴえろ。今期注目の大作だ。
　魔法が存在する世界で、魔法を題材としているが、主人公のアスタは一切魔力を持っていない。そんな彼が、ひょんな事から“相手の魔法を無力化”する能力を得て、仲間との出会いや戦いを通して成長していく、ある意味“ジャンプらしい”ストーリーの作品。アニメ版の見どころである、魔法バトルの迫力にも注目だ。

【 十二大戦 】

(C) 西尾維新・中村 光/集英社・十二大戦製作委員会

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http://12taisen.com/

【あらすじ】
　誇り高き十二戦士の、決戦の記録……
　十二年に一度開催される第十二回目の十二大戦。干支の名を宿す十二人の猛き戦士が互いの命と魂を賭けて戦う。参加者は『子』『丑』『寅』『卯』『辰』『巳』『午』『未』『申』『酉』『戌』『亥』の十二人、異様なる戦士たち。
　その戦いに勝利した者は、どんな願いでもたったひとつだけ叶えることができる。どうしても叶えたいたったひとつの願い。最後に生き残る者は誰か? 策謀と殺戮の渦巻く戦場で、流れるのは誰の涙か? 魂を揺さぶるバトルロイヤルが開戦する。
【編集Yの解説】
　＜物語＞シリーズや、「めだかボックス」などで人気、西尾維新の小説を原作としたTVアニメ。「少年ジャンプ+」にてコミカライズもスタートしている。
　タイトル名通り、“十二”がキーワード。十二年に一度、十二支の戦士が戦う大戦の、十二回目を描いた物語。個性的なキャラクター達、それぞれの戦いが描かれ、タイトルや設定だけでなく、彼らの武器や技の名前にも“西尾維新らしさ”が溢れている。
　なお、この作品は「大斬-オオギリ-」に収録されている短編マンガ「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の前日譚的な位置付けであり、アニメを楽しんだ後で同コミックを読むというのも面白いだろう。

【 Infini-T Force 】

(C)タツノコプロ/Infini-T Force製作委員会

公式サイト：

http://www.infini-tforce.com/

【あらすじ】
　2017年10月に創立55周年を迎えるアニメ制作会社タツノコプロ。その長い歴史上で生み出されてきた数多くのキャラクターたちの中で、今なお語り継がれる伝説のヒーローたちがいる。
　ガッチャマン。世界征服を目論む悪の組織ギャラクターと戦った、5人の少年少女からなる特殊チーム「科学忍者隊」の頼もしきリーダー。
　キャシャーン。人類に反旗を翻したロボット軍・アンドロ軍団から人々を守るため、自らの肉体を捨てて「新造人間」となった孤高の戦士。
　ポリマー。正体を隠して探偵事務所に身を置き、街にはびこる悪人たちに正義の鉄槌を下す、「破裏拳」流の使い手。
　テッカマン。滅亡の迫る地球から人類を新天地へと導くため、装甲を纏い宇宙からの侵略者ワルダスターに挑んだ「宇宙の騎士」。
　平和のために戦った4人のヒーローが、時空を超えて現代の渋谷に集結。その目的は世界と、1人の少女を救うこと。伝説のヒーローたちの新たなる戦いが、いま再びはじまる。
【編集Yの解説】
　まさにタツノコ版“アベンジャーズ”。タツノコを代表するヒーローたちが集まり、敵に立ち向かう3DCGアニメだ。
　監督は、「ガッチャマン クラウズ インサイト」で助監督を担当した鈴木清崇。シリーズ構成は「スイートプリキュア♪」の大野敏哉、キャラクター原案は「天上天下」でお馴染みの漫画家、大暮維人。ヒーロデザイン原案を「TIGER＆BUNNY」のさとうけいいちと、バリエーション豊かな才能が結集している。

【 少女終末旅行 】

(C)つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会

公式サイト：

http://girls-last-tour.com/

【あらすじ】
　繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が終わりを迎えてから長い年月が過ぎた。人間たちのほとんどが死に絶え、生き物さえもいなくなった終わりを迎えた世界。複雑に建造された都市はまるで迷路のような廃墟となり、整備するものがいなくなった機械たちは徐々にその動きを止めていく。
　いつ終わってしまったのか、いつから終わっているのか、そんなことを考えることさえなくなった終末の世界であてのない旅を続ける二人の少女。
　チトとユーリは今日も愛車ケッテンクラートに乗って廃墟の中を彷徨っていた。
　終末の世界をほのぼのと生き抜くディストピアファンタジーが今、幕を開ける。
【編集Yの解説】
　かつて反映した都市が誰もいない廃墟になった光景などが好きな人にビビッとくるのが「少女終末旅行」だ。広大な廃墟で、旅を続ける2人の少女の日常を、丁寧に描いた同名コミックが原作。
　こうした設定の作品では、“敵の侵略を受けて都市が滅亡”とか“その敵から隠れながら生き延びるサバイバル”的な展開を想像しがちだが、そうしたハードな作品ではなく、“荒廃した世界での日常”をメインにしているのが特徴。「ヨコハマ買い出し紀行」をご存知の方は、そのイメージに近い。
　彼女達の素朴でゆるやかな生活を辿りながら、同時に、“この世界に何があったのか?”“別の場所はどうなっているのか?”といった事に、思いを巡らせる楽しみ方もできる作品だ。

【 宝石の国 】

(C) 2017 市川春子・講談社/「宝石の国」製作委員会

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http://land-of-the-lustrous.com/

【あらすじ】
　今から遠い未来、かつて存在した生物が、不死の身体をもつ「宝石」になった世界で、月から飛来する謎の敵“月人”と宝石たちとの激しい戦いを描く、強くてもろくて美しいアクションファンタジー。
【編集Yの解説】
　講談社「アフタヌーン」で連載中、市川春子原作、累計発行部数140万部突破の同名コミックが原作。“にんげん”の存在が遠い過去になった未来の物語で、そこに生まれた、宝石の体を持った人型のキャラクター達が、謎の敵と戦いを繰り広げる……というユニークな設定の物語。
　例えば、フォスフォフィライトというキャラクターは「硬度三半。宝石たち中で最年少の三百歳。ひときわ脆く、靭性も弱いため戦闘にも向かず、何をさせても不器用で役立たずだったが、生まれて初めて博物誌編纂という仕事を与えられる」、シンシャは「硬度二。体から無尽蔵に毒液が出る特異体質のため、他の宝石たちから距離を置き月人の現れない夜の見回りを担当している。聡明で思慮深い」といったように、宝石の特徴がキャラクターの特徴に反映されている。
　アニメの監督は、「ラブライブ!」などの京極尚彦。キャラクターデザインも、「ラブライブ!」の西田亜沙子が担当。3DCGアニメとなっており、制作は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」や「劇場版 マクロスF」のCGパートを手掛けたオレンジが担当。宝石が煌めくような、独特なバトルに注目だ。

【 つうかあ 】

(C)にこいち/「つうかあ」製作委員会

公式サイト：

http://twocartv.jp/

【あらすじ】
　今日はレーシングニーラー女子高生部門のエキシビションレースが開催される日! 全国から集まった「ニーラーレース」の淑女達が、闘志の炎を燃やしている。
　今季のドライバーとパッセンジャーをみなさんに知っていただく、お披露目レース。デモンストレーション走行で無理な競り合いや追い越しはしませんが、それは本戦でご期待ください。
　今季優勝を狙って戦う女子レーサーたちが、今! はしりだす!
【編集Yの解説】
　「つうかあ」というタイトルを聞いただけではわかりにくいが、バイクのサイドカーを使ったレースを題材とした異色作。車やバイクを題材としたアニメは、これまで幾つもの作品があるが、サイドカーレースという一般にはあまり馴染みのない世界をアニメ化しているのが最大の魅力だ。SILVER LINK.制作によるオリジナル作品となる。
　レースにおいて、サイドカーに乗っている人は、単に乗っているだけでなく、“パッセンジャー”と呼ばれ、体を大きく動かし、体重移動させる事でスピードロスの少ないコーナリングをする重要な役割を担う。当然、バイクを操るライダーとのコンビネーションも重要な要素。
　そんなサイドカーレースに打ち込む、女子高生2人の物語が「つうかあ」。スピード感溢れるレースシーンも見逃せない。

【 魔法使いの嫁 】

(c)2017ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

公式サイト：

http://mahoyome.jp/

【あらすじ】
　羽鳥チセは15歳の少女。彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。
　そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、異形の魔法使い・エリアス。悠久の時を生きる魔法使いとの暮しの中で、チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく……。これは、世界の美しさを識る為の物語。
【編集Yの解説】
　2015年にブレイクし、現在は累計400万部を超える大ヒット作となっている、ヤマザキコレの同名コミックが原作。アニメ化プロジェクトは2016年にスタートしており、オリジナルアニメ「魔法使いの嫁 星待つひと」全3部作が、コミックス特装版の第6巻・7巻・8巻に同梱される形で、既に発売されている。
　2017年10月からのテレビアニメ版は、この流れ受け、満を持してのスタートとなる。アニメを担当するのは、「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」など、ハイクオリティかつ“熱い”映像に定評のあるWIT STUDIO。原作に流れる独特の雰囲気を、どのようにアニメで描くのかが注目ポイント。なお、放送は2017年秋から2018年冬の連続2クールで、Blu-ray化も既に決定している。

【 クジラの子らは砂上に歌う 】

(C)梅田阿比（月刊ミステリーボニータ）/「クジラの子らは砂上に歌う」製作委員会

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http://kujisuna-anime.com/

【あらすじ】
　砂刑暦93年。ここは砂が全てを覆い尽くす世界。砂の海に覆われた世界に、小島のように浮かぶ漂泊船「泥クジラ」の上で暮らす人々がいた。
　外界との接触がまったく無いこの島の人口は513人。そこに住む人々多くは、感情を源とする超能力「情念動(サイミア)」を操る力を有する代わりに短命である「印(シルシ)」と、超能力を持たない代わりに長命の「無印(むいん)」という種族。彼らは、泥クジラで小さな共同体として穏やかに過ごしていたのである。
　「外界から閉ざされた“泥クジラ”で短い一生を終える」 その運命を受け入れ島の記録係を勤める「印」のチャクロはある日、「泥クジラ」に漂流してきた廃墟船を調査する最中、1人の謎の少女と出会う。
　彼女の名は「リコス」。島に住む人間にとって、史上初めてとなる外の世界から人間との接触だった。 そこから彼女の故国「帝国」は「泥クジラ」の住人が遠い昔にかつて住んでいた故郷であり、自分達はそこで罪を犯した流刑囚の末裔であることを知る。自分たちのルーツと残酷な運命を知ったチャクロは、悩み抜いた末、ある決断を下す。これは、新世界を開く福音なのか……。

【編集Yの解説】
　秋田書店「月刊ミステリーボニータ」に連載されている、梅田阿比による同名コミックが原作。「四月は君の嘘」や「Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-」のイシグロキョウヘイ監督と、J.C.STAFFのタッグがアニメ化。
　世界観が独特なのでわかりにくいが、まるで海のように広大で、魚(?)も存在する“砂”に覆われており、そこに浮かぶ、島ほどのサイズもある巨大な船が物語のスタート地点となる。砂の海には、かつて繁栄していたと思われる文明の名残が浮かんでいるなど、謎多き世界であり、物語が進むにつれ衝撃的な秘密も明らかになる。砂に包まれた世界で、少年少女達の感情と命、そして決断の物語が幕を開ける。

【 いぬやしき 】

(C) 奥浩哉・講談社/アニメ「いぬやしき」製作委員会

公式サイト：

http://www.inuyashiki-project.com/

【あらすじ】
　定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。
　その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は、人間を遥かに超越する力を手に入れることに。
　一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。
　自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。
　人間の本質は善なのか、それとも悪なのか……? 強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す。
【編集Yの解説】
　講談社の「イブニング」で連載された、奥浩哉のコミックを原作としたアニメ。“人間を超越した力を手に入れた男子高校生”となれば、アニメやコミックで主人公になりそうなものだが、この作品では、その力におぼれ、無関係な人間を虐殺してしまうような悪役として登場。
　一方、主人公となるのは、定年が迫る、老け顔の冴えないサラリーマン。正義感は強く、悪を前にすると憤るものの、力が無い事から抗えなかった彼が、超常の力を手にした事で、ある種のヒーローとして活躍していく。
　単なるバトルだけでなく、正義や悪とは何か? 大きな力を手に入れた人間はどう変わり、そして周囲の人々もどう変化していくのかを、真正面から描いた骨太のストーリーも見どころ。主人公の犬屋敷 壱郎を俳優の小日向文世、獅子神 皓を村上虹郎が演じているのもポイントだ。