カノープス、TVキャプチャカードのフラグシップ「MTV2000」
―3次元Y/C分離、GNR搭載。DVD-RAMへの直接録画も可能に


2月上旬発売

標準価格:64,800円

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 カノープス株式会社は、新たにデジタル信号処理回路を搭載したTVチューナ搭載MPEG-1/2キャプチャPCIカード「MTV2000」を2月上旬に発売する。価格は64,800円。OSはWindows Me/2000/XPに対応し、Windows 98 SEは動作保証対象外となった。

 MTV2000は、同社が2001年6月上旬に発売した「MTV1000」(49,800円)の上位モデルにあたり、MTV1000は今後も並売される。チューナや、MPEG-1/2エンコーダチップはMTV1000から変更されておらず、チューナはPhilips製、MPEGエンコーダチップは松下製。なお、エンコーダチップは新たに「VDSP3」という名称がつけられた。

MPEGエンコーダや、チューナ、デコーダは、MTV1000と同じものを使用している

 MTV2000の最大の変更点は、同社が「Triple 3D Video Processor」と名づけた、デジタル処理回路を追加したこと。これは「デジタル3次元Y/C分離」、「デジタル3次元ノイズリダクション」、「デジタル3Dフレームシンクロナイザ」の3つを総称したもの。

Triple 3D Video Processorは、ドータカード形式で接続されている。Triple 3D Video Processor非搭載の廉価版も検討しているという Triple 3D Video Processorを外したところ。基板の構成はMTV1000とかなり異なっている 今回の目玉である、Triple 3D Video Processor基板。NECと、松下のLSIが仲良く(?)並んでいる

 デジタル3次元Y/C分離では、フレームバッファと、動き検出により、同じ位置に表示されているドットの時間関係からYC分離を行なう機能。デジタル3次元ノイズリダクションは、時間軸の関連性が低いというノイズの特性から、ノイズ検出を行なって除去する機能。従来のシャープネスを下げるノイズリダクションに比べ、画質への影響が最小限に抑える事ができるとしている。

 デジタル3Dフレームシンクロナイザは、1画面分をバッファにして、MPEGエンコーダチップに、常に安定した同期信号を供給する。MPEGエンコーダチップは、乱れた同期信号が入力されると、継続した処理ができなくなるという問題がある。デジタル3Dフレームシンクロナイザにより、それを未然。に防ぐことが可能になった。

 さらに、古いビデオなど横方向のジッターを検出し補正する、「デジタルラインタイムベースコレクタ」も装備している。加えて、入力ビデオレベルの調整も、デジタルAGC(Auto Gain Control)により完全自動化された。デジタルAGCでは同期信号を基準にしているため、画像の内容に影響を受けないという特徴がある。

 また、チューナには、TV信号に含まれるゴースト検出信号により、10個までのゴーストを軽減する、「10Tapデジタルゴーストリデューサー」も備えている。

 MPEGは、入力信号の質が低い場合、圧縮後の画質や、圧縮率にかなりの悪影響を与えるという特性がある。MTV2000は、MTV1000と同じチューナ、MPEGエンコーダを採用しながらも、MPEGエンコーダに入力される信号が、より高画質になるように配慮されている。

 インターフェイスなどの仕様は、MTV1000と同じで、ビデオ入力端子は7ピンミニDINコネクタ。S映像ケーブルを接続できるほか、付属の変換ケーブルにより、コンポジットビデオも入力可能。オーディオ入力はRCA(L/R)、オーディオ出力はステレオミニジャックに加え、サウンドカード内部接続用コネクタを用意。サンプリング周波数は、32/44.1/48kHzに対応する。なお、ステレオミニジャックと、サウンドカード用コネクタは排他使用となっている。

 MPEG-2の解像度は720×480/352×480ドットで、MPEG-1は352×240ドット。ビデオビットレートは、MPEG-2(720×480ドット)が4~15Mbps、MPEG-2(352×480ドット)が2~8Mbps、MPEG-1(352×240ドット)が1~1.8Mbps。可変ビットレート(VBR)もサポートする。

 基板の大きさは、MTV1000より10mm長い107×222mm(幅×長さ)。同社では「小型化の要望があることは把握しているが、今回は画質を優先した」と説明している。

 ハードウェア以外で注目されるのは、添付ソフトウェアに「DVD-MovieAlbum for Canopus」が新たに追加されたこと。DVD-MovieAlbumは、DVD-RAMにDVDビデオレコーディング規格で録画、編集する松下製のソフト。そのソフトをMTVシリーズに対応させたのが、「for Canopus」となる。

 具体的には、MTV2000から、DVD-RAMにDVDビデオレコーディング規格で直接録画できるようになっている。もちろん、HDDへの録画と同様に、iEPGなどを使った予約録画にも対応している「DVD-Movie Album for Canopus」で録画したDVD-RAMディスクについては、民生用のDVD-RAM対応レコーダ/プレーヤーで再生できる。

 そのほかのソフトは、MTV1000と基本的に同じで、MTVコントロール/録画/再生ソフト「MEDIACRUISE」、ログオフやスタンバイ状態からもタイマー録画可能な予約録画ソフト「TV Recording Manager」、DV形式のファイルをMTVのMPEGエンコーダ使って高速エンコードする「DV-MPEGファイルコンバータ」などが付属する。なお、MEDIACRUISEには、新しいスキンが追加されている。

 また、MTV1000ユーザーには対しては、「DVD-MovieAlbum for Canopus」などを、アップグレードキットして有償で提供される予定。ただし、「ユーザー登録した人への特典としたいので、登録者にのみ案内を送る。そのため、価格などの詳細は一般に公表しない」としている。ただし、「かなり安い値段で提供できそう」と話していた。


□カノープスのホームページ
http://www.canopus.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.canopus.co.jp/press/2002/mtv2000.htm
□製品情報
http://www.canopus.co.jp/catalog/mtv2000/mtv2000_index.htm
□関連記事
【5月10日】カノープス、MPEG-1/2ハードウェアエンコーダ搭載TVチューナカード
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010510/canopus.htm
【5月30日】小寺信良の週刊Electric Zooma! 第12回
 テレビキャプチャカードの最高峰「カノープス MTV1000」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010530/zooma12.htm

(2002年1月11日)

[furukawa@impress.co.jp]

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