今回は、その中でも特に目立って出展されていた、AV機器向けのデバイスをレポートする。
■ 表示デバイス PDP(プラズマディスプレイパネル)の出展は、松下電器とパイオニアブースで行なわれた。松下は、今秋から開始されたワイド50型PDPのモジュールを出品。これは同社の民生用プラズマテレビ「TH-50PH3/S」のディスプレイパネル部を使用したもので、パネルをはじめとした構成部品単位での受注となる。価格は外装込み一式で130万円程度。 パイオニアブースでは、8月発売の業務用ワイド50型「PDP-503CMX」のモジュールを展示した。こちらも構成部品単位の受注が可能。10月発売の民生用と異なり、PC入力時の解像度が1,280×768ドットと高い。ベースとなった「PDP-503CMX」と並べ、高画質をアピールしていた。
エプソンブースでは、デジタルカメラ用の撮像素子として、新方式の「ACDT(Advanced Carrier Detection and Transfer technology=新電荷転送方式」を紹介した。トランジスタ1個とフォトダイオード1個によるシンプルな構成で撮像するもので、イノテックの「VMIS技術」をベースにしている。シンプルなため、低電圧、低消費電力という特徴を持つという。加えて、高感度、高ダイナミックレンジも実現するとしている。 今回は10万画素と150万画素を出品し、150万画素ACDTで撮影した画像を液晶モニタに表示するデモを行なった。 ロードマップによると、2003年には1/1.8型200万画素タイプと同サイズの320万画素タイプを市場投入する計画。セルサイズはそれぞれ4.2μm、3.45μmという。さらに、2004年には35mm判サイズの4,800×3,200ドット品を開発するとしている。 また、有機ELの参考出品もあった。写真ではわかりにくいが、64階調のアクティブ型でサイズは2.8型。製造には同社のインクジェット技術が活かされているという。
■ 映像記録デバイス 松下は、同社のDVD-RAM/Rレコーダ「DMR-E20」をベースにした、DVDレコーダの評価セットを展示した。また、隣りには「DMR-E20」でも採用したMPEG-2エンコーダチップなどを搭載した基板を出品。第1世代の基板と並べていたが、約半分ほどのサイズにまで小型化されている。評価セットは2、3カ月以内に出荷される見通しという。なお、任意のIDEドライブを接続するタイプなので、DVD-RAM、DVD-Rだけでなく、DVD-RWにも対応する。 また、同ブースにはIEEE 1394接続のAV用HDDが展示されていた。サイズは3.5型で、既に出荷が始まっている。容量は40GBと80GBの2種類。ハイビジョン放送の記録を主な目的にしており、内部にDTCPによる著作権保護方式を搭載。2ch同時記録も可能となっている。さらに、2.5型、3.5型のAV用の流体軸受けHDDなども展示した。
■ ポータブルオーディオ向け技術 三洋電機ブースでは、ドルビーヘッドフォンのデコードチップを出品。5.1chの立体音響をヘッドフォンで再現するもので、1チップで構成。10月からサンプル出荷を開始する見込み。サンプル価格は2,000円となっている。 また、三洋電機は、CD-DA、MP3のデコードと180秒分のアンチショックメモリ(CD-DA)などを1チップ化した「LC78683」を発表。MP3デコード部は、可変ビットレートにも対応。同時に、CD再生用のサーボチップ「LC78646E」も発表になり、両モデルを組み合わせた再生デモを行なった。 ロームのブースでは、ポータブルCDプレーヤー用のアンチショックメモリチップを展示。同チップ搭載プレーヤーと非搭載プレーヤーを並べ、振動を加えて再生音の音飛びを検証するデモンストレーションを行なった。
■ オプトインターフェイス IEEE 1394(i.LINK)を光ケーブルで代替する技術は、シャープとソニーが「OP i.LINK」の名で規格化を進めている。会期前日に「OP i.LINK」Ver.2.0の発表があったが、シャープブースに展示品はなし。従来からのVer.1.0のデモを行なっていた。Ver.1.0について詳しくは7月開催のインターオプトの記事に掲載している。 同じくPOFを使ったIEEE 1394伝送として、松下がS400(400Mbps)に対応したシステムを参考展示した。OP i.LINKがS100のため、現状では最速としている。既にサンプル出荷が始まっており、リンク部分のサンプル価格は25万円程度。 東芝は、トスリンクを拡張したIEEE 1394インターフェイスを出品。これもインターオプトに出展されていたもので、伝送速度はS200(200Mbps)に対応する。マルチ画像伝送が特徴で、今回も3台のカメラを使い、Hubを介しての同時表示をデモンストレーションした。
■ そのほかの注目される展示
(2001年10月4日) [orimoto@impress.co.jp] |
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